消しゴムはんこ

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消しゴムはんこ

➤口から産まれた人 ➤音声配信アプリで活動する雑談配信者 ➤Spoon('20.10.01~)➤AWA運営公認配信者('22.06.01~)

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あえないきみへ。

今日も仕事を終えて、家に帰る。 ネクタイを緩めて、スーツをハンガーに掛ける。 シャワーからあがって、ふと、スマホを開いて日付を確認する。 「前に会ってからもう1ヶ月半かぁ」 経ってしまった時間の長さに驚く。 僕が学生を卒業して仕事を初めてから、なかなか会えなくなってしまった。 会えないどころか、メールや電話の回数も減り、物理的にも心理的にも距離が出来てしまったような気がする。 「今日はなんだか君の声が聴きたい」 そう君にLINEを入れた。 5分も経たないうちに返信が来る。 「

    • 営業という仕事。

      僕は某食品系のメーカーでセールスをしています。 えぇ、「営業マン」ってやつです。 今日は僕の仕事の中身を少しだけ。 本題に入る前に、皆さんの中の「営業マン」ってどんなイメージですか? 体力仕事。身を削って頭を下げて商品を売る仕事。コミュ力がいる仕事。などなど。イメージは色々かと思います。 まだまだこの仕事を始めて半年ちょっとのペーペーですが、大半のイメージに共通するのが「しんどい」とか「大変」みたいなマイナスイメージかなと。 でも、そんなことないよって伝えたい。 まぁ、言

      • 君のいた余韻。

        「忘れ物ない?」 「うん、大丈夫。ないよ」 もう取りに来れないからなぁ、って君は笑う。 「もし忘れ物してたらさ、私のとこまで持ってきてくれる?」 「…馬鹿なこと言うなよ」 「あはは、冗談冗談」 助手席に乗っている君が、目じりを少し拭ったように見えた。 それは笑ったからか。それとも…。 君は、膝の上に大きな荷物を乗せている。 会話もほとんど交わさず、君をいつもの駅に送る。 これが君と過ごせる、最後の時間。 永遠に一緒にいられるなんて思ったことはなかったけど、 本当に終わりが来る

        • 実家のあたたかみというもの。

           先日実家に帰省した。金曜の夜に帰って、日曜の朝に変えるというめちゃくちゃハードスケジュールでの帰省だった。でも半年ぶりの帰省ということもあって、なんだかすごく実家という空間が懐かしく感じた。今日は読んでいる人がちょっと実家に帰りたくなる(ような話であればいいなぁ)、そんなお話。  いつもなら、「ただいまぁ」と誰もいない部屋に話しかけ、一人で「おかえりぃ」と自己完結で終わるところも、「ただいまぁ」と言えば「おかえり」と返してくれる人がいる。実家にいた頃は当たり前だったことも

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        あえないきみへ。

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        • 短編小説。
          24本

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          2022を振り返って。

           少し前回の投稿から時間が空いて、「そろそろ新作出さなきゃなぁ」と思っていたらあっという間に今年も終わり。個人的には本当に激動の1年だったような。僕の配信活動も、個人的なリアルの事情も含めて、今回の記事で振り返っていこうかなと。  今日は「☼𓇼消しゴムはんこ」の活動について。いろいろ振り返りましょうか。  まずはSpoon。今年はいい意味で「実り」の1年だった。1月・2月は運営のおすすめ配信者100人にあたる「Choice」に選出。配信を始めた当時から「いつかなってやろう

          2022を振り返って。

          Days with You

          「ねぇ!起きてー!」 遠くで君の声が聞こえているような気がする。 これは夢か、現実か。 「ねぇ!もう12時!お昼だよー!」 えらいリアリティのある夢だな。時間まで言ってくるのか。 「ちょっとー!聞こえてるのー?」 徐々に意識がはっきりしてきた。 限界レベルのかすれ声で返事をする。 「えぇ…もうそんな時間…?」 「そうだよー!いつまで寝てるのー!今日映画見に行くんでしょー?」 「ごめんごめん」 楽しみにしてたんだからねと、君は寝室を後にする。 君が抜けて広くなったベッドの上で、

          ヒロイン。

          憂鬱な冬の朝。 カーテンの外を見ると、ほんのり道路が白い。 起きるだけでも嫌なこの季節。 布団から出て、眠い目を擦りながら、服を着替える。 今日も何一つ変わらない1日が始まる。 いくら外に出たくなくても、僕には大学をサボらない理由があった。 そう、君に会えるから。 今日みたいに骨まで凍りそうなそんな日に僕は君を見つけた。 「おはよう~!ねぇねぇ!雪すごいきれいじゃない!?」 少し離れた席の方で、友達同士で話している集団の中に君はいた。 集団の中でひときわ輝くその姿に 雪が

          ふゆのはなし。

           今年もついに朝起きるのがきつい季節がやってきました。こんなことを言うと、東北とかもともと寒冷な地域にお住まいの方には「おせぇよ」と言われそうだ。あくまで僕が住んでいる西日本の話として聞いていただきましょうかね。よし、予防線完了。  今日書いていくのは「冬の思い出」―。冬というと、「人肌恋しい」とか「クリスマス」といった恋愛を連想させるフレーズが非常に多い気がする。これも「冬」という確立された季節があるからこそだろうし、すごく素敵なこと。でも今日はそこに縛られず、いろんな冬

