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#336_かつての「神」や、現代の「愛」のように、合理的に実証出来ない概念ものを信じ切ることが出来る能力は、人間の社会性を育み、種としての優位性を支えてきましたが、わたしたちがその個々の生を洗練していく過程で、それらはその幻想性ゆえに消失します。

人間の特質は「幻想を共有出来ること」です。

かつての「神」や、現代の「愛」のように、合理的に実証出来ない概念ものを信じ切ることが出来る能力は、人間の社会性を育み、種としての優位性を支えてきましたが、わたしたちがその個々の生を洗練していく過程で、それらはその幻想性ゆえに消失します。

幻想の概念が消失するときに、わたしたちはそれがある種の依存を手離す行為であることに気づきます。

消失に抗うことは、依存を繋ぎ止めようとするのと同じ行為であるという気づきも、そこにあります。

自らの存在を支えている幻想の概念を手離すことは、ときに大きな不安を伴う出来ごとですが、そのさきにある生は、一切の依存から自由になった、完全な洗練につながるものです。

インド哲学では、一切の依存から自由でいることは、すなわち一切の苦悩から自由でいることを意味します。


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