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超絶冷え症の僕が服の素材について研究してみた

僕は極度の冷え症です。
そのため口にするものはもちろん、運動やストレッチ、生活習慣などなど、冷え対策にあらゆることを試してきました。
そんな中盲点だったのが服の素材です。
服自体は沢山着れば暖まる、薄着になれば冷えるという程度しか考えていなかったのですが、どうも素材や製品、また、同じ素材でもメーカーによって冷える/暖まるが変わることが分かってきました。
そこで今回は同じ冷え症の方向けに、冷える服/暖まる服について僕が体験し、理解したことを書いておこうと思います。
なお、以下は全て個人の感覚、感想ですのでご容赦ください。

綿神話を信じるな

冷え症界隈では綿に対する神話があります。
綿は体を暖める、綿は体にいい、などなど。
僕もいっときそれを信じて、できるだけ身につけるものを綿100%にしていました。
と同時に、特に問題があるわけでもないのに化繊を毛嫌いするようになりました。

さて、そんな綿神話にどっぷり浸っているときに買ったネルシャツがあります。
アメリカ製、綿100%、ちょっと高いけど昔ながらの製法で今も作っています……的なところに惹かれ、デザインも好きだったのでずっと冬はそのネルシャツを愛用してきました。
仮にA社とします。
今シーズン(2023冬)も寒くなってきたのでそろそろアレの出番だなと引っ張り出していつものように着ていました。
ただ、さすがにもう4~5年も同じ服をずっと着てきたので厭きてはきます。
そこでふと思い立ってフリマで新しいネルシャツを買うことにしました。
検索してみるといい感じのが安く売られていたので特に何も考えずポチ。
こちらをB社としましょう。
到着してみるとなんと生地がペラペラでとても冬に耐えられる気がしません。
冷え症舐めんな!と謎の怒りを抑えつつ、ふとタグを見るとなんと綿60%、ポリエステル40%と書いてあります!!
あーあ、やっちゃった……
正に安物買いの銭失い、身に付けるものはちょっと高くても健康第一にと誓ったはずなのに……
がっくり肩を落としながら、A社のネルシャツを脱いで仕方なしにB社製に袖を通してみると、
おや?
おやおや??
これがなぜかめちゃくちゃ暖かい!!!
こんなに薄っぺらいのに、そして綿100%じゃないのに、あんなに毛嫌いしていた化繊が40%も入ってるのに……???

不思議に思って改めてずっと着ていたA社のネルシャツを着てみると……
「冷たっ!」
と思わず声が出るほど冷たくて、体が急速に冷えていく感じがします。
そして改めてB社を着るとすぐにじんわりと温まってき、気分も落ち着いてきます。
同じネルシャツ、生地はB社の方がかなり薄手、ということは温まる原因はもうポリエステルしかありません。
ということは……綿100%は冷えるのか???
そんな馬鹿な…

綿を調査

3千円のネルシャツで綿神話が崩壊した直後から、それまでにはりきって買った綿100%製品を調査することにしました。
基準はポリエステル40%の薄っぺらい(でも暖かい)B社のネルシャツ。
これと比べてどうか、です。
結果、値段にかかわらず半分ぐらいの綿100%製品はB社の製品よりも確実に冷える(温めてくれない)ことが分かりました。
お店などで簡単に比較したい場合は、袖か服の中に手をいれてどれぐらいで暖かさを感じられるかで調べられます。
本当に暖かい素材なら1秒で暖かさを感じます。
また、数秒かかるけどちゃんとじんわり温まってくるものもあります。
一方でいつまで経ってもひんやりして全然温まる気配がないというものもあります。
同じ綿100%でもメーカーによってそれぞれ暖かさが違ったりするので、素材だけで温め具合を予測することはできません。
ちなみに長年愛用してきたA社のネルシャツは、僕が持っている冬服の中でも一番に冷える素材だということが判明しました。
毎年これを冬に着ることで常に体温を奪われていたようです。
今考えれば冷たくなったネルシャツを貴重な体温を使って温めるという本末転倒なことをしていたようですね。

ポリエステル体温める説

A社よりもペラペラでポリエステルが40%混入されているB社の方が段違いに暖かいということは、ポリエステルが含まれている服の方が綿100%より体を温めてくれるという仮説が成り立ちます。
実験精神旺盛な僕は、さらにポリエステルが混じった冬服を購入してみることにしました。
幸いフリマなら安くで買えます。