          ふゆのはなし。

          邦ロック論Ⅲ

           さて、早いものでもう第3回。今回紹介するのは「マカロニえんぴつ」!最近名前を知ったという人も多いのではないでしょうか。今回はマカロニえんぴつの魅力を存分に語っていきたいと思います。どうか最後までお付き合いくださいませ。  マカロニえんぴつの良さは一言で言うなら「だささ」―。突き抜けるような高音が売りのバンドが多い中で、そこまで高すぎないキー。一昔前のバンドのような独特の雰囲気。他の言葉では形容しがたい「マカえんっぽい歌詞」。どのバンドにもない良さを持ち合わせた最高のバン

          邦ロック論Ⅲ

          I wanna be with...

          ねぇ、あなたは今どこにいるの。 どこで何をして、今という時を過ごしているの―。 別の人の彼女になった。 あなたとは、まるでタイプの違う大人な人。 「じゃあ、今日も行ってくるよ」 「うん、いってらっしゃい」 あなたとは喧嘩ばかりの日々だったけれど、すごく余裕があって、口喧嘩すらすることがない。そんな優しい人。 「ねぇ、私のこと好き?」 「え?あぁ」 あなたといたときはこんな会話ばかりだった。 なんで言葉にしてくれないのか聞くと、 「なんだか『好き』ってたくさん言うと、その気

          I wanna be with...

          邦ロック論Ⅱ

           さて、今回は「邦ロック論」の第2回目です!前回の「邦ロック論Ⅰ」は読んでいただけましたでしょうか。まだ読んでない方はぜひ!  2回目の今回、取り上げるアーティストは「Saucy dog」です!やっぱりサウシーと言えば何といっても突き抜けるような高音。同じ男性としては「なんでそんな声出んねん」と思うこともしばしば。でもそれだけじゃなくて、イントロや間奏のギターがめちゃくちゃかっこよかったり、ドラムの力強さもすごくよかったり…。さて、止まらなくなる前に曲の話に行きましょうか(

          邦ロック論Ⅱ

          本当はね。

          せっかくの日曜日なのに今日もバイトに出てきている。 「あと2時間…」 バイトってなんでこんなに時間すぎるの遅いんだろう。 私が見ない間に誰かが時計の針止めたりしてるんじゃないかってくらい時間が進まない。早く帰ってベッドに飛び込みたい。 「いらっしゃいませぇ」 あ、待って。やばいやばい。 何を急に焦っているんだって? だって「あの人」が来たから。 私が最近気になってる「あの人」が。 彼がレジの死角に入った瞬間に死んでいた前髪をさっと直す。 「これお願いします」 少し癖のある黒髪

          邦ロック論Ⅰ

           以前、大好きな曲の記事を書いていて、ふと思いました。「せっかく音楽ラジオをやっていて、たくさん歌を聞くんだから音楽についての記事も書こうかな」―。実際、自分の好きな曲の話を書くのはすごく楽しかったし、筆も速かった。前も記事で紹介したとおり、僕がAWAで公認配信者をやるのは「リスナーと新たな音楽との架け橋になること」。僕に記事を読んでくださっている読者の皆さんにも、同じことができればと思ったんです。ということで、今回から音楽ラジオ配信者による「邦ロック論」と題して、おすすめの

          邦ロック論Ⅰ

          僕が救われた歌。

           僕は現在、「AWA」という音楽アプリで運営公認配信者を務めている。配信者というと、どのようなイメージを抱くかわからないが、音楽アプリということもあり、音楽を紹介するラジオをしている。もともと音楽が大好きで、特に「邦ロック」と言われる分野に関しては、オタクを極めている。「邦ロック」にドハマりしたきっかけは、「雰囲気が最高にかっこよかったから」だけれど、邦ロックのいいところはそれだけじゃない。今日はそんな「邦ロック中毒者」が語る、僕が救われた歌のお話。  ちなみに、僕が「邦ロ

          僕が救われた歌。

          一人暮らしのすすめ。

           皆さんは一人暮らしの経験はありますか?消しゴムはんこ調べによると、20代男女の約45%が「経験あり」と答えた模様。進学や就職など理由は人それぞれだが、僕が思っている以上にみんな一人暮らしするんだなと、そう感じてた。  そんな僕はというと絶賛一人暮らし満喫中。楽しくてたまんないですよほんと。大学進学をきっかけに一人暮らしをスタートさせたが、自由だし最高だった。実家が嫌いなわけじゃないけれど、「帰りたくないなぁ」なんて思うくらい。僕の配信に来てくれているリスナーの子たちの中に

          一人暮らしのすすめ。

          Ending

          「今日さぁ、バイトでこんなことあってさ…」 「うんうん」 「今日服買いに行ったんだけどさ…」 「えー!どれどれー?」 「この前友達がさ、めちゃくちゃ面白くて…」 「ははっ、うんうん」 二人でいるといつでも僕は僕の話ばかりで。 今思えば、どれだけ君の話を聞いていただろう。 そんな僕でも、君はいつでも笑顔で話を聞いてくれていた。 *** 「私たちも、もう終わりだね」 「…そうだね」 夕暮れの光がカーテンの隙間から部