Ken Miura

アメリカの西海岸在住の起業家。家族を繋ぐための新しい製品を開発しながら、他のプロジェク…

Ken Miura

アメリカの西海岸在住の起業家。家族を繋ぐための新しい製品を開発しながら、他のプロジェクトを手伝ったりすることもあります。自分でなくて誰かがやりそうなことには興味を持てないという不幸な性格なので、困難な道ばかりを選んでしまう人。douzen.com

最近の記事

NVIDIAの革ジャン社長によるスタンフォード卒業生へのアドバイス

https://youtu.be/cEg8cOx7UZk?t=2142 -------------------------------- 「僕の強みの一つは物事に対してあまり期待しないことだと思っている。本気でそう思っているよ。スタンフォードの卒業生の多くは色々と(自分と物事に対する)期待値が高い。ここに至るまでの成績もトップクラスだったろうし、ものすごい才能をもった同級生に囲まれて、素晴らしい学校を卒業したから当然だよね。あと高い学費をなんとかしたってことも(皮肉w)。

    • デニーズで産まれたNvidia

      アジア系起業家の誇りの一人である革ジャン社長ことJensen Huang。今やAI業界をシリコンレベルで支える唯一のメジャープレーヤーのNvidia(時価総額140兆円超え)が30年前に産声をあげたのはSan Joseにあるこのデニーズのブース席だったという記事。最近デニーズの社長と革ジャン社長が記念にここで面談したそうです。また新たなシリコンバレー名所になるかもですね(相変わらず一般受けするところは数少ないので笑) ちなみにアメリカのデニーズは日本のと違って、美味しいとは言

      • 「ユニコーン」ってどこから来たの?

        注:2015年に書いた記事です。 海外のニュースをフォローしているスタートアップ系の人なら「ユニコーン」って聞いた事ありますよね。要は企業価値が$1Billion (1ドル120円ならざっくり1200億円)を超える急成長したスタートアップのことです。2013年の少し古いTechcrunch記事ですが、これによるとこの時点で39社存在していたそうです(US限定、ソフトウェア、2003年以降にスタート)。 Facebookのようにその百倍の$100Bを超えると「スーパーユニコ

        • アメリカの心を掴んだ無名シンガー

          アメリカのソーシャルメディアでほぼ無名のこのOliver Anthonyというシンガーの歌が、またたく間にすごい再生数で話題になっている。8月22日の時点で3000万回以上の再生で、ビルボードで1位。歌詞の内容が今のアメリカの多数のワーキングクラスの気持ちを代弁していて共感が凄いということらしい。多くのトランプの支援者の原動力になる感情と、エリート・リーダー層への失望や、ビッグテックの支配への不安も感じられる。長くなるから自分の解釈は書かないけど、明日への不安という感情はどこ

        NVIDIAの革ジャン社長によるスタンフォード卒業生へのアドバイス

          「時間を再定義」する時計を買った話

          2年ほど前に検討していた製品の関係で「時間とはなにか?」という話に興味をもち、色々と調べていたらこの製品に行き当たりました。 https://thepresent.is/ 今は3種類の時計があるシリーズ物なのですが、当初は「1年時計」のYearがクラウドファンディング・サービスのKickstarterのプロジェクトでした。製品としての特徴を簡単に挙げると: ・電池駆動する単体の壁掛け時計 ・針は一本だけ ・それが365日間かけて一周する ・四季を表す色のグラデーションがあ

          「時間を再定義」する時計を買った話

          ハーバード大学の特別枠入学

          Affirmative Actionによる特定のマイノリティ人種の入学を優遇することが最高裁によって違憲とされたニュースがありました。 これは複雑なイシューで、自分も思うところがあるのですがその話はとりあえず置いておきます。(ちなみに私がはるか昔にカリフォルニアの私立大学に合格したときは、カリフォルニア在住のアジア系という枠での入学は難易度がかなり高いというのはありました。なぜなら沢山いる上にみんな教育パパママの家庭で成績いいから。つまり昔の私、けっこう高いハードル超えてい

          ハーバード大学の特別枠入学

          家庭内のコネクテッド系デバイスってもう満席状態なのか?

          Facebookに書いたことをここにも。あまり詳細書くと長くなるので、まとめた雑感ですが。 あるきっかけでこの一週間ほど一般家庭のconnected home / communication製品に関して色々とディスカッションしたり、ブレストしてました。こういうの久しぶりで、結構脳みそ使いました。 今にはじまった話じゃないけど「普通に正攻法で」「マス市場向けな製品」で「まじめにロジカル思考で」考えると、グーグルとアマゾン系で隙がなさすぎて、新しいスタートアップの製品が家庭に

          家庭内のコネクテッド系デバイスってもう満席状態なのか?

