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ベンチャー企業で、会議の生産性を上げるためのDos(やるべきこと)とDon’ts(避けるべきこと)

こんにちは、ナンバーナインの後藤です。

INCLUSIVEという上場企業で取締役をやっていますが、INCLUSIVEがナンバーナインに出資したことから、ナンバーナインの取締役も兼務することになりました。

会議について考えてみた

今日は会議について、最近思っていることを書きたいと思います。会議にもいろいろな種類の会議があります。会議はブレストをすることが目的でゴールが定められていないものから、完璧に根回しがされていてアジェンダ通りに進む大企業の取締役会まで、様々です。

今日トピックにしたいのは、お互いに意見を出し合う事で、会議の参加者全員がコミットできるゴールと、それを実現する為の実行仮説を合意していくタイプの会議です。ベンチャー企業の経営会議や、新プロダクトの事業戦略を決定する会議などをイメージしています。皆さんもこの類の会議に参加する事が多いのではないでしょうか。

こういった会議を開催する目的は、意思決定者が考えている目標や具体的な達成方法を、会議参加者の意見を取り入れることでより良いものにすることだと思います。それを会議で実現する為に、意思決定者にとってのDos(やるべきこと)とDon’ts(やるべきでないこと)について、私の考えをお話ししたいと思います。

Dosその1

まず、意思決定者がどういう意見を持っているかを参加者に説明し、理解してもらう事は重要です。私はミーティングの最初にその話をするようにしています。その際に、その意見を持つに至った経緯や理由、具体的な施策の議論であれば成功仮説についても共有して会議を開始するようにしています。

よく、意思決定者が最初に話してしまうと他からの議論が出ないから、、という話も聞きますし、自分でも過去そう思っていたことがあります。でも、それは自分の意見が圧倒的に優れているからではなく、会議参加者がその意義について腹落ちしきれていないからかもしれません。会議参加者との共感を阻害する要因として、あり得る可能性を2つ紹介いたします。

可能性その①

部下や同僚の意見を取り入れない人、と思われている可能性があります。そういう場合、意思決定者が静かにしていると、会議の参加者は沈黙が気まずくなるので、いろいろと発言をするかもしれません。ただそれは発言している”ふり”、”為”の発言でしかないことが大半です。最終的に会議の参加者は意思決定者の意見に対して賛成をして会議は終わっていくでしょう。

可能性その②

周囲へのフィードバックがきつすぎるのかもしれません。自分の意見が否定される印象を持つと、会議参加者は発言の良し悪しではなく意思決定者の意見に反対することを避ける傾向にあります。ビジネスの局面では、相手に競り勝つための交渉は当然必要で、その過程では厳しいコミュニケーションも求められます。ただ、社内である場合、多くの会議参加者は厳しいコミュニケーションを求めていません。

社内会議でのフィードバックは指導の意味合いを込めてでしょうが、それがキツすぎる場合にはやり方を変えるべきでしょう。参加者の発言が期待値に達していない場合には、会社や意思決定者として求めている目線感が何かを辛抱強く説明すると良いと思います。

Dosその2

より良い案があれば、良いと思った点を発言者と周囲に対して説明して意見を変える。これも意思決定者として重要なスタンスです。そもそも参加者に期待する事は、会社やプロジェクトの為により良い意見を出してもらう事なので、意思決定者が意見を変えることは当然と言えば当然です。でも実際は会議でいい意見がでて、結論が変わることはないんだよなぁ、と思う場合には振返ってみてください。それは会議参加者の会議に対するコミットメントが下がっているからかもしれません。よくある、会議の生産性を下げてしまう癖を2つご紹介します。

癖その①

自分の意見が変わっているのに、自分の意見は最初から変わっていない、的な話し方をする癖。参加者は結論に貢献できたという満足感が欲しいものです。意思決定者が会議参加者の意見を取り入れているのにすべて自分の意見、と言ってしまうと、会議参加者は満足感の代わりに会議に対するアパシーを感じるようになるでしょう。

