遠藤健太郎 Kentaro Endo

目指すは闘う文豪。思ったこと、感じたこと、起こったことを素直に言葉にできる人になりたい…

遠藤健太郎 Kentaro Endo

目指すは闘う文豪。思ったこと、感じたこと、起こったことを素直に言葉にできる人になりたい。人生のテーマは生涯一表現者。

マガジン

  • 犬のこと、動物のこと

    大好きな犬の話や動物愛護についてのお話です。

  • ボクシング&格闘技の試合やエッセイ

    試合のことや格闘技について書いたものです。

  • オススメエッセイ集

    まず初めに読んでほしいエッセイをまとめました。

  • 愛の別名がなんであれ

    小説家志望のライター西村聡は、高校時代から想いを寄せている古橋愛夏と7年ぶりに連絡を取る。7年前に夢を追いかけて別々の道を歩き出した二人の、今と過去とが交錯する恋愛青春小説。プロボクサー遠藤健太郎が描く渾身の処女作。

  • 初恋。

    プロボクサーの遠藤は、自身のトレーニングを兼ねてスポーツクラブでアルバイトをしていた。そこに新しく入社してきたCちゃんに恋をして…… 遠藤健太郎が過去の初恋を綴るノンフィクション。

最近の記事

風化した怒り

物騒なことを話すけど高校時代にとても嫌いな人間がいて、当時は殺してやりたいと思っていたほどだった。 あの頃の僕が殺意を心の中だけで思いとどめた理由は「殺人は罪だから」とか「さすがに殺すのは可哀想」とかではなく、ただ単純に捕まりたくなかったからだ。まさしく処罰が犯罪の抑止力となっていた好例だ。 けど当時の僕は英雄に憧れて偉大な人間を目指す、肥大した夢と過剰な自意識の渦中に溺れる妄想癖の強い青年だったから、もしも殺したい相手が人類の存続を脅かす巨悪であった場合には、自己犠牲も厭わ

    • 新宿の片隅で七夕に

      7月に入り、日本列島はうだるような暑さが続く。 灼熱の太陽をなるべく避けつつ、僕は今週末に行われる試合に向けて減量と調整をしていた。7月初日で体重は66kgほど。6日までに62.5kgへと落とさなければならない。 過去最軽量の契約体重に合わせ、長いこと食事制限を続けて過去一と言ってもいいくらい身体は絞れていた。 この時期になると格闘系YouTubeで有名選手の減量の様子をつい見まくる。個人差があるのは当然だと頭では理解しているのに情報に振り回されて混乱してしまうのはあるあるだ

      • 原初舞踏を体験してきた

        1年くらい前にX(Twitter)で見てからずっと気になっていた人がいた。 その人は舞踏家の最上和子さん。敬愛を持って最上先生と書かせていただく。 僕が最上先生の言葉で、特に強く惹かれたのは死や無意識に対する考え方だろうか。 解像度の高い死への考察、意識の持ち方や把握。「なんかこの人すごいぞ」と直感的に思って、踊りのことなんて全然わからないまま先生の言葉を追いかけ続けてきた。 現代社会では自然の中に広がる美が隠され、世界の奥行きが覆われて久しい。死が除けられた社会の中で生

        • 遠藤、また試合するってよ

          と、昔あった映画のタイトル風に告知してみたよ(見てはいない) やっぱりまた試合に出ようと思います。もう辞めると既に2回宣言してる引退詐欺師なんだけど、結局また戻ってきてしまうのは格闘技の中毒性ゆえか、それとも他にアテがないからか。 去年の10月にKO負けして試合はもういいやと思っていたんだけど、喉元過ぎれば熱さを忘れるというわけか、試合前の辛い練習や試合で倒された苦しさだけはすっかり忘れて気がついたらまた闘いたくなっていたのが今年の初めだ。 少しずつ練習を再開していた矢先に

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        • 犬のこと、動物のこと
          12本
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          22本
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          11本
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          20本
        • 初恋。
          15本
        • 再生
          15本

