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【48限目】劇遊びをしよう/一年生の国語の授業

2021.2.25

私たちの生活は、三密を避け、マスク着用、手洗い・うがいを励行し、ソーシャルディスタンスをとっての生活です。人と会って話す機会がいま少なくなっています。友達との電話やメールの中で「会いたいね。」と、いう言葉が、合言葉のようになっています。

電話で話して、つながっているようでも、会って話すのとは全然ちがいます。同じものを食べ、同じ匂いを嗅ぎ、五感で人を感じてこそ、会うという事だと思います。

視覚と聴覚を使って繋がっていても、会ったという事にはならないので、心の底から「会いたい。」という言葉が出てくるのだと思います。

学校でも、子どもたちが、自由にふれあい、向き合って安心しておしゃべりができる日が早く戻ってきてほしいです。

自由に話し合って、触れ合うことが出来ていた時の授業を紹介します。


一年生の国語/「おおきなかぶ」の劇

お話の中に、おじいさん、おばあさん、孫娘、いぬ、ねこ、ねずみが登場し、みんなが同じように演じるという構成になっています。

その役に合ったセリフを考え、登場人物が順番に出てきて、かぶを引っ張る列に加わっていくというお話なので、子どもにとっても分かりやすく、全員の動きやセリフがほぼ同じなので、短い時間で、みんな一緒に練習することが出来ます。

一緒に練習することで、伝えたいという気持ちや、自信を持って楽しく発表することが出来る作品です。


授業の進め方(指導計画 全7時間) 毎日の宿題に本読みを出す。

第1時(範読)

・範読します。(教材文を通読し、物語の内容を大きくつかむ。)
・子どもたちが会話文を全員で読み、それ以外を私が読みます。私と掛け合いながら読むので、子どもたちは、その掛け合いを楽しんでいました。
・登場人物について話し合う。(だれ・どんな人?)

第2時(グループでの役決め)

・音読をした後で、4つのグループに分け、役を決めます。(座席が4列あるのでそれを使いました。) 1号車~4号車
・6人が登場人物で、あとの1~2名はナレーターで、会話文以外を読みます。
・グループで話し合い、自分のやりたい役を話し合って決めます。あくまで子ども主体で取り組みます。全員が意見を言えるような話し合いになるように見守る。
・すんなりと役が決まるグループもあれば、やりたい役が重なることもあり、決まった役を変更したいと言い出す子もいます。主役はあくまで子どもたちですが、出来ないこともあるので、できるだけ話を聞く方に回り、子どもが自主的に動く力を信じて待ちます。時々アドバイスもいれていきます。

第3時(練習1)

・グループ毎に練習に入ります。
・役ごとにセリフを考えて付け足します。

例:
おじいさん「おいしいかぶに 育ってくれよ。」
     「いっぱい 水をやろう。」
     「なんて おおきなかぶだろう。」
     「ひとりでは だめだ よし おばあさんを呼んでこよう。」
おばあさん「まあ~まあ~ なんておおきなかぶでしょう。」
                               など

第4時(練習2)

・動作を入れて練習する。時間を決めて、前に出てきて練習します。
(そのほかのグループは机を合わせてセリフの練習をします。)
・練習中は、上手くいかないこともありますが、出来るだけ褒めるようにします。褒めることで、その子のいい所が引き出せることもあるし、上手く行けば自信にもつながります。

第5時(練習3)

・第4時に通し練習をして、直したところを練習し、頑張って気持ちをひとつにして、最後の仕上げをする。(グループ毎に、時間を決めて、演技をする順番に前に出て練習)
・演じてみて、直すところや、いい所を話し合う。

第6時(発表会)

・発表会
(机を廊下に出し、教室の前半分が舞台になり、後ろ半分が、グループごとの観客席になるようにする。)
・発表後、時間があれば、感想などをきき、次の国語の時間に、みんなの感想を聞くと予告しておきます。

第7時(振り返り)
・発表を終えて、頑張ったこと、劇をしてよかったこと、お話のよかったところ、お友達の頑張ったことなどをノートに書き、発表する。

・セリフがうまく言えた。
・ドキドキしたけど、さいごまでできてよかった。
・みんなで「うんとこしょ どっこいしょ」と、声をあわせるところがおもしろかった。
・いちばん力のよわいねずみが入って、かぶがぬけたのがおもしろかった。
・みんなが力をあわせてかぶがぬけたのがよかった。
・ねこがねずみをよんでくるところがおもしろかった。
・ともだちのがんばりを発表する子も多かったです。


など、たくさんの感想が出ました。

最後に、全員で音読して「おおきなかぶ」の授業を終わります。


授業の中で大切にしたこと

みんなで取り組む中で、ぶつかり合ったり、考えたり、感じたりしながら、学びますので、この経験を大切にしたいと思って、寄り添いました。

劇を通して、上手く発表出来たグループも、出来なかったグループもそれだけを評価するのではなく、劇をすることで、何を経験し、何を感じ、何を学んだかが大切です。

子どもたちなりのイメージを広げ、それをやり遂げた満足感を感じてくれたら嬉しいです。


私が準備したもの

・おおきなかぶ(直径1メートルほどの大きさ)
・おじさんの帽子
・おばあさんのエプロン
・孫娘のスカーフ
・いぬ、ねこ、ねずみの頭にかぶるお面(今は、コロナ禍なので、自分持ちで用意するのもいいですね。)

コロナが治まって、五感を刺激するようなこんな授業ができる日が戻ってくるのを待ちながら、数年前の授業を思い出して紹介しました。


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【編集担当より】
今回も引き続き、授業の内容についてのご紹介となります。母には、過去のことを思い出したり、新たに思いついたことなど、自由に記事にするように伝えています。授業やご家庭で少しでも参考になればいいなと考えております。

記事の中のかぶで思い出しましたが、一時期、やたらと実家でかぶがあったように思います。その手の謎のアイテムがよくありましたが、授業で使っていたんですね。

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