元インターン先・オンリーストーリーの総会へ4年ぶりに潜入したら、社長が全社員に謝罪していた
「エビ?」
「エビ!」
「カニ?」
「カニ!」
「エビカニエビカニふぉう〜!!!」
というケロポンズさんの代表曲『エビカニクス』で幕を開けた、第9期の総会。
年に1回しかない大型イベントを景気づけるため、司会の方が全力の笑顔で踊っていたのが印象的でした。
今回、ぼくが潜入したのは株式会社オンリーストーリーの総会。
オンリーストーリーは、決裁者マッチングプラットフォーム『ONLY STORY』を運営する9期目のベンチャー企業です。
最近は約16億円の資金調達をしたり、3年連続で『働きがいのある会社ランキング』に入賞したり、おなじく3年連続で『ベストベンチャー100』に選ばれたりしていて、すごく勢いがあります。
ぼくは4年前、オンリーストーリーに「学生インターン」の形でお世話になったのち、別の会社に新卒で入社。いまはフリーランスのライターとして、活動しています。
このたびオンリーストーリーより「社内向けに総会のレポートを書いてくれませんか?」と依頼いただき、このnoteとは別で20,000字以上の長編レポートを書きました。
ただせっかくなら「4年ぶりに古巣をのぞいて、個人的に思ったこと」も記録しておこうと思い、今回のnoteを書いています。
「割りこみ続出」を支えているもの
最初のプログラムは「事業部ごとの共有」。
各事業部の責任者が、8期の振り返りと9期の戦略について話します。まずはカスタマーサクセス事業部。
責任者の吉田さんが、スライドの準備をしていたところ、
「すいません」
と別の人の声が。主は、倉富昴くん。
すばるは、ぼくが在籍していたときからオンリーストーリーで働いているので、面識があります。「あ、すばるやん」と思っていると
「あの、これはエゴかもしれないんですけど、今回の事情部共有のために、各マネージャーは2週間前くらいから準備してます。ちょっと長くなっちゃったり、分かりにくかったりするところがあるかもしれないんですけど、全部めっちゃ大事な話なんで、ぜひ集中して聞いてほしいです」
という呼びかけ。
今回の総会では、こういった「とつぜん手をあげて発言する」や「話す順番じゃないけど、急に3分くらい話し始める」という場面に、何回も出くわします。
もしそこでぜんぜん関係ない話をはじめたら、全員「おいっ!」とツッコみたくなるかもしれないんですけど、ふたを開けてみると漏れなくどの発言も「ああ、たしかにそれは大切だな」と感じるものばかり。
60人もの参加者がいるなかで、いきなり手を挙げて発言するのは、それなりに勇気のいることです。
それをできるメンバーが社内に複数いるのは、会社全体として「積極的に発言しても、それがちゃんと受け入れられる」という空気感、すこしちがう言葉で表現するなら「心理的安全性」が保たれているからだろうなと思いました。
「かわいい後輩」が「頼もしいリーダー」に
カスタマーサクセス事業部の共有が終わり、次は開発事業部。
責任者として登場したのは
すばるやん!!!
一緒に働いていたころのすばるは、いい意味の「なんでも屋さん」って感じでした。当時は開発やマーケティング、新規事業などいろんな業務をしていた記憶があるのですが、まさか事業部の責任者にまでなっていたとは。。。
すばるの発表中、Zoomのチャット欄は「スライドめっちゃ見やすいです!」や「すばるさんの戦略の話わかりやすい!」など、まさに賞賛コメントの嵐。
ぼくのすばるに対する印象は、頼りない先輩であるぼくに「頭キレキレですね!」みたいな感じで気さくに話しかけてくれる「かわいい後輩」の側面も強かったんです。
その印象が根本から覆されるくらい、久しぶりに見たすばるはめちゃくちゃ頼もしいリーダーへと激変していて、すごくカッコよかった。
メンバーの口から出た「成果からの要求」
午前の事業部共有で「心理的安全性の高さ」や「メンバーの急成長」以外に印象的だったのは「カルチャーの浸透度合い」です。
セールス・マーケ事業部の共有が終わり、ランチタイムへ移ろうとしていたところ、マーケティング事業部に所属する大久保さんから「あの・・・ちょっとぼくもいいですか?」という不意打ち。
内容は「9期は会社方針としてマーケに注力することになったので、みなさんもご協力お願いします」というものだったのですが、そこで驚いたのは途中「成果からの要求」という言葉が出てきたこと。
この言葉の意味は「メンバーはまず成果を出したうえで、経営陣に対して要求しよう」というもの。
ぼくのいた当時から言葉自体はあったのですが、ぶっちゃけいちばん使っていたのは代表のてつさん(※平野 哲也さん)でした。
4年経って、その言葉が現場のメンバー(しかも役職などは特にない)から出てくるのは、てつさんの大切にしたい価値観がちゃんと組織全体にまで浸透している証拠だなあと感じました。
総会の目玉コンテンツ・表彰タイム!
