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給食事故から考える

2024.2.29

先日、しゃべりながら水を飲んでいたら、気管に水が入り、咳が止まらなくなり、息が出来ないぐらいつらく、その後もなかなか咳が止まらず苦しく、朝起きても喉の痛いのが治っていませんでした。本の少しの水が入っただけなのに、ひどい状態でした。

その2~3日後の26日の給食で、福岡県の小学1年生が、うずらの卵を喉に詰めて亡くなったということがおこりました。喉に詰めて、どんなに苦しかったかと思うと本当に悲しい出来事です。


どうして事故は起こったのだろう

私の場合は加齢によるものだと思いますが、小学1年生の原因を考えると、「うずらの卵は、園児などを対象に使用を避ける食材」になっています。でも年齢で判断するのではなく、これは1年生にも適応できると思います。

小学1年生生の子供たちは、歯の生え代わりの時期で、前歯の無い子もいます。そのためなかなかよく噛めなかったり、よくかむ習慣がなかったりして、前歯が無いとどうしても吸い込んでしまい、うずらの卵などはそのまま喉の奥にすっぽりはまり込んでしまうこともあると思います。

文部科学省では、子どもが詰まらせやすい食べ物として、ぶどうやトマトやさくらんぼなどを上げています。

また、日本小児科学会「食品による窒息」の中で、窒息を起こしやすい食品として、ぶどう、ミニトマト、さくらんぼ、ピーナッツ、球形の個装チーズ、うずらの卵、ソーセージ、こんにゃく、白玉団子、あめ、ラムネなど表面がつるっとしている食品。餅、ごはん、パン類のように粘着性が高く、唾液を吸収して飲み込みづらいもの。りんご、生のにんじん、水菜、イカなど硬くて飲み込みにくいものが挙げられています。


事故を防ぐために

うずらの卵などのような小さな食材は、子供たちにとって喉を詰まらせる可能性があると考え、学校給食のメニューを検討し、危険な食材を避けることが大切です。

私が以前、学校の校務分掌で保健主事をしていた時、市の各学校から栄養士の先生が集まって献立を検討する会議に出席したことがありました。

栄養士の方々は、献立や栄養やカロリーや食材や調理方法も考慮して話されていました。今思うと、そこで話し合った事は、担任の先生が知っておいたら良い、知っておくべきことを、学校へ帰って伝えることも大切だと思いました。


給食中の子どもの様子を見る

教師の給食の時間はとても忙しいです。

給食の時間になると、まず手洗いうがいをして、当番はマスク・白衣を着る。当番以外の子どもは手洗いうがいの後、席について待つという状況で、担任は給食当番と一緒に給食室へ行き、それぞれの係が食材を運びます。

1年生以外は2階、3階だったので、階段の持ち運びも声を掛けながら気を付けて教室まで運び、配膳が始まります。そして「いただきます。」です。

私は、皆の見える黒板の前で向かい合って食べます。お代わりする子もいますし、残ったものをジャンケンでゲットする子どももいます。その都度子どもの様子を見ながら対応していきます。

食べ終わるまでは様子を見ていますが、食べ終わった子どもが食器を返す時は、動く子もいるので、全員の様子を見ていない時もあります。

時には連絡帳の返事を書くために机に戻って子どもたち全員の食事が終わるまで、仕事をしている時もあります。今思えば、ものすごく忙しく危険な時間帯だったように思います。

果たして今回のような事故が起こったとき、私はどうしただろうと考えるとき、最良の方法で命を助けることが出来ただろうか、またその状況を見た周りにいた子どもたちの心のケアはどうしたらいいのか、保護者に対してもどう説明したらいいのだろうかと悩んでしまうと思います。

どこのクラスも給食の時間は忙しくバタバタしています。そんな時今回のような一刻を争う命にかかわる事が起こった時、学校や教師はどう対応したらよいのかを共通理解する必要があると思います。

教師一人で40人近い子どもたちの給食を任されるということは、安心で安全な学校生活を保障できないと思います。働き方改革ともつながりますが、この時間にサポートしてくださる方がいればいいのにと思います。

1年生を担任した時に、支援学級の子どもに付き添ってくださっていた先生が、その子だけを見るのではなく、給食を取りに行っている私のいない時間帯等に他の子供たちも見てくださり、配膳の時も手伝って下さり、とても安心で心強かったのを覚えています。

学校生活の安心・安全のためにも、給食を手伝ってくださる方やその時間に校内を見回って下さる方がおられたら、どんなに心強いかと思います。

早期発見にもつながりますし、事故が起こったときも手分けして、保健室の先生を呼びに行ったり職員室に連絡したりして助けを求めることまで来ます。救急車も1秒でも早く呼べるかと思います。


