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邦ロック論Ⅰ

 以前、大好きな曲の記事を書いていて、ふと思いました。「せっかく音楽ラジオをやっていて、たくさん歌を聞くんだから音楽についての記事も書こうかな」―。実際、自分の好きな曲の話を書くのはすごく楽しかったし、筆も速かった。前も記事で紹介したとおり、僕がAWAで公認配信者をやるのは「リスナーと新たな音楽との架け橋になること」。僕に記事を読んでくださっている読者の皆さんにも、同じことができればと思ったんです。ということで、今回から音楽ラジオ配信者による「邦ロック論」と題して、おすすめのバンドの魅力とおススメの曲を紹介していこうと思います!

 ちなみに「邦ロック論」としたのは、僕が大学生だから。なんか大学の講義っぽいでしょ。それだけ。深い意味はなし。

 ということで、記念すべき第1回は!1番応援している期間も長い「back number」―。いやぁもうね。語り切れないですよ。とは言いつつも書き始めると、本当に論文サイズになっちゃうので、頑張ってまとめていきましょう。

まず最初に紹介する曲は「風の強い日」。この曲は失恋ソングなんだけど何といっても「相手を失った喪失感」がすごく出ている。「公園の角の桜の木が綺麗だねってあなたに言いたくなる ああそうか もう会えないんだった」という歌詞は、まだ相手を失ったことを受け入れられず、我を失ってしまっている感じがよく出ている。振られているわけだから、もしかしたら魅力的な交際相手ではなかったのかもしれないけど、でもちゃんと相手のことを思っていたという気持ち。僕は別れたらすぐ切り替えちゃうタイプなので共感はできないけれど、「未練」って結局は「それだけその子を思っていたという証拠」だと思うので、この歌の主人公はすごく素敵だなと思う。

次に紹介するのは「fish」。この曲のすごいところは、女子視点であるということ。back numberの楽曲は全てボーカルの清水依与吏が作詞作曲を担当している。つまり書いたのは男性。男性がここまで女性の恋心を書けるものなのか…。天才すぎんだろ。もちろんこの曲以外にも女性視点の失恋ソングはあるが、この曲は特に印象的だ。一番最後の歌詞「あなたがここに帰って来ますように」は、一種の恐怖めいたものすら感じる。でも僕が考えるに、この曲はただ女性視点の失恋ソングというわけではないと思う。依与吏さんの「女性にはこんな風であってほしい」という願望も少し含まれているのではと思うのだ。一途に相手を思う女性の姿あり、作者の隠れた願望あり。言うまでもなく素敵。

最後に紹介するのは「光の街」。片想いだったり、失恋だったりと切ないラブソングを得意とするback numberにしては珍しい幸せな歌です。「橋から見える川の流れは今日も穏やかで 日差しを反射してキラキラと海へ向かってゆく」という歌い出し。はい、すでにいい。まるで自分がそこにいるかのように情景が浮かぶのはもちろん、たぶんここでいう「海」は2人が向かう未来で、「キラキラと」という表現は「あなたといる毎日」を表しているのではないかと。「君から僕は大切なものをもういくつももらったよ」という表現も、「自分がこの子を幸せにするんだ」という依与吏さんの恋愛観がよく出ている。幸せな曲もいいなぁ。

 まだまだ紹介できなかった曲はたくさんあります。最近はドラマや映画の主題歌に多く起用されていることもあり、新曲のリリースも増えてきた。来年1月には4年ぶりのニューアルバムのリリースが発表された。「ラブソングの帝王」として確固たる地位を築いているback numberだが、まだまだこれからの活躍から目が離せない。

 最後まで読んでくださったこと、感謝します。この文章を読んだあなたが、素敵な音楽に出会えますように。それではまた、どこかで。


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