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一年生の国語授業 特殊音節 拗音(ねじれた音節)「ちいさい ゃ ゅ ょ」

2021.6.10【63限目】

特殊音節についてのお話は今回で終わりです。

一年生の一学期に学習する教材としては難しい単元ですが、ここをしっかり学んで理解していないと、次のステップでつまずきが多くなります。ですからしっかり、ていねいに分るように指導していくことが、大切です。


拗音について

拗音はねじれた音節です。どのようにできたかを考えると、

「か」を伸ばすと「あ」になります。
「き」を伸ばすと「い」になります。

このように、長く伸ばして発音した時、おかあさんの音(母音)にまっすぐ進んでいきます。ところが、「キャ」という音は「い」にはならないで、きゅうに「あ」のほうにねじれます。

「き」と、言いながら、きゅうに口を開いて「あ」と、発音したら「キャ」と、言う音になります。「き」から出発して、まっすぐ「い」にいかないで、きゅうに「あ」のほうにねじれます。それで、ねじれた音節と言います。

「き」から「う」にねじれると「キュ」になり、「き」から「お」にねじれると「キョ」になります。

 「う」段のねじれた音は単独で用いることはきわめて少なく、拗長音として使用する場合が多いです。(きゅうり・ちきゅう・かいじゅう など)


拗音の指導

拗音・拗長音・拗促音の書き方や音節の対応を理解して、読んだり書いたりすることが出来るように指導します。

教科書では、「いしや」「いしゃ」の違いを見つけることから始めます。
(東京書籍 あたらしい こくご 一 上)

・「や」と「ゃ」の文字の大きさが違う事。
・石を売る店と病気を治す人で意味が違う事。
・文字で書くとすごく似ている。(拗音で言葉の意味が変わるものがあることを気づかせます。)

「いしや」は3音節で3文字
「いしゃ」は2音節で3文字 「し」と「や」が合わさって「しゃ」になり1音節になります。

その他に、「おもちや」「おもちゃ」・「びよういん」「びょういん」なども例に出して確かめます。

小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」のある言葉を子どもたちが考え発表しそれを板書し、みんなで読みます。

教科書の文には拗音・拗長音・拗促音が出てきます。

「ちいさい ゃ ゅ ょ」
  かいじゅう     ・・・拗長音
  ひゃっぴき     ・・・拗促音
  ちきゅうの     ・・・拗長音
 うえで
  ちゅうがえり    ・・・拗長音


ちいさい「ゃ」「ゅ」「ょ」の言葉を集めよう

子どもたちから出たちいさい「ゃ」「ゅ」「ょ」のついている言葉を板書します。

例: しゃしん(拗音)・きゅうり(拗長音)・しょっき(拗長音)

ちいさい「ゃ」「ゅ」「ょ」の書く場所の説明をする。場所は縦書きも横書きも、ちいさい「っ」促音と同じ場所であることを確認し、ノートに写し覚えます。【61限目】参考

細かい部分を意識して文字を練習することは、全体をきれいに書くことにつながり、正確に写すことを意識することによって力がついていきます。


まとめとして、ちいさい「ゃ」「ゅ」「ょ」のある言葉を使って文を作ります。

・おもちゃやさんでこまをかいました。
・じてんしゃにのりました。 
・じゃんけんでかちました。
・ぎゅうにゅうをのみました。
・びょういんにいきました。
・としょかんにいきました。  など


拗長音について

〇 「い」段は拗音になる
   きゃ  きゅ  きょ
   しゃ  しゅ  しょ
   ちゃ  ちゅ  ちょ   など

〇拗音にするには「い」段を言いかけて、続いて「あ」や「う」や「お」を発音する。
 きゃ  きゅ  きょ。

〇「あ」段の拗音を長音にするには「あ」をそえる。「きゃあ」
 「う」段の拗音を長音にするには「う」をそえる。「きゅう」
 「お」段の拗音を長音にするには「う」をそえる。「きょう」 
になります。

例: きゅうり・りょうり・ちゃあはん・ちゅういんがむ・しょうてんがい・びょうき・にゅういん・ぎゅうにゅうぎょうれつ   など

6月に入ると特殊音節の単元があります。一年生でていねいに指導することで、その後の国語教育にとって、つまずきを少なくするためにも大切な事です。

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【編集担当より】
特殊音節の3部作も今回が最後となるようです。
記事を読んで、普段つかっている言葉も、小学校の頃にこういう風に教わって読み書きを覚え、国語の力を培ってきたのだなと思いました。

いまは当たり前に使っているので、そう書くのが当たり前としか思わないですが、これをたくさんの子供に理解させるというのは、なかなかタフなことだなと感じました。国語教育というのは、専門的に見ていくと、奥が深いものなのかなと、素人考えで思います。

どんなことでも、当たり前に快適に使っていることには、先人や作り上げた方々の創意工夫や知識が詰まっているのではないかと考え、いろんな視点で、子供のようにみてみると面白いかもしれません。

とりあえずは、そうするのが当たり前だと思っていることから、なんでそう思うのか考えてみようかと思います。(記事が固いので、ふわっとした文章になりました笑)

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