不登校からの卒業（７）

２）不安期

不満期のお母様は、本当に行って欲しくて、イラ立ち、子どもを何とか学校に行かせようとしてしまうこともありますが、行けないことも多く、段々、学校に行けない日が多くなってきて、お母様が焦ってしまいます。

そして、ついには、全く行かなくなってしまうのが、この不安期です。

この時に、お母様は猛烈な不安に襲われます。

このまま動けなかったらどうしよう
次の学校に行けなかったらどうしよう
引きこもったままになったら、どうしたらいいんだろう

と、まだ起こってもいないのですが、猛烈な不安感に苛まれることになります。
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　
ここで初めてお父様が、何としても学校に行かせないと、と動こうとします。
　　　　　　　　　　
　　　　　　　
これはお母様の不満期とは少し違うのですが、社会に出るということが何としても必要だし、そんな弱いことではダメだ、と力づくで動かそうとする方も出てきます。

お母様は日頃からお子さんとは、何とかわずかながら意思疎通を図っていますから、お子さんが行けないこともわかっているので、お父様が今、無理に行かせようとすることを止めようとして、お父様とぶつかることも多々あります。
　　　　　　　　　
子どもにあまり強く言えないのにも関わらず、動かせようとする気持ちは強くて、お母様に強く当たるようになってしまうお父様もいます。

お母様が不安になっているところに、お父様から行かせろ！と強く当られると、もうお母様はどうしていいかわからず、気持ちが極端に落ち込んでしまいます。
　　　　　　　　　
どちらにしても、お父様の対応と、お子さんのことでの不安だけで、お母様は、心がはち切れそうになっているのですが、誰にも相談できず、一人で悶々と悩んでしまう時期なのです。
　　　　　　　　　

ここであまりにも辛いので、お母様のご両親、ようするにお子さんから見たら、ご実家のおじいちゃん、おばあちゃんに愚痴を言ってしまうことがあるのです。
　　　　　　　　　
本当にお母様の気持ちを聞いてくださる、わかってくださるとお母様が思える場合以外は、おすすめしないことなのです。　　　
　　　　　　
　　　　　　　　　　　　
多くの場合、お母様がご実家で愚痴を言ったり、相談されたりすることが、余計にお母様の心を苦しめるのです。もちろん、お父様のご両親は言うまでもありません。
　　　　
お父様、お母様、それぞれのご実家のご両親は、お孫さんが学校に行けないとなった時に、ものすごく心配をされるのです。孫が可愛ければなおさら心配です。
　　　　
　　　
心配でも、とりあえず、無理をさせず、ゆっくり家にいさせてやりなさい！とお母様におっしゃってくださるような場合は良いのですが、昔の方ですので、学校には行くことを当たり前に考えていて普通です。
　　　　　　
そうなると、辛く苦しいお母様に、何とか行かせた方がいいと、どうなった？行ったのか？と毎日のように連絡が来ることもしばしばなのです。
　　　
　　　　　　　
これがお父様のご両親ともなると、嫁・姑問題とも絡んで大変なことになることもあるのです。

お父様のご両親から「あなたの子育ての仕方が悪い」「孫が不憫だ」とひたすら罵られるようなことは、よくあることです。

子どもが完全に学校に行かなくなって日が経つと、家族の外側からのこういう圧力もものすごく増えてきます。

もう一つの問題である、当の学校の担任から連絡があると、さらに気持ちが沈んでしまいます。毎日の欠席連絡も気持ちが辛くなり、お母様の気持ちは一層落ち込んで行きます。

弊社でも「行ける時だけ連絡します。」と担任にお伝えしてくださいとお母様にはお願いしています。

そのくらい学校に連絡すること、学校から連絡があることは、お母様の心に重くのしかかるものなのです。

このような中で、お母様がどんどん不安になっていく、どうしたらいいのかわからない、と一人追い詰められた気持ちになっていかれることも多く、精神的なご負担から、体も心も疲れ切り、入院してしまうこともあるくらいです。

そうならないためには、学校のスクールカウンセラー、フリースクール等の民間団体などで相談したり、不登校の親の会に参加して、他のお母様のお話を聞いてみたりすることは、お母様が一人で悩んでしまうことを防ぐことができます。
　　　　　　
　　　　　
特に、不登校の親の会で、他のお母様のお話を聞かせていただくことは、自分だけではないんだという安心感を持つことができます。

お子さんが動き出している様子を聞くことができたり、元気になったお母様に不安な思いを聞いていただいたり、具体的な相談をすることで、お子さんの将来についての心配が和らぐことも多いので、親の会に参加することは、お母様が安心できることだと思います。

とても自分のことは話せないという方には、オンラインでされている親の会に顔出しせずに参加するとか、SNSのclubhouseで毎朝8時からやっている「明るい不登校」という不登校の親の会の音声を聞くだけでも、少し心が軽くなると思います。

録音もされていて、参加せずに後から聞くこともできます。他のお母様のお話を音声で聞くだけでも、ずいぶん安心できるものです。

ぜひ、一人で悩まず、この不安期を乗り越えていただきたいと思います。　　　　　　
　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　
　　　　
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