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邦ロック論Ⅱ

 さて、今回は「邦ロック論」の第2回目です!前回の「邦ロック論Ⅰ」は読んでいただけましたでしょうか。まだ読んでない方はぜひ!

 2回目の今回、取り上げるアーティストは「Saucy dog」です!やっぱりサウシーと言えば何といっても突き抜けるような高音。同じ男性としては「なんでそんな声出んねん」と思うこともしばしば。でもそれだけじゃなくて、イントロや間奏のギターがめちゃくちゃかっこよかったり、ドラムの力強さもすごくよかったり…。さて、止まらなくなる前に曲の話に行きましょうか(笑)

 まず最初に紹介するのは定番。「いつか」―。呟くように2人の思い出を歌うAメロとBメロは切なさ全開。聞いていて情景が浮かぶのも最高。別れてしまってもう完全に「思い出」なんだけど、2人でいた何気ない毎日を心から幸せだったと思える。そんな気持ちが伝わってくる。そして1番の見どころは何といっても、最後の「いつかぁ」のところ。ここのロングトーンは鳥肌もの。「じゃあね じゃあね またどっか遠くで」という歌詞からも、「もう会うことはないかもしれないけど、でもいつか会えたら」という叶わぬ願いのようなものが見える。このハイトーンでさらに切なく聞こえるんだよなぁ。

 2曲目は少し最近の曲。「シンデレラボーイ」―。浮気している相手に向かって歌った曲。「未だに君がいちばん 最低で大好きだった」や「気づかないふりをしてそのまま つけるタバコが大嫌い」という歌詞。浮気するような奴、一緒にいない方がいいことは自分でも分かっていて、でもはっきり「あなたが嫌い」と言えない。主人公の女の子の葛藤が見えるのが前半部分。後半では「誰も見ないでいて欲しかっただけ」という歌詞がすごく印象的。「ただ私だけ見ていてほしい、それだけなのに。これは高望みだったの?」という心の叫び。慎ちゃん(ボーカル)の歌い方も相まって切なさが増す。ラストの「騙されてあげていたの」。最後の最後での強がり。強がっていないと心が持たない。そんな風に見える。この曲は実際に慎ちゃんが浮気された経験をもとに書かれたということで、「浮気された側」ならではのリアリティはそこから来ているのかなと思う。

 最後に紹介するのは少し系統を変えてね。危うく失恋ソング3連発になるところだったから。サウシーは失恋ソングだけって思われるわけにはいかない。「週末グルーミー」―。一人暮らしをしている人ならだれでも共感できる歌い出し。「酔っ払い金曜日」と書いて「よっぱらいフライデー」って読むのもなんだかおしゃれで素敵。でも僕が1番好きなのはそこじゃなくて、「周りからのイメージは きっと曖昧で不確かなピントで カッコ悪く映っても良いから 自分が見たい未来だけを信じて」ってところ。「周りの評価を気にして自分のやりたいことをしない」というのではもったいないから、自分のやりたいことをやる。自分の見たい未来を見る。配信者として活動をする中で、「何が求められているのか」という需要ばかり考えてしまうことはよくあって、でもそうじゃなくて、自分のやりたいようにやる。僕が「面白い」と思うことをやる。そうやって自分と重ねてしまうところもあって、この曲はお気に入り。

 「シンデレラボーイ」をリリースして以降、どんどん注目度が高まっている「Saucy dog」―。これからのサウシーの活躍を、今ある最高な曲たちを聞きながら、楽しく見守っていきたい。

 最後まで読んでくださったこと、感謝します。この文章を読んだあなたが、素敵な音楽に出会えますように。それではまた、どこかで。

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