癖その②

なぜ意見が変わったのか、その理由を会議参加者に分かるように伝えない癖。意思決定者の決断が変わった経緯、つまり当初持っていた仮説が何で、誰の意見にどう影響されたかを論理的に説明できていない可能性があります。よく意思決定者と会議参加メンバーの視座が合わない、という話を聞きますが、それはコミュニケーションが少し感覚的になり過ぎているからかもしれません。人は理解できることからしか学ぶことが出来ません。感覚的なコミュニケーションが多いと、会議参加者はロジックを理解できないため、”正解がない”的な感情を抱き、その結果として目線感が普段の自分目線に留まってしまうことはよくあることです。

Don’tsその1

ここまでである程度お話する中で、どういう振舞いを避けるべきかもある程度ご説明できたかと思いますが、避けるべきスタンスについてここからDon’tsの中で補足していきます。

一つ目は、意思決定者が”自分が決める”という意識を持っていないことです。ここまでさんざん意見を拾え的な話を続けて来た中なので違和感はあるかもしれませんが、意思決定者が最後はすべてを決める、という覚悟は何かを決めるという会議の中で最も重要な要素です。会社あるいはプロジェクトの責任者があなたである以上、あなたが自分の言葉として語り、コミットできない結論は、いくらいい計画や施策に裏付けられていたとしても必ず失敗します。

世の中の決断で、それこそ違法なことを除いて0/100で結論が誰の目にも明らかな事は極めて稀です。言い換えると、どんな選択でも失敗する余地はあるし、成功する可能性もあるという事です。あなたの選択を成功に導くものは、他の何物でもなくあなたの意志です。なので、意思決定者は腹落ちしないけど、みんながそこそこ合意できる何かを会議で決めよう、というやり方は、私の経験則上ベンチャー企業では失敗する進め方だと思います。

Don’tsその2

議論の勝ち負けを優先してしまうこと。議論の勝ち負けよりも、会社にとっての損得が重要。当たり前の話ですが、会議は会社やプロジェクトをどう成長させるかについて、参加者の意見を聞くためにやるものです。会議の結果、自分の意見が変わることや、当初自らが思い描いた様な結論にはならないかもしれません。

でも、その結論が自分の中で腹落ちした内容であれば良い、と思う心構えは重要です。会議での一番の負けは、意思決定者の当初の意見が通らないことではなく、会社あるいはプロジェクトにとって最適な選択ができないことです。

ただ、気持ち的にどうしても受け入れられない結論もあるでしょう。そういう時には、しっかり「これは私の想いの問題なので、思い通りにやらせてほしい」と、ロジックではなく想いとして伝え、周囲の共感を得るようにしましょう。

成功が意思決定者の意志に宿る以上、意思決定者の意志は優先されるべきです。そして、想いが導く選択肢と、論理的に正しいと思われる選択肢が食い違う事は時々ある事です。そういったタイミングでは、意思決定者の意志に従った方が成功に近いという事は、私の経験則上常に正しいです。

Don’tsその3

会議では、結論についてだけ議論しない。会議の有意義な活用方法は、成功に至る仮説を磨く事です。その結果として、結論や目標地点は変わるかもしれません。結論だけに拘泥してしまうと、会議参加者の目的意識やその結論に行きつく具体策が統一できないだけでなく、そもそも論理的な議論にはならないので、会議の意味合いは著しく毀損されるでしょう。また、こういう場合には結論の議論は乗るか反るかの話に行きつきがちなので、分断を作る事が会議の目的でない場合には、避けるべき進め方です。

そもそも、何でこんな話を書いているのか

ナンバーナインでは四半期に一度役員合宿をやっています。役員合宿では、会社に関連するヒト、モノ、カネ全てについて議論し、それぞれの領域の責任者が意思決定者としてディスカッションをリードします。5月の役員合宿も(もちろん!)充実していましたが、全員が今日ご紹介したDosを行い、Don’tsを避けていたのが印象的だったので、このnoteを書く事を思いついた次第です。

ここで会議の様子を説明するとくどくなるので、会議の様子を写真でご紹介します!会議の雰囲気と一体感は良く伝わるかと・・!

会議風景。責任者がそれぞれ議論をリードします
ランチの前に会議の振返り
コーヒーを飲みながら休憩!

最後に、ナンバーナインは採用を積極強化中です!

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