マニュアルを作る

どこの学校でも安心で安全な学校生活を送るために色々な対策と訓練をしています。
・地震、火事が起こったときのマニュアルと避難訓練
・不審者防止・侵入時の危機管理マニュアルと訓練
・異物混入時のマニュアルと訓練
・アナフィラキシーの症状が出た時の対処法
など、学校内で子どもを守る訓練や対処の話し合いを毎年していますが、今回のような給食での事故においても共通理解と対処方法のマニュアルを話し合って即時対応が出来るようにしておくことが必要だと痛感しました。

喉に食べ物が詰まったとき

詰まったときは、手を口に運んだりとか、立ち上がったりとか、吐くような動作とか、顔が青ざめるとかなどの行動が見られます。周囲の大人はそういう状況を察知することが必要です。

調べたところ、のどに詰めてしまった時の処置として、「ハイムリック法」と呼ばれる処置がありました。握りこぶしにした片方の手を、対象者のへそとみぞおちの間にあてて瞬時に、斜め上に引きあげることで詰まったものを吐き出させる方法です。

対象者が1歳未満の乳児の場合、片手で乳児の体を支え、手のひらで乳児の顎をしっかり支えながら、肩甲骨の間あたりをもう一方の手のひらの付け根で強くたたいて吐き出させる「背部叩打法」があります。

食事の時の注意
・水分をとって喉を潤してからたべる。
・口にたくさん詰め込まない
・よく噛んで食べる
・食べることに集中する
・口の中に食べ物がある時はしゃべらない
・仰向けに寝た状態や、歩きながら、遊びながら、食べない


学校外での喉つまりにも注意

学校での発生以上に家庭での児童、高齢者の咽つめ事故が発生していますので児童の保護者だけが注意するのでなく、私たちのようにだんだん年をとっていく者も、注意する必要があります。

喉つめは窒息による直接的な死因だけでなく、それ以上に喉つまりが癖になり、徐々に肺に微小異物が蓄積して炎症を起こして誤嚥性肺炎などを引き起こすケースが多々ありますので、このことを肝に銘じて、食事の時の調理方法や食べ方の注意を守って生活しようと改めて思いました。

参考:文部科学省発

文部科学省は、2024年2月27日、各都道府県の教育委員会などに事務連絡「学校給食における窒息事故の防止について」を発出した。対処法などを改めて周知し、窒息防止に向けて指導徹底を呼びかけている。・・・

未然防止のポイントとしては、食べやすい大きさにして、よく噛むことの他、早食いの危険性を指導する。給食時に教員らが注意深く、児童生徒の様子を観察する。咀嚼(そしゃく)・嚥下能力が弱く、個別の対応が必要な場合は、全教員の間で共通理解を図る。特別な支援を要する児童生徒には、必ず、教職員が付き添うこと等が考えられる。

事故発生時は、すぐに他の教職員を呼び、119番通報を依頼。救急隊が到着するまで、「背部叩打法」「腹部突き上げ法」などで、詰まったものの除去を試みるように明示している。

私がnoteを書いているので夫が夕食を作ってくれました


【今週のけい先生】*担当:夫(父)

けい先生はよく喉を詰まらせるので、福岡の小学生が命を落としたことがショックの様子で、詰まった時はどうしたら良いかとか、詰まらないようにするためにはどんなことに気をつけたらいいかを調べていました。

私(夫)も頻度は低いですが他の事にかまけて食べることに注意が散漫になり、咽たりすることがあります。

加齢に伴い怪我や事故につながるヒヤット・ハットすることが増えてきていますので、夫婦で相互にチェックしあいながら生活しようと改めて気を引き締めました。


【編集担当より】
どんな業界でも、事故が起こるものですが、事前に事故が起こらないように心がけていることかと思います。特に、お子様や命を預かる業界では、ヒヤリ・ハットの研修などもたくさんされていることかと思います。

AIなど新たな技術が普及していく中では、想定していないリスクや自己が起こります。今後、様々な取り決めや国際的なルールなども決まっていくのかもしれません。

特に情報化社会においては、個人情報の持つ価値が、年々高まっています。個人情報を保護する動きも活発です。

マーケティング領域においては、サードパーティークッキーの無効化により、大きくデジタルマーケティングの手法が変わると言われています。また、最近のニュースでは、NewsPicksの新聞社など報道機関の写真の利用に関して話題になっていました。


AIが普及する中で、業務の質や生活の質が上がることが期待されますが、ヒューマンエラーをいかに防ぐか、より公平なルールの下で物事が判断されるかなど、社会がよりよいものになっていくことを願います。

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