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Kelvinの仕(私)事記(四)|展示会の活用方法まとめ〜

皆様、こんにちは!日中越境ビジネスの架け橋_Kelvinです。
前節には、自分のキャリア人生について、諸々得た教訓を取りまとめてみました。本節から、それぞれの仕事経験について、細かく紹介していきます。日本市場にせよ、中国進出にせよ、何かヒントを与えられたら幸いです。

スケジュールの選定

まず、事業責任者若しくはブランド商品の販売責任者からの立場ですと、毎年の販促プランを立てておく事が新年度最初の仕事です。商品を制作するメーカーであれ、商品を販売する小売店であれ、そこは同じタイミングで動き出すはずです。

そうすると、年間販促プランを定めないといけません。詳細につき、下記のように販促カレンダーを作成しておくとよりわかりやすいし、自社製品のターゲットユーザーや特徴に合わせて、どの製品に注力すべきか、どのタイミングで販促にかけて行くかも見えてくるはずです。

年間販促用のカレンダーを作成しておくとより明確に

一般的に、年末年始は年末商戦、年始の新年福袋、夏場はお中元などのセールが一緒に重なり、それぞれの時期には販売セールや、その後の棚卸しも対応しなければ行けないため、買い手側企業のバイヤーがとても忙しい時期です。

特に新年度の販売に向けての販売計画や、商品仕入れ予算を決める際にも、日本の場合は展示会をうまく活用する企業様がまだ大勢おられると思います。

では、どの展示会を活用したらいいかという疑問を抱える方もいらっしゃるかと存じます。下記のリンクから日本全国の年間展示会開催スケジュールとJETROが取りまとめた全世界の開催スケジュールをそれぞれシェアしておきます。そこから自社商材とマッチしやすいカテゴリーでまず選出してみてください。

出展効果を高めるためのポイント

1.出展目的を明確にする

展示会に慣れている企業様がよく見逃すことになりがちのところになるかもしれませんが、出展すること自体をゴールにする企業様が意外に多い。現在、ネット社会や企業のDx化(デジタルトランスフォーメーション)がどんどん発展するに伴い、情報を得る手段が結構豊富になってきています。従来のように、展示会に出展すれば、直接商談の機会をキャッチし、そのまま直取引まで繋がるケースが今の時代ではなかなか取得することが容易くありません。

つきましては、出展する目的をより明確にすることが出展成果に繋がる最も需要なステップと言っても過言ではございません。展示会の出展は大勢の方と出会えるチャンスですので、その中でもちろん直接取引に繋がるケースもあれば、今後協業関係でビジネスパートナーとして新規事業の展開もできるかもしれません。それらの結果を営業活動とうまく連動し、新規顧客を獲得するという具体的なアクションで成果を上げ、最終収益をあげることが目的としてうまく行動してみてください。

2.事前準備は成功の7割を握る

展示会出展は、戦略的に取り組めば大きな成果をあげることが期待できます。そのためには、何よりも周到な準備が大切です。準備の「質」 が結果を大きく左右します。

マーケティングミックス戦略で出展準備を十分にしておく必要があります。
①出展する製品や技術を決める(Product)
②自社製品の価値や競合他社との差別化ポイントを強調(Promotion)
③ターゲット市場や自社製品のポジショニング(Place)
④どう価格設定をしていくか(Price)

それと合わせて、マーケティングの観点で自社製品のSTP戦略と競合分析の一環として、3C分析、SWOT分析なども事前の準備段階で明らかにする必要がございます。

全体の戦略設計が必要
顧客に対し、自社と競合はどうやって差別化をつけるかもポイントになる3C分析

出展する製品やその周りの戦略が決まったら、その次は来場ターゲット顧客にどう訴えかけ、足を止めて見ていただけるかがポイントになります。展示ブースの装飾でアピールポイントの強調、展示パネルで商品特徴の説明、ノベルティの配布、スクリーンで商品PRの動画を上映するなど様々な手法で多くの方から注目を集め、営業活動に繋がる工夫をしておく必要がございます。詳細の準備物に関しては、下記のようにご参照して見てください。

・会社案内
・商品カタログ
・展示パネル
・販促用チラシ
・商品&ブランドPR動画
・ノベルティ販促品(ノート、トートバックなど)
・商談資料
・ヒヤリングシート(有効な営業活動を後フォローするため)
・受注管理シート
・アンケート
・日別ブース訪問リストの作成

3.事前集客を積極的に行う

①事前に案内状やDMを送付。
展示会の目的が定まった段階で、そのテーマについて興味を持ちそうな顧客の絞り込みを行い、DM(案内状)やメールの送付といったアプローチを事前に行うとより効果的です。今まで取引若しくは自社製品を検討された見込み客にリーチし、展示会内容と配布チラシを案内状と一緒に送付することで出展の告知をお知らせしましょう。

②Web上で最大限露出
自社でWEBサイトやブログなどのオウンドメディアを提供している場合、事前にバナーを作成し、展示会の数ヵ月前から自社サイトに掲載するなどして、展示会への出展をアピールします。