        記事

          幸福感と生命の価値

          最近思うのは、本来なら幸福と寿命はトレードオフになっているんじゃないかということ。 痛みや苦しみ、不安、緊張、不満、孤独、妬みや嫉み、その他諸々の負の感情が生じることを幸福だとは言わない。つまり幸福とは、負の感情が生じない現状を肯定できる生き方のことをいう。 では逆に、現状を肯定できない不幸な心境や状況とはなにを指すのか。 例えば刃物で指を切ったとしよう。外界から強い物理的衝撃を受けて肉体が損傷した場合、人間は患部から強い痛みを発する。その時に痛みを生じさせたのは刃物で指を

          幸福感と生命の価値

          蚊と命と共同体

          蚊が多い季節になってきた。 モスキート音が不快に感じるのは遺伝子に刻まれた本能なのだろうか、あの音に悩まされて寝付けない日が誰しもあるだろう。 緑の多い場所に行けば絶え間なく襲いくる無数の蚊が耳に嫌な音を残していき、闇雲に手を振り上げて見えない敵と戦い続けることになる。 僕はベジタリアンとはいえ蚊の不快さは我慢できず、血を吸われるのを見過ごすわけもなく、見つけ次第叩き潰そうと躍起になっていた。 しかし改めて考えてみると、蚊は勇敢な生き物だよなとしみじみ思う。だってわずか2m

          罪と罰と大人の悪意

          こないだ書いたnoteでも少し触れたけど、子どもは成長過程において大人の悪意を受けたり競争に晒されたりする中で、社会は厳しくて冷たいのだと認識して社会で生き抜くための自立心が芽生えていくのだと思う。 この説を発展させると、競争や悪意が渦巻く社会に放り込まれる時期が早いほど、自立もまた早くなるのではないか? と思った。 偏見を持ってはいけないが、家庭環境が悪かった小学校の同級生が図々しく人の家に居座り込んだり人の物を盗んだりしていたのを見た経験は大なり小なり心当たりがある人も

          罪と罰と大人の悪意

          夢と手段の交差点

          「将来の夢はなんですか?」 子どもの頃に何度も大人から聞かれ、そのたびに自分が将来なりたい職業を答えてきた。きっと多くの人がそうだと思う。 僕の場合、ある時は昆虫博士、ある時はお医者さん、そしていつからか格闘家になりたいと答えた。 僕は果たして、どんな大人になりたかったのか。 幼稚園児の頃から虫や動物が好きだった。 彼らの不思議な生態に目を見張り、自らの生を全うする健気で儚い命の尊さに心惹かれて、その背後に紡がれた悠久の息吹きに想いを馳せては夢中になってよく生き物を観察して

          夢と手段の交差点

          近未来はどうなるのか

          今日、こんなニュースを見つけた。 かがくの ちからって すげー!(ポケモン) 精子や卵子を自由に作製することが可能になり、また人工子宮のような受精卵を生育する体外の装置が開発されたりしたら、デザイン化された人間をどんどん増やし続けることができるようになるのだろうか。もしかしたらそう遠くない未来に実現するのかもしれないね。 ということで今日は、近未来を妄想してみる。 20XX年。 人の精子や卵子を自由に安価で大量に作製できるようになり、精子バンクや卵子バンクのようなシステ

          近未来はどうなるのか

          男は加害者なのか?

          ある日のこと。 商業施設に寄った帰り道、出口カウンターに立つ案内係(?)のおばさんが家族で来園していたお客さんに、「ありがとうございました〜」と言いながら手を引かれて歩く子どもに手を振ってそのままハイタッチしていた。 別に全然良いんだけど、それを見て自分が案内係の仕事をしていたとしたら、ハイタッチは絶対しないよなぁと、ふと思った。 案内係の小柄で気の良さそうなおばさんが躊躇わずに子どもとハイタッチしたのは、今までの半生で自分が他人に警戒された経験が少ないからじゃないかと想像

          男は加害者なのか?

