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不登校からの卒業(4)

ご家族が元気になる過程を考える

不登校になっているお子さんが元気になっていく過程は、書籍やネットの記事でたくさん出ています。どれもすごく当てはまると思うので、とても参考になると思います。

知っておいていただくだけで、ご家族も安心できるだけでなく、そのご家族の安心が、また、お子さんが安心して元気になっていかれる原動力にもなりますので、ぜひ、検索してみて自分がしっくりくるものを探してみてください。

さて、お子さんが変化していくときに、必ずご家族も、気持ちも行動も変化をしていかれます。どのように変化していかれるのか、これまでの私の経験からお話していきたいと思います。

お子さんが不登校から元気になっていかれる時に、ご家族はだいたい、5段階くらい、気持ちや行動が変化していかれます。

それを私は次のように呼ぶことにしています。

1)不満期
2)不安期
3)混乱期
4)充実期
5)解放期

呼び方、名前、などは重要ではありません。ご家族がどんな状態なのか、どのようになっていかれるのか、という中身が大切です。
また、これは必ず当てはまるかというと、違う場合ももちろんあります。

ですが、お子さんの変化にあわせて、ご家族はこのように変わっていかれることが多かったという、私の経験からのことだとご理解ください。

1)不満期
お子さんの行きしぶりが始まり、学校に行ったり行かなかったりすることが多い、不登校の初期の頃のことです。

この時は、このままでは完全に不登校になってしまうので、「なんとか行ってほしい」「行くなら朝からしっかり行ってほしい」「行ったり行かなかったりするのが困る」「なんで行きたくないのか理由がわからない」など、ご家族は「何とか学校に行ってほしい」と、まだまだ学校に行かないことで、不満でいっぱいな時期です。

2)不安期
不安期は、不満期を過ぎ、お子さんが徐々に行かない日が増えてきて、ついに、行けなくなってしまった頃のことです。

とうとう動けなくなり、「このままずっと動かないのかな」「昼夜逆転し始めて、いったいどうなるのだろう?」「高校どうするんだろう」とご家族は不安で不安でたまらない心境になっていく時期です。

3)混乱期
お子さんが完全に不登校になってから、少し時間が経ち、不登校の状態で『落ち着いている頃』です。この頃、お子さんは「学校に行かないといけない」「でも、どうやっても行けない」と不安期よりもさらに強く悩み、自室で引きこもっている頃でもあります。

この頃になると、「本当に無理して学校に行かなくてもいい」「でも、このまま行かないのは絶対に良くない」とお子さんと同様に激しく悩む時期です。

「無理をして学校に行くくらいなら、他の方法だってあるはず」と学校以外のところに相談に行かれたり、次の進路について、ご家族が調べたりし始める時期でもあるのです。

4)充実期
お子さんの不登校になってからかなり時間が経ち、お子さん自身が、少し落ち着いてきて、動き出す準備を始める頃です。中には動き出すお子さんもいます。

この頃になると、お子さんの将来のことに不安を感じながらも、本気で「学校になんか行けなくてもいい!」とご家族が思えるようになってこられます。

そして、「不登校を経験したことで気がついたことがたくさんある。」「子どもには子どもの生き方があるのに、自分達の生き方を押し付けてきた。」とご家族が自らを反省しながら、しかも、子どもを心から応援しようと思い始める、そんな時期でもあります。

それでも、「外に出られるようになったんだから、学校に行けるかもしれない」「頑張って学校に行ったら、内申点をもらえて全日制高校に行けるかもしれない」と、つい思ってしまい、反省したり、でも学校に行けるならやはり行ってほしいと、子どもが少し動き出そうとしたり、動き出した結果、親の欲が再び出て、それに気がついて落ち込んだり反省したりすることもあります。

5)解放期
お子さんがフリースクールに通い始めたり、学校の別室登校を始めたりする頃です。子ども達が一大決心をして、単に親に言われて動いているのではなく、自分から動くことを決めて動いている頃です。

ご家族はやっと心からお子さんのことを応援できるようになっていく頃です。「この子にはこの子の生き方がある」そう思えることで、自分達が身につけてきたものとは違う価値観を持つお子さんを、ようやく受け入れることができるようになっていく時期でもあります。

ご家族自身が、自分の子どもの時を振り返り、自分が親から言われたことで嫌だったこと、させてもらえなかったことなどが思い出され、形は違うかもしれないけど、自分がされて嫌だったことを、親になった自分も子どもに押し付けてしまっていたと、我が身を振り返ることも多くなります。

子どもの「不登校」から解き放たれると同時に、自分達の生き方も深く見直していくことになる時期です。


このような5段階を多くのご家族が経ていかれました。

私は子ども達からも、すごく学ばせていただいたのですが、ご家族の心の変化からも、とても深く学ばせていただいてきました。だから、今があると思っています。

ご家族が自らを振り返っていかれる、そのことで、子ども達が心から安心して、さらに大きく変わり、前進していく姿は、本当に美しい親子愛そのものです。

ご家族も子ども達から学んでいただくことは、とても大切なことなのですが、もしも、少し先に、自ら学んでいただき、自らの生き方を振り返っていかれるだけでも、子ども達はもっと安心でき、動き出すきっかけにもなると思うのです。

次回から一つひとつの時期を、もう少し深く見ていきたいと思います。



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