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感情的なことをもっと言語化していきたい

最近はあまり読まなくなってしまったけれど、元々は一番好きなジャンルでした。

僕は読書が好きです。読み始めたのはあまり早くなく、だいたい中学生くらいの頃でした。

当時は図書館に行って本を読み漁っていました。小説が好きで、東野圭吾や有川浩を始めとした社会派の作品はよく読んでいました。ちょうど爆発的なヒットとなった湊かなえの『告白』は、あまりにも面白かったことから何度か読んだ覚えがあります。

僕はそんな読書少年でした。

しかし、大学生になった頃から徐々に小説は読まなくなってしまいます。ビジネス書に出会ってしまったからです。

それまで本といえば小説か教養本だと思っていました。しかしふとした時に、理解がしやすく分量も軽いビジネス書というジャンルを知ってしまいます。

それ以降、ビジネス書ばかりを読み、小説はほとんど読まなくなってしまいました。

今でも本を読む習慣はありますが、ビジネス書や教養本ばかりで小説はほとんど読んでいません。

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僕は文章を書くことを特技だと思っています。もしかしたら同意してくれない人もいるかもしれないけれど、あくまで自分の中では、文章を上手に書ける自信があります。

自分なりにこの由来を考えていくと、読書の経験にあるのではないかと思っています。

ところでニュースでもよく取り上げられる話題ではありますが、最近は日本中で読書をする人が減っています。若者を中心として「活字離れ」が進行しており、文部科学省もこの件を問題視しています。

確かに、ミレニアル世代である僕は、今から20年弱前の小学生の頃にはすでに携帯電話を所持していたし、SNSなどのサービスも中学生の頃から流行していました。

だから意図して読書を読むという習慣をつくらないと、電車内や夜寝る前などの空き時間に読書はしなくなってしまいます。

僕は本を読むことが好きだったから、読書の習慣ができ、現在まで続けられています。そのおかげで一応は人前に出せるような文章を書くことができていると思っています。

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最近、僕が悩みとしていることの一つに「言語化」があります。感情的なものを言葉に乗せる時、どうも腑に落ちない感覚を抱くことがあります。

たとえば、何か悩みを抱えている時、自分の中にあるもやもやとしたものを言葉にすることで解決できてしまうことがあります。

これを哲学者の國分功一郎は書籍『哲学の先生と人生の話をしよう』の中で、この「言語化」の一連のプロセスを「観念の物質化」と表現しています。もやもやとした「観念」を「物質化」して人に伝えることで、悩みが整理され、すっきりしていくと言います。

悩みだけの話ではなく、このnoteの執筆、デザイン制作、そして人とのコミュニケーションなど、日頃いろいろな場面で、心の中に浮かんだり、頭の中を巡らせたりしているもやもやとしたイメージを表現することがあります。

適切な言葉で表現することで、相手にきちんと伝えることができ、また自分でも理解できます。

僕はしばしば、自分の中で納得できない感情を抱く時があります。言葉は出てくるものの、正しく表現できていないと感じてしまうからです。

以前はあまり抱かなかったこの感覚ですが、最近はより自らの感情を注視して生活することを心がけていることから、今までよりも気づくことがたくさんあります。

それ自体は良いことだけれど、言語化の力がそこに追いついていないために、もやもやとした観念が放出されずに心の中で止まってしまっています。

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言語化の技術は簡単には身につきません。

正しく気持ちを伝えるには、言葉の意味や使い方を幅広く、かつ正しく知っている必要があります。あらゆる方法でこの術を学ぶことが可能ですが、特に良い方法が小説だと言われています。

何度も推敲を重ねて一言一句丁寧に表現された小説という作品は、学びの宝庫であり、言葉の引き出しを増やすとても良い手段です。

しかし、最近では活字離れの影響なのか、「やばい」や「エモい」など感情を曖昧化した言葉も多く存在しています。

これらの言葉を使ったからといって悪いわけではないし、僕自身もしばしば使ってしまいます。しかし、適切な表現の機会を避け、すぐにこういった安易な表現に流れてしまうと、いつまでも向上心がないどころか、適切な感情表現の力が衰退してしまう怖さがあります。

小説を読んだから正解というわけではないですが、もう少し言葉の使い方を考える機会はあってもいいのかもしれません。

僕はこのnoteを書く際にもすっきりしないまま公開してしまったこともありました。もっと感情的なことを「言語化」していきたいから、小説を読み始めようと思っています。

そして、これからもたくさん文章を書いて、いろんな表現力に向き合ってみたいと思っています。

いずれはより豊かな心を持てるようになり、あらゆる気持ちを人に伝えていきたいです。


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サムネイルの撮影場所は鎖橋(クタイシ)

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