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ローリング・ストーンズ(プレイリスト)

一人ぼっちの世界
アズ・ティアーズ・ゴー・バイ
アンダー・マイ・サム
夜をぶっとばせ!
ルビー・チューズデイ
ジャンピン・ジャック・フラッシュ
悪魔を憐れむ歌
ブラウン・シュガー
悲しみのアンジー
アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト

■ローリング・ストーンズの好きな曲十曲
発表された順に列挙していますが偶然にもカセット・テープにそのまま録音しても良いくらいしっくりとくる並びになりました。代表曲やヒット曲ばかり、とは言え、リアル・タイムで聴いているのは「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」のみ、1980年代、十代の時でした。ベスト・アルバムの定番曲ですが雑誌等の企画される人気投票では意外と上位に入ってはこない曲というイメージがあります。世代で好む傾向があるのでしょう。つまり、自身が選んだ十曲は1980年代に十代だったことを示すそれになったと思います。具体的に言うと1969年生まれ、大雑把に言えば1970年くらいの生まれですが1960年くらいに生まれた人であれば十代だった頃のリアル・タイムのヒット曲「ミス・ユー」が入ってくるのかもしれませんし、さかのぼって1950年くらいの生まれであれば同じく十代だった頃の「サティスファクション」がテッパンと思われますが今回、それらが漏れたのはそのような理由からなのかもしれません。一方、世代を超えて支持されているのが「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、野球に例えるとサヨナラ・ホームランを打って勝利した際の気持ち良さがあります。一方、打たれた側の立場になると「悲しみのアンジー」を結びつけることも容易です。ローリング・ストーンズと野球を結びつけるのもどうかと思いますが、あるアルバムの曲の並びを眺めていると野球の打順みたいに三曲目、四曲目、五曲目に目立つ曲が並んでいたことがありました。自身が並べた十曲はオールスター・ゲームの打順みたいです。いくらか下位打線にホームラン・バッターが並んだような気がします。

「一人ぼっちの世界」
「一人ぼっちの世界」は1965年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲です。一つ前が「サティスファクション」、その後にリリースされたシングル曲で期待に応えようとする意図がわかりやすく示されているロック・ナンバーです。両曲は喜怒哀楽で表すと怒り、「一人ぼっちの世界」のほうが強いそれが感じられます。要因として早口な歌い方、連打のドラム、個人的には「サティスファクション」よりも「一人ぼっちの世界」が好きなのは先の事柄以外にハーモニカの演奏が聴けることが挙げられます。1980年代、当時の洋楽に例えるとU2の「デザイアー」も印象的でした。この曲が好きなのは「一人ぼっちの世界」に似ていることが関係しているのかもしれません。トータル・タイムが短いこともそうですがリズムが強調されていることも共通項、「サティスファクション」はギター・リフが有名ですが「一人ぼっちの世界」はリズムを強調することで「サティスファクション」の二番煎じの回避に成功しています。ロックを聴く動機としてストレスの発散が主たるそれになるかと思いますが「一人ぼっちの世界」はロックの役割もわかりやすく示した曲でした。

「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」
「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」はローリング・ストーンズの楽曲、アメリカでは1965年にシングルA面曲としてリリースされました。位置付けは初期のバラード、それらを列挙すると「テル・ミー」、「ハート・オブ・ストーン」、「レディ・ジェーン」、カバー曲では「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」、それらと同列に並ぶ「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」ですが元々はマリアンヌ・フェイスフルへの提供曲でセルフ・カバーという事柄が他のそれらと区別する特徴になっています。印象はビートルズの「イエスタデイ」と被っていて批判的な意見もあったみたいですが失恋と異なる歌詞で意外性に触れるナンバーです。調べるとマネージャーの要望に応えてミック・ジャガーが書いた歌詞らしいです。ビートルズの「イエスタデイ」も1965年にリリースされているので違いを見せつける意図もあったのかもしれません。個人的には若かった頃に笑ってはいけない場面に立ち会った際、それを鎮めるために「イエスタデイ」を思い浮かべていたことがありました。いたずら心から誘導された言動、「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」はそのような無邪気さを遠くに至らせる曲です。

「アンダー・マイ・サム」
「アンダー・マイ・サム」は1966年に発表された楽曲、オリジナル・アルバム「アフターマス」の収録曲です。意外なことにイギリス、アメリカではシングルになっていない曲です。ブライアン・ジョーンズの活躍を語る上で欠かせない曲、検めてそれらを列挙するとスライド・ギターの「リトル・レッド・ルースター」、シタールの「黒くぬれ!」、そして、マリンバの「アンダー・マイ・サム」、その他、リコーダー、ハーモニカ等もありますが真っ先に浮かぶのがこれら三曲です。マリンバは可愛げのある楽器及び音、そして、「アンダー・マイ・サム」の歌詞は女性軽視、それらの結びつきも良好です。いくつかのライヴ・アルバムの一曲目に置かれていて歓声と被りこれも歌詞と絶妙なバランス、コンサートではマリンバの替わりにギターが興奮を盛り上げていますが、スタジオと異なったマインドが楽しめる曲の代表例と言えるでしょう。ライヴ・アルバムに収められていて間違いなく代表曲、また、ベスト・アルバムの定番曲ですがイギリス、アメリカでシングルになっていないのは意外です。1960年代のベスト・アルバム「ビッグ・ヒッツ(ハイ・タイド・グリーン・グラス)」のイギリス盤、アメリカ盤、どちらにも収録されていないのはそのような理由があるからなのかもしれません。