「事業部の共有」と「ランチタイム」が終わったあと、午後最初のプログラムは総会の目玉である「表彰タイム」。
特徴のひとつは、賞それぞれに付けられた名前です。
「ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ」といった大きな階層のなかに「ダークホース賞」や「縁の下の力持ち賞」、「才能賞」など個別の名前がついています。
単に「シルバー部門受賞!」ってもらうよりも「ブロンズ部門のダークホース賞!」ともらったほうが「あ、自分はこういうところを評価してもらって表彰されたんだ」とわかるので、うれしさが倍増していいなと思いました。
表彰式の様子を見ていて、印象的だったのは「いろんな人にスポットライトが当たっているな」ということ。
こういった社内の表彰って、一般的には新卒や若いメンバーにスポットライトが当たることも多いと思います。今回、もちろん新卒や若いメンバーの受賞者もいました。
しかしそれだけじゃなくて、たとえばですが、ぼくと同じ日にインターンをはじめた古株メンバーの山さん(※山崎 貴大さん)も、広報事業部の責任者として会社のメディア露出を増やしたことが評価されて「シルバー部門ブランド賞」を受賞していたんです。
「オンリーストーリーの在籍期間」以外にたとえば「働き方」の観点でも、本社のある東京ではなく広島や海外のタイで「フルリモート」している人も、受賞していました。
そして最優秀MVP賞に輝いた小澤さんは、なんと「中途」で「バックオフィス担当」の方です。
受賞者の属性を見ると、在籍している期間や年齢、性別、働き方、部署などに統一感がまったくなくて「いろんな立場の人が活躍しているのだなあ」と思いました。
最後はてつさんの30分スピーチ
表彰式のあと「会社の歴史を振り返る」と「メンバー同士で日ごろの感謝を伝える」という2つのプログラムを経て、ラストは「てつさんからメンバーへのスピーチ」。
8期を駆けぬけたねぎらいの言葉や、9期以降のオンリーストーリーの方向性など、30分以上の時間をかけて丁寧に伝えていました。
そして最後は
という奮起を促すメッセージで終わるのかと思いきや・・・終わりません。
理由は「もうみんな、頑張ってる」から。
事業の急成長、組織の急拡大を続けるなかで、てつさんは経営者としていろんな意思決定をしたり、権限委譲を進めたりしていました。
その結果、いつの間にか大きくなっていたかもしれないメンバーへの負担。
それに対し、てつさんは
というメッセージを送っていました。
てつさんからの最後のメッセージのあと、Zoomのチャット欄は「絶対にやったります!」や「燃えてきた!!!」など今日いちばんの盛り上がりでした。
メンバーに直接、感想を聞いてみた
おおきな感動と興奮で幕を閉じた総会でしたが、せっかくなのでメンバーのみなさんに声をかけて「総会どうでしたか?」と感想を聞いてみることに。
3名の方々に、登場していただきます。
「嬉しさ1割、悔しさ9割」━━折坂春菜さん
「私が輝ける環境を与えてくれた周りの人たちへの感謝や『はるなの存在に助けられた!』というコメントをもらった嬉しさは、もちろんあります。ただもっと上の賞を狙っていたので、正直『嬉しさ1割、悔しさ9割』です(笑)。
上の賞をもらった人たちを見ていると、やっぱり価値を出している範囲が広いなと思ったんですよね。9期はこの悔しさを忘れずに、他部署との連携やより多くのお客さんへの貢献などを意識して、価値の出す範囲をどんどん大きくしていきます!」
「会社の過去と未来を知ることができた」━━吉村日比季さん
「会社の『過去』と『未来』を知ることができたので、すごくいい時間でした。ぼくはまだ今月に入社したばかりで、オンリーストーリーのイケイケな『今』しか知らなかったんですよね。
会社の歴史を振り返るワークをしながら『あ、こんなにたくさんのサービスで失敗してきたんだ』という『過去』を知ることができました(笑)。
あとは最後にてつさんの話を聞いて、数年後も見据えた『未来』の話を聞くことができてよかったです。すこしでも早くオンリーストーリーの戦力になります!」
「ちゃんと見てくれているんだなと再確認できた」━━小澤一禎さん
「まさか最優秀MVPをもらえるとは思ってなかったので、嬉しいですね。バックオフィスって、基本的には成果の見えにくい仕事が多くて。
バックオフィスという役割で唯一と言ってもいい、目に見えやすい成果である『資金調達』が去年の4月だったので、もう忘れられているんじゃないかと思っていました。
結果的にいちばん高い評価の賞をもらえたので、経営陣もメンバーのみなさんも、ちゃんと見てくれているんだなと再確認できる機会になってよかったです」
〜潜入後記〜
今回の潜入を通して、強く感じたことが2つあります。
