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名称を飛び越えて

どの領域のデザイナーか、どのような職種か。領域や職種の名称にとらわれることなく、純粋に価値を追求していきたい。そう思っています。




信頼はいつ備わるのか

我々はコミュニケーションデザイナーです。自組織はこれまで、ブランドデザイン・マーケティングデザイン・コーポレートデザインといった、プロダクトや組織の魅力を世の中に伝えていく役割を担ってきました。

競合優位性を適切な表現によって伝えていくことは、顧客・社員・ファンを獲得するだけでなく、長期的に信頼・安心・資産を築いていく活動です。

それは法人格という言葉通り「人間関係と同義」。「信頼」という最も重要で無形のものを備えていきます。壊れる際は一瞬、備わるには果てしない時間を要するでしょう。


遠いなら近付こう

自組織は、これまで築いてきた価値に「新たな価値」を積み上げ、進化を追求する必要がありました。それは「顧客課題を解決する」ということです。

これまでは、社内課題の解決や、自社の未来を想い描くプロジェクトに多く携わってきました。しかし、そのどれもが長期課題であることが特徴でした。勿論長期視点は重要ですが「成果が見えづらい」という難点を抱え続けます。

さらに、顧客から遠い成果である点も我々を苦しめてきました。それが自組織の新たな目標として明確になったとき、「遠いならば、顧客の近くへ行こう」そう思ったのです。


短期的・直接的な戦略

現場に行く。顧客に近付き、課題を見つける。これほどまでにシンプル且つ重要なことはないでしょう。

顧客が気付いていない潜在的課題を見つける意義。高解像度の課題(強い事実)を掴む意義。それらは仮説確度を上げます。さらに、ユーザー同士が初対峙し「働いている時間」は、プロダクトから離れていることが特徴でした。

職種・役割に関係なく「顧客が嬉しいことを提供する」。それは、最も本質であり、我々が積み上げるべき新たな提供価値。短期的・直接的な成果を実現する戦略です。


名称を知る意味

自分がやりたいことは何か。詳細に言語化する必要が出てきました。やりたいことを手探りで推進しながら、探索範疇や半年後のゴールを言語化していきました。

行動・思考・対話を重ねていき、「自分のやりたいことは、サービスデザインかもしれない」と分かってきました。ある書籍を読むとそこには私の思考や手法が、既存の理論として書かれていました。行動観察というリサーチです。

自分が見ている「領域の名称」をなぜ知る必要があるのか。それは、他者に伝えるため・他者と共通認識を持ち協業するためです。そのために「名称」が存在しています。


名称の奥に潜む魅力

デザイナーの役割が拡大したことで、あらゆる名称のデザイナーが誕生しました。私は、どの領域のデザイナーなのか。そもそも、デザイナーなのだろうか。

しかし本来、職種名は重要ではなく「どのような思考と技術を備えているのか」が重要です。その人自身の純粋な魅力。名称の奥にある、再現性や人間性に焦点をあてるべきではないでしょうか。

職種を定義した途端にバイアスがかかってしまい「Aが出来て、Bが出来ない人か」という余計なレッテルを貼られてしまうことは、必ず避けなければならないのです。


名称を飛び越えて

事業が今何を必要としているのか。顧客が嬉しいことは何か。現在やるべきことを追求していくからこそ、デザイナーのやるべき事・業務範囲が拡大していくのかもしれません。

そして、自分がやるべきことは何なのかを考え続けた結果、拡大し細分化された役割とその名称を飛び越えていることが理想です。

今自分がやっていることの名称は何なのか、という枠組みを気にするのではなく、高純度で事業が必要としていることを捉え、越境していきたいと思います。




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