片岡健

ノンフィクションライター、ジャーナリスト、ひとり出版社リミアンドテッドを運営。主な著作…

片岡健

ノンフィクションライター、ジャーナリスト、ひとり出版社リミアンドテッドを運営。主な著作に『平成監獄面会記』(笠倉出版社)、『絶望の牢獄から無実を叫ぶ』(鹿砦社)など。YouTube『片岡健のチャンネル』https://www.youtube.com/@kenkataoka51

マガジン

  • ある小学校で起きた冤罪

    誰からも評判の良かった小学校講師の青年が、担任する1年生のクラスの女子児童3人にわいせつ行為をはたらいた容疑で逮捕され、本人は一貫して無実を訴えたが、裁判で懲役3年6月の判決が確定した。  裁判記録をもとに検証したところ、この事件は冤罪であるばかりか、「そもそも、事件自体が存在しなかった」という真相が明らかになった。

  • 和歌山カレー事件関係記事

    1998年に67人がヒ素中毒になり、4人が死亡した事件は、「平成の毒婦」と呼ばれた主婦(現・死刑囚)の林眞須美さんの犯行とされていますが、実際は他に犯人が存在します。その真相を解明するために調査を続ける中、書いてきた記事の一部を紹介します。

  • 『マンガ「獄中面会物語」』シナリオ全7話

    実在死刑囚たちに対する私の面会取材の記録について、漫画家の塚原洋一先生が漫画化してくださった電子書籍『マンガ「獄中面会物語」』(発行/笠倉出版社、企画・編集/伊勢出版)の分冊版9~15話のシナリオを公開します。  漫画は、多くの人が報道で目にしたであろう重大事件の犯人である死刑囚たちについて、報道とは異なる実像、事件の深層がよく伝わる作品になっています。シナリオを読み、登場する死刑囚や事件に関心を持たれた方は、ぜひ漫画もご一読ください。    以下、登場する死刑囚です。 ・西口宗宏(堺市資産家連続殺害事件)   ・奥本章寛(宮崎家族3人殺害事件) ・筒井郷太(長崎ストーカー殺人事件) ・伊藤和史(長野資産家一家殺害事件殺人事件) ・林振華(蟹江町母子殺傷事件殺人事件) ・高橋明彦(福島県会津美里町夫婦強殺事件) ・山田浩二(寝屋川中1男女殺害事件)※現在の性は溝上

最近の記事

連載「ある小学校で起きた冤罪」に関するお礼

 本noteで連載している「ある小学校の冤罪」について、多くの方が読んでくださり、リポストや♡マークを押しての応援もしてくださり、ありがとうございました。  事件の内容をよく理解してくださっているような好意的な感想も多く届き、安堵すると共に記事を書いていた良かったと改めて思えました。  また、多くの方からサポートも頂き、ありがとうございます。   note機能を使ってサポートして下さった方々には、すでに直接、note機能を使ってお礼の言葉を伝えさせて頂きましたが、振込

    • 〈注意:追記あり〉ヒ素お好み焼事件が「でっちあげ」だった件について、和歌山地検に取材を申し入れました

      2024年4月17日 和歌山地方検察庁検事正 柴田真様  突然のご連絡で失礼致します。片岡健と申します。ジャーナリストをしている者です。  このたびは貴庁に取材の申し入れをするため、連絡させて頂きました。4月16日に一度、電話で貴庁に取材の申し入れをし、広報官の奥田様から「取材を申し入れるなら、事前登録をしてください」と要求されましたが、今回の取材については、事前登録のような手続きをすべきではない事案だと思いますので、貴庁の長である柴田様に直接、取材を申し入れさせて頂くこ

      • 和歌山カレー事件調査報告 「被害届は警察に強制された」 別件・ヒ素お好み焼事件の“被害者”が明かす

         1998年にヒ素中毒で60人を超す人が死傷した和歌山カレー事件について、私はこのnoteなどで独自取材に基づき、犯人とされている林眞須美死刑囚が実際には犯人ではなく、本当の犯人は別に存在することや、この事件の捜査で様々な不正が行われていことなどを報告してきた。このほど、この事件で行われた捜査の不正が新たに1つ判明したので、報告したい。  それは、林死刑囚がカレー事件の捜査の過程で逮捕、起訴された別件の保険金目的の殺人未遂事件4件のうちの1件に関することだ。  その事

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        • 和歌山カレー事件「あるヒ素鑑定人の死」と「葬り去られた鑑定書」

          59歳の若さで  このnoteでも冤罪であることをお伝えしてきた和歌山カレー事件で、無実を訴えている林眞須美死刑囚(62)が第三次再審請求を行った。第二次再審請求では、「カレーに入っていた毒物は、ヒ素ではなく青酸だった」として無罪を主張していたが、今回の第三次再審請求では、「犯行に使われたヒ素と林死刑囚の周辺で見つかったヒ素は同一物である」とした鑑定(以下「ヒ素の異同識別鑑定」)が不正なものだったなどして再審の開始を求めている。  そんな中、林死刑囚の裁判に鑑定人として関