ひとつは「事業づくりも組織づくりも、めっちゃ時間かかるなあ!」ということ。
でも時間がかかるからこそ、いいものをつくればそれは大きな競合優位性や価値になるなとも思いました。
まず「事業づくり」に関していうと、オンリーストーリーは決裁者限定のマッチングプラットフォーム『ONLY STORY』を運営しています。
ぼくがインターンとしてお世話になっていた4年前は、決済者さん同士をマッチングさせるため、1社1社のA4チラシをもって「この会社さんのサービスに興味ありませんか!?」と文字どおり1都3県を走りまわっていました。
「A4のチラシ」というとペラペラな印象ですが、それが50社とか100社とかになると、けっこうな厚みになるんです。しかも各社のチラシを常に3〜5枚くらいストックしておくので、移動時はカバンがいっつもパンパンでした。
マジで重かった。。。
それが今回、各事業部の共有を聞きながら「え、チラシじゃなくてアプリになってるやん!」と驚きました。
対象は全国に広がり、プラットフォームへの登録者数は当時の何十倍にもなっていて、アプリ内で決済者さん同士が自発的にマッチングする数もどんどん増えているそうです。
ぼくは1人の決裁者さんに対して月3アポを提供できれば最高!みたいな感じだったのに、いまは平均で7〜10アポくらい提供しています。
当時からてつさんは「このサービスはネットワーク効果が働くから、新しいお客さんの存在がそのままサービス価値の向上にもなるんだよ」と言っていて。
ぼくは「いま以上にお客さんが増えたら、運営がもっと大変になるだけじゃん!」と思っていたのですが、4年経ってようやくその言葉の意味を理解できました。
「カルチャーなんて面倒くせえ」と思ってた
もうひとつの「組織づくり」に関していうと、てつさんは先ほどの「事業モデル」と同じくらい、当時から「カルチャー」にもめっちゃこだわっていたんですよね。
ぼくの在籍時はまだ全社で20人くらいしかいなくて、しかもいまと違って大半が学生インターンで構成された組織。
その状態でも月に1回ある全社会議の最後には、毎回「クレド(=行動指針)」についてみんなで話しあって「こういう行動や発言っていいよね」という共有をしていました。
まだ学生で、カルチャーの「カ」にも興味がなかったぼくは「そんなことより、早く仕事させてくれよ」と思うこともあったのですが、当時からてつさんは「ここのすり合わせに時間をかけることが、組織としてあとあと効いてくるんだよね」と言っていました。
ぼくは「そんなものかあ」程度にしか捉えていなかったのですが、今回、急拡大しながらも強固なカルチャーを築いているオンリーストーリーを見て「あ、めっちゃ効いてる」と感じました。
「事業」も「組織」も、一朝一夕では目に見える変化がありません。ただ毎日着実に積み上げていくことで、いずれ大きな果実になるということを今回、目の前で見ることができました。
4年間で「いちばん変わったもの」
そして最後は「事業の急成長」や「組織の急拡大」以上に、ぼくがいちばん強く感じたことについて。
今回の総会に参加する前、ぼくのFacebookのタイムラインにはいつもオンリーストーリーの華やかな投稿が流れてきていて「てつさん順風満帆だなあ」と思っていたんですよね。
しかし最後のスピーチを聞き、じつはその華やかな投稿の裏では、てつさんも経営者として、そしてひとりの人間として、たくさん悩んでたくさん葛藤していたんだなと知りました。
そしてこういったある種の「弱さ」を、今回のように経営者がメンバーに開示するのって、たぶんですけどめちゃくちゃ勇気がいることのはず。
えらそうな言い方になってすごく恐縮ですが、正直てつさんが4年前にこういった「弱さ」をぼくたちに開示してくれることは、そこまでなかったんじゃないかなあと思います。
この1日を通じて、オンリーストーリーの「変わったところ」をたくさん見せてもらいました。
事業価値はめっちゃ上がっていたし、メンバーはみんなすごく頼もしかったし、組織のカルチャーもめちゃくちゃ強固になっていました。
ただ、もしかするとこの4年間で「一番変わった」のは、てつさんの「自分の弱さをさらけだす姿」だったかもしれません。
そしてそのさらけ出された「弱さ」が、オンリーストーリーをこうして「強く」しつづけているのかもしれないなあと思いました。
…ということで以上、元インターンによる「総会潜入レポート」でした。
決裁者限定のプラットフォーム『ONLY STORY』にご興味ある方は、ぜひこちらのサイトよりご覧ください!
またオンリーストーリーでは現在、採用を強化中とのことなので、少しでもご興味を持った方はぜひお気軽に連絡してみてください!
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