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消しゴムはんこ
2022年9月25日 08:58
「さぁ、帰ろうか」「ん!ちょっと寄り道して帰ろうよ」コンビニで買い物を終えて、君といつもの帰り道を歩く。特別近道でもなく、特別舗装されて綺麗でもないこの道でも、君と歩く道ならそれでいいと思えた。橋から見える川の流れは今日も穏やかで、日差しを反射してキラキラと輝いている。まるで君といる毎日のようだなんて思って、柄にもないなと笑った。レジ袋をふらふらさせながら、2人で手を繋いで歩く。「
2022年9月19日 09:26
今日、僕の最愛の人が亡くなった。信じられなかった。受け入れられなかった。涙も枯れ果てて、頭がぼんやりしている。君の弾けるような笑顔を見つめながら僕は呟いた。「似合わねぇよ…」聞いたことないぐらい掠れた声だった。鼻の奥がツンとする。どんな服も似合う君だったけれど、遺影に映る姿だけは全くだった。「もう!なに泣いてんのー?」これは全て夢で、起きたらまた隣に寝ている君がそう言って笑っ
2022年9月10日 10:53
前編はこちらから。“赤い糸”が切れてしまっても日常は続いていく。君を失って1年が経とうとしていた。君がいないことに絶望感を抱いていた僕だが、人間というのは残酷な生き物だ。もう既に君の知らない僕に少しずつ変わっていっていた。 ***見たい映画ができた。最近話題の興行収入が億を突破した作品だ。特に誰のファンとかではないが
2022年9月7日 12:06
2人を繋ぐ“赤い糸”が切れる音が聞こえた。2人の時間が、君が他の誰かと出会う時間になっていった。2人の日々は色褪せていった。悪い夢を見ているようだった。早く覚めてくれ。そう願うばかりだった。でも夢じゃなかった。僕は君を失った。 ***いつも通りの時間に目を覚ます。君のもので溢れかえる部屋を見渡す。君は
2022年9月1日 11:02
君は先に寝てしまった。すごく幸せそうな寝顔だ。「ねぇ、どんな夢見てるの?」返ってくるはずのない問いかけを君に投げかけた。「ごめんね」聞こえるはずのない謝罪。「好きな人がさ、できちゃったんだ」 ***いつも通り「またね」と手を振って、君が部屋を出て行ったあと、僕は洗面所に向かった。並んでいる青と黄色の歯ブラシに目を向ける