自社でTwitter、FacebookなどのSNSを開設している場合は、SNSでも告知を行いましょう。SNSから展示会・自社サイトのリンクを貼り、そこで詳細な情報をみられるようにしておくことで、既存顧客からリンクをシェアし拡散するチャンスも得られます。シェアされたリンクから見込み顧客の獲得につながる可能性もあるため、自社サイトやSNSなどもなるべく活用できるようにしましょう。 

また、展示会に関する特設サイトの用意が可能であれば、より自社の出展内容、商品特徴などの強みをアピールすることができます。さらに、サイト内にイベントタグを埋め込むことによってサイト訪問者のアクセス行動を追跡し、展示会出展を知らせるWEB広告の配信なども運営できます。

4.ブースデザインや装飾にこだわる

前にも述べたように、出展効果を高めるためには、いかに来場者に足を止めてもらう工夫がかなり重要です。

どのようなブースにするかは、展示会での効果的な集客の成功に繋がる重要なポイントです。展示会への出展はブランディングの効果もあります。ブースデザインではコーポレートカラーからコンセプトまで一貫したブランドイメージを構築しましょう。

出展の度に毎回ブースのデザインが変わってしまうと、自社を認知している顧客に誤認される可能性があるため、デザインにはなるべく一貫性を保つようにすることが大事なポイントです。

また、遠くからでも見やすい大きさで、通路を歩く来場者の目に入りやすい位置を考慮しながら、顧客目線でわかりやすいキャッチフレーズを設置しましょう。多くのブースを目にする来場者が足を止めてくれるように、その製品やサービスの特徴は何か、顧客が受けられるメリットは何か、ひと目で伝わることが重要です。

気軽に立ち寄りやすいブースにする事も大切です。中に入らなければ詳細がわからないブースでは、自社の製品やサービスに興味がある来場者も入りにくいものです。外からでもブース内が見渡せる状態で、更にブース内の展示品に来場者が自ら触れてみたくなる工夫や、デモンストレーション等を実施し、来場者が立ち寄りやすいようにしましょう。

また、ブースの位置に関して、出入り口に近い所は人通りが多いため、来場者の目に留まりやすいです。こうした場所を確保できれば良いものの、確保できない場合は、配布物や事前の来場告知を積極的に行うようにしましょう。

出展成果を測定する指標

さてと、展示会はただ単に出展して終わりのではなく、出展効果を測定するためにも、下記の指標のように、成功の成否について測定をかけ、継続的に出展するかしないかの経営判断に直結します。

①商談件数
②リード客数(名刺枚数)
③受注数
④LTV(Life Time Value:顧客の生涯価値)

1.商談件数

展示会会期中に、大勢の企業様が商品の仕入れ、情報収集のため、わざわざ足を運んで展示会に訪れます。ただし、いろんな企業と出会えるといえども、ただ情報収集という段階で止まるのか、確かに商品を購入してくれそうなのか、顧客の需要を明らかにしておく必要がございます。そういう意味では、受注の前段階である商談件数はリード獲得とともに展示会の成果を測る最も重要な指標の一つです。ただ、どこまで商談という扱いにするかをあらかじめ定めておいた方が大切です。

2.リード獲得数

リード獲得数、いわゆる展示会会期の最中、ブースまで立ち寄り、獲得された名刺枚数のことを指しています。名刺の枚数が集まれば集まるほど、人員配属の不備によって会期中に直接商談まで繋がらなくても、会期終わった後に直接アプローチを掛け、営業活動のリソースとして、商談や受注まで繋がる可能性が十分考えられます。ただ、注意すべきなのが、リード獲得数の質になります。大勢の企業様が展示会に訪れるので、競合調査なのか、ただ配布されているノベルティに興味をあって、名刺だけを渡すかという人も現れます。つきましては、アンケートを用意し、本当に有効なリード獲得になるかを仕分けするためにもかなり重要なポイントとなります。

3.受注数&受注額

受注数は最も分かりやすい成果の指標だといえます。したがって、その場で売れそうな商材であれば、受注数を指標にするのも有効です。ただし、単価が異なる商材が沢山混在してしまうと受注数だけでは成果を正しく追えないため、受注額で測るようにしましょう。最終的に、展示会全体で掛ける予算と合わせてROI(費用対効果)で倍率を計算し、出展効果を測りましょう。

4.顧客生涯価値

LTV(Life Time Value:ライフタイムバリュー)とは、「顧客生涯価値」と訳される指標で、ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間に、自社にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表した数値です。BtoBの場合、一般的に商材が受注するまで何年もかかることが珍しくありません。展示会の場合は、しばらくして受注が取れていないお客様も今回新商品発表とのことで、新たに商品を仕入れたいとの希望も出てくるかもしれません。ですので短期的な利益だけではなく、継続的に受注しているのかなど長いスパンで顧客の生涯価値を検討すべき重要な指標となります。

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