結論

いろいろめんどくさいので結論だけ言います。

・基本的に綿100%よりポリエステルが混ざった綿製品の方が暖かい。
・ただしオーガニックコットン100%は別。
・オーガニックコットン100%でも安物は冷える。
・オーガニックコットンじゃなくても古着の綿100%ならたまに暖かいものもある。
・ポリエステルの割合は20%程度以上なら十分暖かさを感じられる。

こんな感じです。

ポリエステルの割合による変化

今持っている綿・ポリエステル混合の服を全部調べてみました。

スウェットパンツ①

メーカー:Champion
値段:7千円程度
割合:綿82%、ポリエステル18%
暖かさ:それなりに暖かい
肌触り:ややガサガサする

スウェットパンツ②

メーカー:Heins
値段:500円(古着)
割合:綿40%、ポリエステル60%
暖かさ:かなり暖かい
肌触り:気持ちいい

ネルシャツ

メーカー:BIGMAC(古着、年代不明)
値段:6千円程度
割合:綿65%、ポリエステル35%
暖かさ:かなり暖かい
肌触り:柔らかい

Tシャツ①

メーカー:不明(古着)
値段:800円程度
割合:綿50%、ポリエステル50%
暖かさ:そこそこ
肌触り:チクチクする

Tシャツ②

メーカー:不明(古着)
値段:2500円程度
割合:綿50%、ポリエステル50%
暖かさ:不明
肌触り:普通

長袖インナー

メーカー:Heins
値段:3000円程度(新品)
割合:綿60%、ポリエステル40%
暖かさ:最高
肌触り:普通

こんな感じです。
最初、ポリエステルの割合が高いほど暖かいのかと思っていましたが、そうでもなく、また、ポリエルテルの割合が高くなるほどチクチクしてくるかと思えばまたそうでもなく、生地が分厚い方が暖かいかというとそうでもなく……調べれば調べるほど分からなくなってきました。
今のところ、ポリエステル20~40%あたりが肌触りがよく、綿100%よりも暖かいストライクゾーンということがなんとなく分かってきました。
肌触りを気にする人は20%前後を狙うといいと思います。

ポリエステルとは?

そもそもポリエステル(polyester)って何なんでしょう?
これは石油などから合成された化学繊維です。
ペットボトルの原料にもなっています。
ポリエステルが繊維として利用されはじめたのは1953年頃からだとか。
以外と古いんですね。

ポリエステルの特徴

・シワになりにくい。
・吸水性が低い。
・虫が寄ってこない。
・乾きやすい。
・丈夫。
・保温性が高い

調べて見ると結構いいとこだらけですね。

悪い綿についての体感

以下は僕の体感です。
綿の正しい性質かどうかは知りません。

綿100%なのに冷えるものを「悪い綿」とします。
まず、悪い綿は服それ自体が冷えてます。
これは同じ場所に置いてあるポリエステルと綿が混ざった服と比べればすぐに分かります。
悪い綿は服自体が冷えているので、それを着ると体がその冷えを吸収します。
そこで貴重な体温がまず奪われます。
そこから体が奪われた体温と冷えた綿を温めようとします。
この時点でもう本末転倒です。

悪い綿のせいで一度下がった体温が上がってくると、汗が出てきます。
汗が出ると綿の服がそれを吸収し、湿ってきます。
綿は吸湿性が高く速乾性に劣るので、服はしばらく湿ったままになります。
そうすると汗を吸った綿が外気で冷え、それが体に伝わってまた体が冷えてきます。
そして、体はまた冷えを出そうとして体温を上げ、汗が出てきます。
このループを防ぐためには、一度シャワーを浴びて汗を流し、服を着替える必要があります。
これで一旦リセットされますが、着替えた服がまた悪い綿だとしたら、結局同じことの繰り返しです。

このように、悪い綿を着ることで、服を着る→服のせいで体が冷える→体が体温を戻そうとする→汗をかく→汗で服が湿る→湿った服が冷える→体が冷える……の繰り返しとなります。
これが服の素材を原因とした冷え症の正体です。