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        連載「ある小学校で起きた冤罪」に関するお礼

        • 〈注意:追記あり〉ヒ素お好み焼事件が「でっちあげ」だった件について、和歌山地検に取材を申し入れました

        • 和歌山カレー事件調査報告 「被害届は警察に強制された」…

        • 和歌山カレー事件「あるヒ素鑑定人の死」と「葬り去られた…

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        • ある小学校で起きた冤罪
          6本
        • 和歌山カレー事件関係記事
          20本
        • 『マンガ「獄中面会物語」』シナリオ全7話
          7本

        記事

          亡くなった冤罪死刑囚・赤堀政夫さんが訴えていた「林眞須美さんは無実」

           いわゆる「四大死刑冤罪事件」の1つ、島田事件で、1989年に再審で無罪判決を受けた赤堀政夫さんが昨日(22日)午後に亡くなったことが各メディアで報道された。  実はこの赤堀さんも、林眞須美さんがまだ世間的に和歌山カレー事件で真っ黒なイメージだった2008年3月20日、和歌山市民会館で行われていた林さんの支援集会に参加し、参加者たちの前で「林眞須美さんは無実です」と訴えていた(※タイトル上の画像は、その時に私が撮影したもの)。    正確に言えば、赤堀さんの介護者だった大

          亡くなった冤罪死刑囚・赤堀政夫さんが訴えていた「林眞須美さんは無実」

          私が書いた「殺人事件で無罪確定後に別の殺人事件を起こした男性」に関する記事にコメントしてくれた「無罪確定した事件で証拠を改ざんしていた主任検事の男性」へのお礼と質問

          私が、いわゆる「松戸OL殺人事件」で無罪確定後に別の殺人事件を起こした小野悦男さんとの文通をもとに書いた、 「冤罪ヒーロー」に困惑も…無罪確定後に別の殺人事件、小野悦男・無期懲役囚(87)が明かした現在の心情 と題する記事が今月18日、弁護士ドットコムニュース(URL)で配信されました。また、この記事は同日、ヤフーニュース(URL)でも配信されました。 そうしたところ、村木厚子さんの無罪が確定した「郵便不正事件」の主任検事であり、この事件の証拠のフロッピ

          私が書いた「殺人事件で無罪確定後に別の殺人事件を起こした男性」に関する記事にコメントしてくれた「無罪確定した事件で証拠を改ざんしていた主任検事の男性」へのお礼と質問

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈最終回〉捜査で作られた「性被害の記憶」 

          【イントロダクション】 千葉市のM小学校で1年生のクラスを担任していた講師の男性Jさんは、2018~2019年に、担任する1年X組の女子児童3人を個別に倉庫に連れ込み、服を脱がせて身体を触ったとして強制わいせつの罪に問われ、一貫して無実を訴えながら裁判で懲役3年6月の判決が確定した。現在は関東地区の某刑務所で服役している。 私は、Jさんの裁判記録をもとに検証を重ねた結果、Jさんは無実であり、そもそも女子児童3人がわいせつ被害に遭ったという事件は存在しなかったのだと

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈最終回〉捜査で作られた「性被害の記憶」 

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第4回〉「性癖」もシロ

          【イントロダクション】  千葉市のM小学校で1年生のクラスを担任していた講師の男性Jさんは、2018~2019年に、担任する1年X組の女子児童3人を個別に倉庫に連れ込み、服を脱がせて身体を触ったとして強制わいせつの罪に問われ、一貫して無実を訴えながら裁判で懲役3年6月の判決が確定した。現在は関東地区の某刑務所で服役している。  私は、Jさんの裁判記録をもとに検証を重ねた結果、Jさんは無実であり、そもそも女子児童3人がわいせつ被害に遭ったという事件は存在しなかったのだと確信する

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第4回〉「性癖」もシロ

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第3回〉「物証に関する捜査結果」も事件の存在を否定

          【イントロダクション】 千葉市のM小学校で1年生のクラスを担任していた講師の男性Jさんは、2018~2019年に、担任する1年X組の女子児童3人を個別に倉庫に連れ込み、服を脱がせて身体を触ったとして強制わいせつの罪に問われ、一貫して無実を訴えながら裁判で懲役3年6月の判決が確定した。現在は関東地区の某刑務所で服役している。 私は、Jさんの裁判記録をもとに検証を重ねた結果、Jさんは無実であり、そもそも女子児童3人がわいせつ被害に遭ったという事件は存在しなかったの

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第3回〉「物証に関する捜査結果」も事件の存在を否定

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第2回〉事件の存在を否定する「現場の状況」 

          【イントロダクション】  千葉市のM小学校で1年生のクラスを担任していた講師の男性Jさんは、2018~2019年に、担任する1年X組の女子児童3人を個別に倉庫に連れ込み、服を脱がせて身体を触ったとして強制わいせつの罪に問われ、一貫して無実を訴えながら裁判で懲役3年6月の判決が確定した。現在は関東地区の某刑務所で服役している。  私は、Jさんの裁判記録をもとに検証を重ねた結果、Jさんは無実であり、そもそも女子児童3人がわいせつ被害に遭ったという事件は存在しなかったのだと確信する