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(4)

          ------------------------------------- マイニング市場に影響がある3つの力とは: 1) ビットコイン半減期のタイミング 2)気候サイクル 3)ハードウェアのリリースサイクル ------------------------------------- 3)ハードウェアのリリースサイクル マイニング機材のメーカーは絶え間ない開発競争にしのぎを削ってきた。そしてこの市場ではかなりの長いあいだBitmain社のAntiminer S9が市場を席巻

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(4)

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(3)

          ------------------------------------- マイニング市場に影響がある3つの力とは: 1) ビットコイン半減期のタイミング 2)気候サイクル 3)ハードウェアのリリースサイクル ------------------------------------- 2)気候サイクルの影響 これはマイニング事業が、特定地域に集中していることによる副作用である。ビットコインのマイニング業界は、中国南部における過去の水力発電への過剰投資による恩恵を偶然にも受

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(3)

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(1)

          以下はビットコインマイニング業界でリスペクトされているLeo Zhang氏の2020年6月のブログをご本人から許可をもらって一部訳しています。要約・意訳して一部は省いている箇所もあるため、興味のある方はオリジナルの英語版を読むことをお勧めします。ただし大体はカバーしたつもりです。全部でパート4まであります。 *の部分は筆者が説明のために入れた部分。 --------------------------------------- 「なにかが透明であればあるほど、それは謎めく。

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(1)

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(2)

          ------------------------------------- 前回までのおさらい。マイニング市場に影響がある3つの力とは: 1) ビットコイン半減期のタイミング 2)気候サイクル 3)ハードウェアのリリースサイクル ------------------------------------- 1)ビットコイン半減期のタイミング(新規BTCの排出スケジュール) ビットコインは計算力であるハッシュパワーの集合によって成り立っている。マイナー達にハードウェアへの投

          ビットコイン・マイニングの「三体問題」(2)

          Tim Cookによる直接的なFacebook批判

          AppleとFacebookのバチバチが結構激しくなってきていますが、最近のTim Cookの発言がかなりザッカーバーグに直接ハートブレイクショットを放った感あって、凄いです。しかも一言もFacebookとは言わないのに誰のことがすぐに分かるというのがまた迫力あります。まぁみんなそれなりにポジショントークが多少なりはあるとは言え、最近FBは追い込まれ気味な感じがします。 元記事(英語) Tim Cook May Have Just Ended Facebook https:

          Tim Cookによる直接的なFacebook批判

          イーロンさんの冒険(5)

          民間ロケット会社の作り方 イーロンはロスのLAX空港の南にある1310 East Grand Avenue, El SegundoをSpaceXの本拠地として選ぶ。元倉庫の殺風景なビルではあるが、荷物の移動には都合が良い。とりあえずみんなでDell製コンピューターやデスクを持ち込み、イーロンも一緒になってオフィス環境を整える。ノリはあくまでシリコンバレー・スタートアップである。また、現在にも至るSpaceXオフィスの特徴の一つは、トップレベルのロケット設計者、アイビーリーグ

          イーロンさんの冒険(5)

          イーロンさんの冒険(1)

          火星を目指せ!ジム・カントレルへの電話から、1年ほど時をさかのぼる。 2000年の秋は29歳のイーロン・マスクにとってかなり最悪の時期だった。まずは新婚旅行でオーストラリアのシドニーに飛行機が到着した直後に、あるメールに気がつく。送信元はネット決済のPayPal社の取締役会からで、イーロンにCEOをやめてもらう決議の通達だった。おかげで急遽カリフォルニアのパロアルト市までとんぼ返りをするはめになったが、結局は自らが共同創業した会社から追放されることになる。次に、その年末に中

          イーロンさんの冒険(1)

          イーロンさんの冒険 (0)

          序章 その名はマスク2001年7月。Jim Cantrell(ジム・カントレル)は雄大なロッキー山脈を背景に、ユタ州北東部の高速道路を自慢のオープンカーで爆走していた。ユタ州立大学にて機械工学の学位を修めた、車いじりとカーレースが好きなこの36歳のエンジニアは航空宇宙業界のベテランでもある。NASAのJPL(ジェット推進研究所)にて火星探索ローバーやバルーンのプロジェクトに関わり、その後フランス国立宇宙研究センターを経て、アメリカ国防総省のプロジェクトで人工衛星やミサイル防御

          イーロンさんの冒険 (0)

          イーロンさんの冒険(2)

          ミッション:ロシアでミサイルのお買い物2001年の夏に戻る。 ジム・カントレルと無事にソルトレイクシティー空港内のラウンジで打ち合わせをするイーロン。当初はかなり怪しんでいたカントレルも最後は協力をすることに合意。仲間に加わることになったのだ。 カントレルのネットワークを頼れば、キーパーソンにコンタクトを取り、ロシア製のロケットを買いにいける。前回書いたように、実際はICBM=大陸間弾道ミサイルのB級品を入手して改造すれば宇宙に飛ばせるだろうというプランだった。このヤバい計

          イーロンさんの冒険(2)