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「ユニコーン」ってどこから来たの?

注:2015年に書いた記事です。

海外のニュースをフォローしているスタートアップ系の人なら「ユニコーン」って聞いた事ありますよね。要は企業価値が$1Billion (1ドル120円ならざっくり1200億円)を超える急成長したスタートアップのことです。2013年の少し古いTechcrunch記事ですが、これによるとこの時点で39社存在していたそうです(US限定、ソフトウェア、2003年以降にスタート)。

Facebookのようにその百倍の$100Bを超えると「スーパーユニコーン」だそうな。なんかメタルスライム→はぐれメタル→メタルキングみたいなレア度でしょうか。

すいません脱線しました。

$1B価値の領域に入ると「ユニコーンクラブ」に入れて(実際にあるクラブではありません)、シリコンバレーやその他の国でみんなの尊敬を集めることになるわけです。投資家目線だとユニコーン1社からの利益が残りの投資先から得られるリターンを全て足し合わせても超え、損失も埋めてくれる奇跡の存在です。ちなみに大手のVCは投資先は基本全てが「ユニコーンになりえる可能性が少しでもある」という基準で入れているので、「こいつはユニコーン候補」「こいつはもう少し小さくてもいいや」と分けているわけではありません。あくまで全力で特大ホームランを全て狙っていったうえので結果論での打率なのです。

基本は比較的最近に急成長したスタートアップの事をさすので決して「私が務めている XXX社(もう歴史が長い日本の大企業)もある意味ユニコーンなんですよ。わははは」なんて言ってはいけません。間違っているし、寒くてネタにもなりませんから。

とまぁ、ユニコーンのテック業界での使われ方は別に今更書く必要もないので本題ではないのです。(なにーーーー!!!?)。本題はなんでそもそも「一角獣」なの?という話。

これは西洋の歴史・神話・USポップカルチャー的な話になるので、スタートアップのコンテキストだけで聞いているとナンノコッチャって感じだと思います。豆知識から始めると、一角獣が最初に記録に残っているのは5世紀のあたりの古代ギリシャの医師・歴史家のクニドスの記述だそう。長く伸びた角が特徴で、それを削った粉を処方すると解毒剤になるとか万病に効くと長い間信じられていたとか。ユニコーンは存在しないのですが(多分)、北極圏に生息するクジラの仲間のイッカクの角(厳密には牙!)はいかにもそれっぽいので、乱獲されユニコーンの角と偽られてヨーロッパで高値で取引されていたようですね。ちなみに私はこれをヴァイキングを題材にした連載中の傑作コミック「ヴィンランド・サガ」で学びました。また脱線すいません。

その後のUSポップカルチャーでのユニコーンの扱いに関する説明はこのMashableの記事に委ねます:

で、要は伝説の動物なので用途としては「奇跡的にレアな存在」という比喩で使われるんですね。例えば「お前の今の彼女はユニコーンだから大切にしろよ。」みたいな感じ。もう少しネガティブな意味での「夢物語」という意味では「はいはい、いつまでもユニコーンを追っかけていな」のように少しバカにした使い方もあります。私が初めて聞いた”unicorn”をポップカルチャーでの使用はTVシリーズのGleeの2011年のエピソードでちょっと天然キャラなブリタニーが本気でユニコーンの存在を信じていて、「心が純粋だったら必ず会えるのよ」と言っていたシーンでした。

伝説の聖獣みたいな意味だったらフェニックスとかドラゴンとかいろいろとあるとは思うのですが、イメージ的に夢があって、柔らかい感じがあるからユニコーンがちょっと違う扱いなのかなと推測。女の子が好きになりやすいのもあるかもです。前述の二匹だと火傷したり喰われそうですし。東洋だったら「麒麟」とかいいのかもと思いますが、もうユニコーンで定着しそうですね。(FBの方のコメントで「ツチノコ」がいいというのが。これいいですね!ツチノコ!でも企業価値が10億円程度しかなさそうw)

というわけで、要は「レアキャラ」で、スタートアップ業界では夢の$1Billion valuationという意味でユニコーンって誰か使い出したわけですね。多分。はい。

いやー、無駄に長い。結論から書けよという批判は甘んじて受けます。それではまた次回まで!

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