ポリエステル混じりの綿の服を着ると

ポリエステル混じりの綿の服を着ると、まず最初の「冷えた服で体が冷える」という行程がなくなります。
服を着ることで体が暖まってき、また、冷えを挟まないので普通にしていれば汗も出てきません。
汗が出ないから服も乾いたままで、そもそも服自体が暖かいので、特になにもしなければ暖かい状態がずっと続きます。

この状態で試しにインナーに悪い綿のTシャツを着てみました。
するとそのTシャツの冷えを体が吸収し、その後その冷えを出そうとして汗が出てきました。
ポリエステル混じりの暖かいネルシャツを着ても、繊維の冷えた悪い綿が直接肌に触れると体は冷えてしまいます。

綿神話の謎

改めて考えると、「綿は体を温める」というのは一体何なんだろう?と不思議になります。
以下、いくつかの仮説を挙げておきます。

1、昔の綿は質がよかった

まだ化学繊維が存在しない時代、あるいはめずらしかった時代、綿は必然的にオーガニックコットン100%かそれに近い品質だったはずです。
綿自体も、またそれを加工する人件費も安かったでしょうし。
現代でもちゃんとしたオーガニックコットン100%の製品は暖かいので、それしかなかった時代に「綿は体を温める」とされていてもおかしくはないでしょう。
実際、70年代の古着なら綿100%のものもそれなりに暖かいですしね。

2:クーラーがなかったから

上記のように、綿はそれ自体が冷えます。
ただしクーラーがなかった時代はまだ綿の質もよく、また、綿をそこまで冷やす環境にもなかったのでしょう。
冬は冬で綿の服だけではたぶん過ごさないし、薄着できるとしたら暖房が効いているのでそこまで冷えを実感しなかったのではないでしょうか?
クーラーが普及し、同時に綿の質が落ちてきて、近年綿が冷えに耐えられなくなってき、「悪い綿」が増えたのではないかと思います。

3、綿の製法が変わった

手持ちの綿製品を触って比べてみると、近年のものの方がカサカサしており、毛羽立ちが少なく、そして冷えます。
古い服はふわっとしていたり、繊維にうるおいが感じられたりします。
もしかしたら近年効率的な綿の製法が編み出され、質は落ちるけど同じ綿の量でたくさん生地が編めるようになったせいかもしれません。
もちろんこれは憶測なので実際には知りませんが、自分の持っている服をいくつか比べただけでも違いは明白です。
あと、僕は中学生の頃から洋服の趣味はあまり変わっていないのですが、90年代、2000年代初期に服を着て冷えを感じた記憶はありません。
まあこれは若さ故なのかもしれませんが。

クーラー病は悪い綿から?

「クーラー病」というのがあります。
室内外の温度差により自律神経が狂うことで起こる様々な症状がそう呼ばれています。
僕は医者に診断されたわけではありませんが、クーラーが大の苦手で、ずっとクーラーの効いた部屋にいると体調が著しく悪化してきます。
近年の夏でも寝るときはクーラーを消して寝ています。

さて、ここまで書いてきてもしかしたらクーラー病も悪い綿のせいかもと思えてきました。
クーラーで冷えた綿を着て体が冷え、その冷えを出すために体温が上昇し、汗をかき、汗で綿が湿り、そこにクーラーがあたって綿が冷え、その冷えを体が吸収し……という最悪の循環のせいで体調が悪くなる。
今は11月末なので実験できませんが、2024年夏にはクローゼットから綿100%の服を一掃し、どうなるか試してみたいと思います。

おすすめの綿×ポリエステルインナー

最後に、一点物の古着ではなく、どこでも買える綿×ポリエステル製のおすすめインナーをご紹介します。
こちら。

綿60%、ポリエステル40%という絶妙な配合。
値段も全然高くはないし、薄手なのに着た瞬間からじわーっと体が温まってくるのが分かります。
風呂上がりなどはこの上にもう一枚着ると暑くて汗が出てしまうほど。
また、実際汗をかいても速乾性の高いポリエステル成分が服をすぐに乾かしてくれるので冷えにくいです。
ヒー○テックのようにあれこれと化学繊維を混ぜているわけでもないので、肌触りも悪くなく(そこまでいいわけでもない)、化繊が苦手な方でもたぶん大丈夫でしょう。
ポリエステルがアウトな人は無理ですが。
超絶冷え症の僕がやっと見つけた本当に体が温まるインナーなので、冷え症の方はぜひ試してみてください。
保証はできませんが。

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