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〜認知症と家族信託〜

だれにでも起こりうる認知症。高齢化社会において対策をしておく必要性が高まってきているのではないでしょうか。

社会全体の高齢化にともない、認知症患者も増加しているとのこと。いわゆる「2025年問題」とも言われているが、2025年には団塊世代の全員が75歳以上となることで様々な分野において影響が生じるでしょう。
約5人に1人は認知症になるとの予測もあるようです。
私も団塊ジュニア世代の1人として当事者目線で書いていきたいと思う。

〜なぜ認知症対策が必要だと言われている?〜
親が認知症になってしまうと
●親の預金が引き出せないという事態になる可能性が高い
→子供たちや親族内で医療・介護費用などを立て替えたりと、思わぬ出費に繋がる恐れがある

●自宅を売却or貸すなど、親名義の不動産を自由に扱えない
→自宅の売却も出来ず、継続していく親の生活資金や医療・介護費用の捻出ができなくなる(遅れる)恐れがある

想像することは難しくないと思う。
親子間であっても他人の財産を勝手に動かすことはできない。認知症はだれにでも起こりうることであり、なってからでは子供たちや親族が苦労することに…
自身も住宅ローンを抱えている、子供の教育費がかかっている、物価高騰により生活費を切り詰めているなど、このような状況の方も少なくないのではないでしょうか。

高齢の親を持つ身や自身が高齢で子供たちがいる、この家族構成のかたは真剣に考えるときがきたのかもしれません。私も現場でそのような場面に遭遇するケースもあり、自身もその世代だからこそ真剣に考えているのだと思う。

以下は、預金引き出しについて金融機関の対応です。金融機関も対策を出しています。

〜家族信託とは〜
大前提として、家族信託(契約)はすでに認知症となって判断能力(意思能力)が失われている場合は、信託契約を結ぶことができません。
ポイントは、認知症=出来ないではなく判断能力(意思能力)の有無が問われる点です。
さらに、信頼して財産を託せる相手がいること(主に子供)が必要。
     一般的な例
委託者(親)→受託者(子)→受益者(親)
親が子に財産管理を託すという制度。

〜家族信託のメリット〜
●不動産の売却や貸付など、自由度も高く資金化しやすい
●財産の運用や相続対策など、親子間で相談しながらそれぞれの意見を反映しやすい
●遺言書のような機能も持ち合わせている
●財産の名義は親から任された子供へ移るが、親の介護費用や医療費、生活費などに利用することができる

〜家族信託の注意点〜
●財産の名義を親から委託する子へ移すため、他兄弟間で後々の相談トラブルに発展する可能性があること
●受託者である子供の負担(実務上1人)が大きくなること
→帳簿をつけていく必要がある
→長期に渡り継続していくことで労力がかかる
●相談や契約書作成など、一般的には司法書士や弁護士に依頼することも多く初期費用が高額になること
●信託する土地が農地の場合、農業委員会への届出や許可などの手続きが必要(農地法で規制)
→土地の地目が「田」「畑」は注意
●公的年金は親名義の口座へ振り込まれるため信託不可となる
→光熱費や毎月の固定費を自動引き落としにしておく
→自動送金サービスの利用も検討(手数料が発生)
●信託口口座の開設について注意する
→取扱金融機関の確認及び事前要件など

〜まとめ〜
家族信託とは、その名のとおり自分の財産管理の権限を家族に与えておく制度。
子供たち(兄弟姉妹)の間において相続時にトラブルを起こさないよう家族内で話し合っておく必要があります。

たとえば、末っ子が同居していた親を介護から看取るまで面倒をみてきました、、からといって円満に事が進まない…ということも
なぜ?
相続人は、子だけでなく孫もいる世代。
自身が生活基盤の大黒柱になっているケースも多く、目の前にお金があるとやはり主張をしてくるのだろうと個人的には思っている。
当然の権利とはいえ、60〜70代になって兄弟姉妹間で揉めている姿を見るとなんとも言えない気持ちになってしまう。

みんなが健康なうちであれば、心の余裕もあるでしょうから多少のぶつかり合いがあったとしても、ある程度は許容できるのではないか。

家族信託はコミュニケーションをとるきっかけにもなるので、相続トラブル回避のためにも有効な対策の一つといえるでしょう。
司法書士や弁護士など専門家へ依頼する際、当然のことながら費用もかかるため悩む方も多いと思う。しかし、親族間で話し合いをしていても時間と労力がかかりますし費用対効果(自分たちの労働対価)を考えたらどうでしょうか。
社会問題化されている空き家問題も実は親族間では解決出来ず、そのまま放置されてきたというケースもよく聞く話しです。

問題の先延ばし、目先の損得勘定、思い込みや忖度は気をつけるべきところでしょう。

最後に、
NHKの番組「クローズアップ現代」で家族信託とよく比較される任意後見制度について、ファイナンシャルプランナーが解説されています。

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