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東京古本屋案内 〜オンラインで買える古書店〜

東京の古書店が苦境に立たされている。
古本市などのイベントが中止、古書の売り買いをする古書市場も休館。古書店に残された生きていく選択肢は、店舗の在庫をお客さんに売っていくしかない。しかし、休業要請には古本屋(1000平方メートル以下の施設は協力依頼)が含まれていて、世界最大の古書店街である神田・神保町の書店も大小問わず足並みをそろえて休業しています。

そんな状況の中、少しでも古書店に何かできれば、少しでも古書店へ還元できれればと、個人的にオススメな古書店のオンラインストアを紹介していていきたいと思います。

多くの人は、ブックオフなどの新古書店以外で本を購入したことがないと思います。古書店には貴重だったり、絶版でもう手に入らない文化的価値の高い本などがたくさんあり、文化のバントリレーを行なっているという側面があります。2000年代の本ですらもう出版社に在庫がなく、高い評価を受けたものですら手に入らないという実情があります。そんな実情がある中で、古書店というのは多くの本を紙クズとして終わらせるのではなく、文化財として保存・継承していくという役割を担っています。

そのような文化継承活動をしていて、オンラインストアで購入できる古書店を紹介していきます。

magnif(マグニフ)

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ヴィンテージ雑誌なら日本一の品揃え。本当なら店舗にいって分類された棚からディグるのが楽しいけど、オンラインストアでも表紙を見るだけで楽しい。雑誌は、時代を映し出す鏡といわれると通り、載っているタレント、広告、ファッション、記事にまでその時代が反映されているし、スタッフリストを眺めると今では大御所のあの人の若かりし頃や女優で活躍しているあの人が読者モデルだった頃と、時代の変化を知ることができます。
書籍は普遍の価値を提供するものだけど、雑誌は変化していく価値を提供しているということをマグニフから学ぶことができる。

個人的に気になった商品:MR ミスターハイファッション 105

magnif(マグニフ)
住所:東京都千代田区神田神保町1-17
営業時間:11:00~19:00
定休日:不定休(当面の間、休店 |4/15時点)
Tel:03-5280-5911
オンラインストア:https://www.magnifonline.net
公式サイト:http://www.magnif.jp/index.htm

小宮山書店

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現代アートと写真の古書だったら小宮山書店。圧倒的な品揃えと取扱商品の貴重さだったら神保町一かもしれない。古書だけに止まらず、キースへリングやウォーホルなどの現代アート作品、横尾忠則や田中一光などのグラフィックデザイナーデザインのポスター、細江英公や森山大道らのフォトプリントなど多岐に渡って販売している。
最近では、社長の娘さんがアパレル販売をしていた影響か、ファッション雑誌の販売も強化していて、実店舗の1Fが丸々雑誌コーナーになっている。


貴重な古書を扱っているので、なかなか手の出しにくい価格帯が多いけどオンラインストアを見ているだけでも、こんな本があったんだと学びになる。

個人的に気になった商品: COMME des GARÇONS Six (sixth sense) Number1-8 全冊揃

小宮山書店
住所: 東京都千代田区神田神保町1-7
営業時間: 平日 11:00~18:30、日祝 11:00~17:30
定休日:なし ※年末年始を除く(5月6日まで臨時休業 |4/15時点)
Tel::03-3291-0495
オンラインストア:www.book-komiyama

東塔堂

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アート、写真、デザイン、建築関連が強い書店。幅広くバランスよく取り扱っている。実店舗の空気感がよく、店主の大和田さんの目利きの古書は意外な発見があり行くたびにあれもこれもと欲しくなる。
また、オンラインストアも充実していて、これだけの書籍を常時オンラインにわかりやすくあげている古書店も珍しいと思う。
クリエイターにもファンの多い書店で、ポール・スミスは来日するたびに東塔堂へ来店している。「ここに来ると、何も買わずに帰ることがありません。」と言わすほど東塔堂のファンを公言している。ポール・スミスが四つの都市を紹介する動画「Postcards from」の東京篇でも紹介されているのでぜひ。

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個人的に気になった商品:otl aicher: typographie

Totodo 東塔堂
住所:東京都渋谷区鶯谷町5-7 第2ヴィラ青山1F
営業時間:12:00-20:00 
定休日:日曜(しばらくの間、臨時閉店|4/15時点)
Tel:03-3770-7387
オンラインストア:https://totodo.jp/

flotsam books(フロットサムブックス)

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写真系の書籍を買うならここ!古書だけじゃなくて洋書の新刊や洋雑誌、フォトグラファーのZINEなども扱っている。
もともとは、オンラインストアを主にしていたから細かいカテゴライズや説明、スペックなどは他の古書店以上にしっかりしている。
新刊の洋書の写真集は、他の洋書店よりお手頃な価格帯が多いし、古書もフォトグラファーやクリエイターの買取が多いからか面白い掘り出し物がたくさんある。
店主の小林さんの書くブログやSNSの文章からも店主の個性がしっかり出ていて、こちらもお店の魅力のひとつ。
文章からは怖そうな雰囲気を抱くけど、実際にお店に行くと気さくにフォトグラファーや本のレコメンドをしてくれて、文章とのギャップにやられます(笑)

noteの本を買ってる人に本を買うことや本をコレクションすることの楽しみを語ってもらうflotsambooksのインタビュー記事「book-go-around」も本の魅力が伝わってくるし、フイナムで小林さんが書いているブログも最高です。

個人的に気になった商品:STEPHEN GILL: COMING UP FOR AIR

flotsam books(フロットサムブックス)
住所:東京都杉並区和泉1-10-7
営業時間:不規則(Instagram、Twitterを確認)
定休日:不定休(Instagram、Twitterを確認)
オンラインストア:https://www.flotsambooks.com/


ATELIER

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デザイン、写真集、美術書関連を中心に取扱うオンライン古書店。和書、洋書問わず様々な本があり、オンライン専門の古書店ならではの幅広いラインナップ。しかも、良心的な価格な商品が多い。
もともと古書店に勤め、古書組合に加入しているため新着商品も多いから定期的にチェックすると気になっていたものが入荷するかも。

個人的に気になった商品:和田誠 装幀の本

日本の古書店

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全国古書籍商組合連合会という日本の古書店の多くが加入する組織が運営している古書店の通販サイト。日本各地の約900店の古書店が出店、在庫は約600万冊ある。
日本全国の古書店が参加しているため、様々な古書を見つけることができる。Amazonの古書に掲載されていないものや掘り出し物があり、探している本があるのならまずここで検索してみるといい。

古書店を活用しよう

今回、紹介した書店以外にもたくさんのいい古書店が東京にはあります。
今後も、新刊とは違った本との出逢いを無くさないためにも、文化の継承を今後数十年と続けて行くためにも、もし興味があったり、欲しい本があったら古書店から購入していただきたいです。
もちろん、新刊書店で買えるものは古書店じゃなくて、普通の書店で購入してください!ちゃんと出版社、著者にお金が入ります。

紹介しなかった古書店

百年(オールジャンル幅広い品揃え)
nostos books(デザイン事務所が経営/ デザイン系強い)
南洋堂(建築、インテリアの古書ならここ!)
夏目書房 / ボヘミアンズ・ギルド(アートから文学まで幅広い)
クラリスブックス(サブカルやアートなど。掘り出し物多い)
古書ビビビ(サブカル!下北っぽい古書店)
SO BOOKS(写真系が強い)




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