「夜をぶっとばせ!」
「夜をぶっとばせ!」は1967年のヒット曲、ローリング・ストーンズの代表曲の一つです。有名な話で歌詞の一部を替えてミック・ジャガーが歌唱、呆れて歌う様子も確認できます。猥褻な歌詞らしいですが日本人の立場からすると清々しいナンバー、意外にエレキ・ギターが控えめで他の楽器に埋もれているのが特徴です。その分、コーラス、ハーモニーが際立っていますがこれが清々しさを決定付けているのかもしれません。コンサート映像や音源では逆にギターが目立っていてピアノが後押しをする役割、テンポも速めていて「アンダー・マイ・サム」と同様にスタジオとは異なるマインドが楽しめます。デヴィッド・ボウイがカバーしていることも有名、合わせてカバーではないですが忌野清志郎のユニット、タイマーズがこの曲を手本にしていると思われるのが「お前の股ぐら」、キヨシローの抜け目の無さに感心もしますがこちらもハーモニー、コーラスが目立っています。そして、「夜をぶっとばせ!」以上に猥褻、ダイレクトな表現に狂喜、とは言え、強い愛が溢れています。「夜をぶっとばせ!」にはそのような強い愛は感じられないですが快楽を優先するティーンエイジャーの率直な衝動が好感触です。

「ルビー・チューズデイ」
「ルビー・チューズデイ」はローリング・ストーンズの楽曲、「夜をぶっとばせ!」と両A面として1967年に発表されました。ローリング・ストーンズの初期のシングルでは最も充実している組み合わせでは?異なったタイプの曲、各々でトップ・クラスの目立つ曲で購入のしがいがあります。可愛げのある「ルビー・チューズデイ」なので後の「シーズ・ア・レインボー」を連想させられます。なんとなく女性ウケしそうな両曲ですが、喜怒哀楽で表すと哀が「ルビー・チューズデイ」、喜の「シーズ・ア・レインボー」です。両曲みたいなタイプはミック・ジャガーの主導と予想、とは言え、「ルビー・チューズデイ」は後でミック・ジャガーが歌詞を書いていますが元々、ブライアン・ジョーンズとキース・リチャーズの共同作品らしいです。調べるとそのようなことが度々あって面白いですが「ルビー・チューズデイ」は主たる例と言えるでしょう。個人的にはキース・リチャーズらしさが感じられないので意外、ミック・ジャガーの歌唱、歌詞に引っ張られて全くの別物になってしまったような印象を受けます。この辺りはボブ・ディランの曲をイメージした「悪魔を憐れむ歌」と似ています。

「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」
「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」は1968年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲です。雑誌等の企画で好きな曲の一位にランクされることも多い曲、それも納得で自身もローリング・ストーンズの楽曲で一番、好きな曲です。むしろ、全ての洋楽をひっくるめて一番、好きな曲、もちろん、限度はありますが繰り返し聴いても飽きません。生理的な欲求が要因として伴っているのでそれ以上の理由はないですが、強いて言うなら一発逆転の奇跡みたいなマインド、嫌なことがあってもチャラにしてしまうエネルギーがこの曲にはあります。ビル・ワイマンの貢献も有名ですが問題なくプレイされ続けているのもそのあたりに理由があるのかもしれません。また、ベースの音が大きいことからビル・ワイマンの発言には信憑性があります。とは言え、ベースを弾いているのはキース・リチャーズ、主導を語るキース・リチャーズはそのあたりからくるのかもしれません。合わせてベースの音も印象的です。自身の傾向として好きな曲に限ってベースの音が大きい傾向がありますが「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」はその代表例、因みにギターはエレキ・ギターではなくてアコースティック・ギターを使用しているらしいです。この件も「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の魅力を後押し、とは言え、個人的には本当にそうなのかは疑いが消えないまま、それも含めてワクワクさせる曲です。

「悪魔を憐れむ歌」
「悪魔を憐れむ歌」は1968年に発表された楽曲、ローリング・ストーンズのオリジナル・アルバム「ベガーズ・バンケット」の収録曲です。ローリング・ストーンズはあらゆる音楽ジャンルを吸収しやすい体質のバンドです。それをダイナミックに示しているのが「悪魔を憐れむ歌」、この曲はサンバを大胆に取り入れていますが全くの違和感がなく見事な融合が示されています。さかのぼると「黒くぬれ!」のインド音楽の吸収を深化させたような革新的なナンバーです。興奮もしますが緊張も滲ませていてロックとサンバの融合とシンクロするように感情もミックスさせるあたりも狂喜するスペシャルなナンバーです。「ベガーズ・バンケット」の一曲目、そのイメージも強いですがワクワクさせるのは「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」が収録されていたら「ベガーズ・バンケット」にどのようなアレンジが加えられていたかの想像です。単純に一曲を外して「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」を入れたとしても不釣り合いなイメージ、バランスを整えるには全体的にエレクトリックに施すのが最短距離の解決と思いますが、逆に「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」自体をアコースティック・サウンドに施すのが手っ取り早いのかもしれません。そんなふうに考えると「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のギターはアコースティック・ギターという話も納得できそうです。