          心は世界を背負えない

          僕は昔から壮大なことを考えるのが好きだ。 高校生の頃、自分のライバルはキリストだと密かに思っていたし、歴史に名を残すような偉人になりたかった。幸せになんかなりたくもなかったし収入も恋愛も結婚も大した興味はなく、偉業の副産物として後から勝手についてくるだろうと軽く考えていた。 まあ振り返ってみると誇大妄想の激しい中二病のガキなんだけど、この不条理な世界を変えたい気持ちは今でも持っていて、それと同時に自分自身の無力さを痛感しては虚しくなる。 若者と呼ばれる年齢も過ぎて、何一つ世界

          心は世界を背負えない

          保育論

           先月、以前勤めていた保育園の卒園式に出席してきた。一年ぶりに子ども達と会う機会ができて嬉しかったな。多分もう保育園で働くことはないし子どもと関わる機会も当分ないだろうけど、それでも子どもは好きなのでたまに専門書を読んだりして今でも勉強はしているんだよね。今日は自分がしたい保育、目指す保育はどんなものなのかを、新たな知見も踏まえて考え直してみたいと思う。 現代社会の一員として  保育とはなにか? と調べると「乳幼児を適切な環境のもとで、健康・安全で安定感をもって活動できる

          スポーツ選手がアンチスポーツを提言してみる

          スポーツ選手は優秀な人間なのか? 先日、大谷翔平の結婚発表が報じられた。 日本一のスポーツヒーローの結婚にスポーツ新聞は「大谷 結婚」で一面が埋まり、地元岩手では号外が配られ、テレビもネットも話題は大谷翔平の結婚一色となった。 このおめでたいニュースに水を差すのも違うだろう。僕としてもまずは素直に祝福の言葉を述べたい。大谷翔平選手、ご結婚おめでとうございます。 日本野球史上最高の選手であり国民的スーパースターでもある大谷翔平についての説明は不要だろう。老若男女問わず好感

          スポーツ選手がアンチスポーツを提言してみる

          地球と人類の行く末を案じて、ヴィーガニズムについて考える

          ヴィーガニズムとは何か ヴィーガン。 近頃はこの言葉もネット界隈ではよく目につき、認知度もかなり高まってきたんじゃないかと思う。 さて、そのヴィーガンだがまだまだ日本での普及率は非常に少なく(約2%)、ネットで目にするのみで実際に身近にはいないという人がほとんどじゃないだろうか。 ヴィーガンの目的とは、主張とは、その実態はいったいどんなものかを、今日は僕なりに解説したいと思う。 ヴィーガンというのは日本語では完全菜食主義者と訳され、肉や魚、卵や乳製品といった動物性食品の

          地球と人類の行く末を案じて、ヴィーガニズムについて考える

          夕陽のガンマン

          皆さんの心に残る原風景はなんですか? 僕の場合、いくつかあるけれど小学生の頃に見た夕陽が強く印象に残っている。今日はその話をしたい。 *** 1999年。 ノストラダムスの大予言で地球が滅亡するとされた七の月を過ぎても、地球を滅ぼすはずの恐怖の大王は一向に現れなかった。 あの予言に隠された真実はなんだったのか? テレビでは連日しきりに報道されていた8月、僕は夏休みを謳歌する小学5年生だった。 友達の間でも話題にのぼる地球滅亡の噂に少しざわめきながらも、僕は子どもらしく、

          「全員死刑」の声に寄せて

          今月15日、ショッキングな事件がニュースに流れた。 月並みな感想になってしまうが、この事件は極めて悪質で罪は重い。性犯罪者の再犯率の高さや被害女児の心的外傷、出所後の恐怖心を思えば被告の早期釈放に妥当性は低く、更生の期待が薄いことからも厳罰化が望ましいと考える。 法に詳しくないので適正な処罰の目安を提示することができないが、少なくとも5人全員に10年以上の刑期は課すべきではないだろうか。5人がSNSで集まった点も大きな社会問題で、それらのネットワークサービスへの改善も求めら

          「全員死刑」の声に寄せて