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第2回〉事件の存在を否定する「現場の状況」 

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第1回〉30人の児童がいるクラスの教室で目撃者はゼロ

          小学校講師Jさんの人物像  今回は初回なので、事件のあらましから説明したい。なお、事件関係者のプライバシーへの配慮が通常以上に必要な事案であるため、固有名詞の多くを匿名とした。それが読みにくさを招いているかもしれないが、ご容赦頂きたい。  この冤罪事件の被害者の名前は、仮にJさんとしておく。まだ20歳代の男性だ。Jさんは2017年3月、千葉大学の教育学部を卒業すると同時に教員免許を取得。同4月から千葉市内の某小学校で臨時講師として1年勤務し、2018年4月から同じ千葉市

          【連載】ある小学校で起きた冤罪 〈第1回〉30人の児童がいるクラスの教室で目撃者はゼロ

          【取材報告】近大の世耕弘成理事長は「剣道部員死亡事件」をどう受け止めているのか?

          林真理子氏に厳しく、世耕弘成氏に寛大なメディア なぜ、世耕氏は、メディアから叩かれることなく、放置されているのか?  10月に近畿大学剣道部の部員が別の部員に暴力を加えて死なせ、逮捕される事件があったが、この事件に関する報道にそんな違和感を覚えた。  折しも、日本大学アメリカンフットボール部の大麻使用事件をめぐり、日大の理事長を務める作家の林真理子氏がメディアに叩かれまくっていた。それに比べ、近大の理事長を務める自民党参議院幹事長の世耕弘成氏に対するメディアの態度が寛容過

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          【取材報告】近大の世耕弘成理事長は「剣道部員死亡事件」…

          〈実行犯の手記の一部を公開〉発生24年・桶川ストーカー殺人事件の「実は冤罪」という真相

           あの「桶川ストーカー殺人事件」が起きて、今日で24年になる。そこでこの機会に、私がこの事件の実行犯・久保田祥史の手記を書籍化した『もう一つの重罪 桶川ストーカー殺人事件「実行犯」告白手記』(リミアンドテッド)から一部を引用し、紹介したいと思う。  その前にまず、この事件の事実関係、この書籍の発行経緯や内容を改めて説明しておく。 マスコミがほとんど報道せずに埋もれた「実行犯の新証言」  事件が起きたのは1999年10月26日。上尾市の女子大生・猪野詩織さん(当時21)が

          〈実行犯の手記の一部を公開〉発生24年・桶川ストーカー殺人事件の「実は冤罪」という真相

          教授は処分保留で釈放されていた ~続報がない「県立広島大学教授の強制わいせつ逮捕事件」の今~

           8月31日、県立広島大学生産資源科学部の教授、伊原伸治氏(49)が20代の女性に対する強制わいせつの容疑で広島県警庄原署に逮捕され、同日、その事実が各メディアで一斉に報道された。報道によると、伊原氏は「やっていません」と容疑を否認しているとのことだった。  私はこの逮捕報道に触れ、この事件の捜査に問題がある可能性を感じ取った。そして続報が出るのを待っていたが、逮捕後の捜査の経過を伝える報道はまったく見当たらなかった。そこで、最大勾留期間(23日間=逮捕3日+勾留10日+勾

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          教授は処分保留で釈放されていた ~続報がない「県立広島…

          シナリオ獄中面会物語7 分冊版第15話:山田浩二死刑囚(寝屋川中1男女殺害事件)

          〇 山田浩二の顔写真 片岡のN「本人と会って言葉を交わしても、理解するのが難しい殺人犯がたまにいる。寝屋川中1男女殺害事件の山田浩二はその最たる存在だった」 出典クレジット「山田浩二本人のFacebookより」 〇 大阪拘置所・外観 T「2019年2月8日 大阪拘置所」 〇 大阪拘置所・面会室   山田、ニコニコしながら面会室に入ってくる。   上はライトグレーのライトダウンジャケット、下はグレーのスウェットという服装。   身長は160センチ台前半。頭は坊主

          シナリオ獄中面会物語7 分冊版第15話:山田浩二死刑囚(寝屋川中1男女殺害事件)

          シナリオ獄中面会物語6 分冊版第14話:高橋明彦死刑囚(福島県会津美里町夫婦強殺事件)

          〇 裁判員経験者が国を訴えことを伝える新聞各紙  掲載した新聞の出典クレジット 「毎日新聞2017年5月7日夕刊11面」 「朝日新聞2017年5月7日夕刊12面」 「読売新聞2017年5月7日夕刊17面」 片岡のN「2013年5月、福島県郡山市の60代の女性が「裁判員を務めたことで、急性ストレス障害(ASD)を発症した」として国に損害賠償を求める裁判を起こし、大きく報道された」 〇 片岡、デスクトップパソコンで事件の関連報道を検索している 片岡のN「一体ど

          シナリオ獄中面会物語6 分冊版第14話:高橋明彦死刑囚(福島県会津美里町夫婦強殺事件)