「ブラウン・シュガー」
「ブラウン・シュガー」はローリング・ストーンズが1971年に発表した楽曲、アルバム「スティッキー・フィンガーズ」の収録曲です。時代を象徴しているのが「サティスファクション」、ストーンズ・サウンドを象徴しているのが「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、そのような意見を聞いて実に納得したことがありました。では、「ブラウン・シュガー」が何を象徴しているかというとソングライティング、あるいはミック・ジャガーとキース・リチャーズのコンビネーションでは?ローリング・ストーンズの曲作りにも色々なパターンがあるかと思いますが、どうやら、ソングライティングは「ブラウン・シュガー」みたいなパターンが一般的と思いました。ミック・ジャガーによると歌詞とリフはミック・ジャガーによるものとしていますがキース・リチャーズによるとレコーディング後は全くの別物になったらしいです。一概には言えないですが例えばキャロルみたいに作詞がジョニー大倉、作曲は矢沢永吉といった具合にしっかり役割分担はされていないのがローリング・ストーンズ、付随して、一応、ビートルズはジョン・レノンとポール・マッカートニーで共作になっていますがはっきりとした区別はあったような気がします。音楽ジャンルの融合と合わせて曲作りもお互いのアイデアが交わり一つの作品が完成されていくのもローリング・ストーンズの魅力です。

「悲しみのアンジー」
「悲しみのアンジー」は「山羊の頭のスープ」の収録曲です。喜怒哀楽で表すと喜の「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、怒の「サティスファクション」、哀が「悲しみのアンジー」で楽の「ブラウン・シュガー」、ローリング・ストーンズの代表曲は軸になる感情のど真ん中を射抜く矢のように的確ですが的確という点ではアルバムの曲の配置についてもまったくその通りの置き方をしていて信頼を寄せています。曲の配置は手本にしているバンドも多いように思いますが特に邦楽ではそのように感じることが多いです。ストリート・スライダーズは間違いなく参考にしていると思いますし、RCサクセションや初期のエレファントカシマシのそれもその傾向が感じられます。特にバラード等の配置がわかりやすいです。大概、A面の最後の曲、B面の最後から数えて二曲目、そして、B面の最後の曲がそれになりますが、特に「悲しみのアンジー」は代表例、おそらく最も有名なA面の最後に置かれた曲ではないでしょうか?現代ではCDで聴くのが当たり前で尚更そのように思います。「悲しみのアンジー」はメロディや演奏も素晴らしいですがミック・ジャガーの歌声や表現が際立っているように思いました。ミック・ジャガーは後に度々、映画に出演、それも納得、アクターとしての素質に触れる「悲しみのアンジー」です。よくよく考えるとA面の最後の曲にレッド・ツェッペリンの「天国の階段」を思い浮かべる人も多いかもしれません。とは言え、個人的にはA面の最後と言えば「悲しみのアンジー」です。

「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」
音楽を聴く動機も人によって様々ですが自身に限って主なそれは、興奮したい時、緊張したい時、癒されたい時、励みにしたい時、これら四つの欲求が主な動機や理由になっています。具体例を邦楽に当てはめると、興奮したい時はRCサクセション及び忌野清志郎、緊張したい時はゆらゆら帝国、癒されたい時は森田童子、励みにしたい時はエレファントカシマシ及び宮本浩次、更にローリング・ストーンズの曲に当てはめると、興奮したい時は「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」、緊張したい時は「ギミー・シェルター」、癒されたい時は「ワイルド・ホース」、励みにしたい時は「イッツ・オンリー・ロックンロール」です。先に喜怒哀楽に当てはめて曲を選んだので被らないようにしましたが、とは言え、まんざらでもない当てはめ方ができて大変に満足、少し興奮しているような状態です。喜怒哀楽もそうですが純粋にそれのみで構成されているとは限りません。例えば「アンダーカヴァー・オブ・ザ・ナイト」は興奮で満たされていますが緊張をくぐり抜けた末、そのような興奮状態であることが示されています。なんとなくのイメージとしてオートバイの暴走行為、警察に追われてそれを振り切った際の快感や興奮、そして少しの緊張を残しているような状態、これらはもちろん未体験ですが自身に置き換え記憶を辿ると友達とピンポン・ダッシュをして遊んだ幼い頃のことを思い出します。好ましいとされない行為に緊張、抑えられない欲求、快感、快楽、興奮、ある意味、素直で率直な曲ですが一方ではそれを表現する為に複雑な装飾が施された曲でもありました。

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