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【後編】企業から見た「株」のあれこれ

前編では「株式会社」「株の売買の仕組み」について書きました。
そんな前編はこちらから!

そして本日は「株価と時価総額」「株を保有するメリット」「株式の発券方法」について書きたいと思います。

【再掲】株売買の流れを表した図がこちらです。

アートボード 1

株価とは何か

「株価下落」といったニュースを見かけるが、これらは実際に何を表しているのだろうか。

一株当たりの値段のことを「株価」と呼ぶわけだが、この値段はスーパーに売られている食品と同じように需要と供給の関係で決まる。正確に言うと、需要と供給による株価の決まり方は2種類ある。

一つ目は「成り行き注文」と言い、買値は相場の成り行きによって変わる。人気のものは株価が高くつき、逆に人気でないものは株価が低くつく。

「株を買いたい」ということは、将来的にその企業が成長し、リターンが発生するのを期待して買う。人気な企業とは、その企業が成長する期待を持つ人が多く、その分みんなが株式を通して出資する。

すなわち、それらの相場は会社の人気度によって変動し、会社の業績や経済的要因、環境的要因、政治的要因、あるいは投資家の動きなど様々な要因によって変動する。このように、買いたい人がいれば売ることができる「成り行き注文」が一般的な購入の仕方だ。

二つ目は「指値注文」と言うものがある。これは売り手と買い手がそれぞれ具体的な株価を決め、成立すれば取引が行われる方法だ。また、指値注文は有効期間が存在し、その期間までに成立しないと失効となる。相場よりも高く株価がつく可能性はあるが、成立しないと株価が下がり続ける可能性があるので注意が必要だ。

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よって「株価下落」と言っても、様々な要因が背景にある。今回の新型コロナウイルスの影響でも、経済的要因や環境的要因、政治的要因など様々な要因が関係している。

また、よくニュースで出てくる「日経平均株価」とは何か。日経平均とは日本の株式市場を代表する225銘柄をもとに算出される株価指数だ。対象銘柄は日本経済新聞社が選定し、年に一回の見直しを行っており、それらは影響力のある企業である。つまり、日本経済を大きく支えている企業の株価でもあるので、日本経済の動向が分かる。

時価総額とは何か

次に「時価総額」についてだ。「時価総額ランキング〇〇位」といったニュースもよく見かけるが、あの数値は何を表しているのだろうか。

時価総額とは「株価×発行済み株式数」で計算される。つまり株価によって変動するため、期待値が高く、人気のある企業ほど株価は上がり、時価総額が上がる。すなわち、時価総額とは企業価値を表している

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例え時価総額を上げたいからと言って、株式の発行数を上げても、1株あたりの株式の価値は下がるため、株価は落ちる。

現在の日本国内の時価総額ランキングは以下のようになっている

また、世界的に日本企業の時価総額は平成30年間でかなり低くなっている。つまり、世界から見て日本の企業価値はこの30年間で低く見られるようになった、と言うことだ。

株を保有するメリット

株を買うメリットは大きく分けて3つある。
・株式の売却益が発生する可能性がある
・配当金や株主優待がもらえる
・企業の経営に参加できる

最初の2つは一般的に知られているので、今回は会社経営に関わってくる3つ目の項目について説明する。

株式を持っている株主は企業の経営に参加できる、つまり株式会社の重要な意思決定に参加する権利を持ち、これを議決権という。この議決権を持った株主は、株式会社が開催する株主総会での決議に参加して票を入れることができる。

株主総会において、株式会社がある事案を提示し、それについて議決権を持った株主は賛成、反対の票を入れるが、これは一人一票というわけでなく、株の保有数に応じて変わる

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また、議決権以外にも保有率によって様々な権利を持つことができる。これらはすべて会社法によって決められている。

・持ち株比率が3分の1超え:株主総会の特別決議を単独で否決する権限
・持ち株比率が2分の1超え:株主総会の普通決議を単独で可決する権限
・持ち株比率が3分の2超え:株主総会の特別決議を単独で可決する権限

つまり、株の保有数が多い人ほど、その会社に対する意思を反映させることが出来る

また、持ち株比率を3分の2以上所有している株主は株主総会のあらゆる決議を可決する権限を持つので、実質的に会社を支配することができる。これを「支配権」という。

なので、株式会社の代表取締役なんかは自社株を購入し、自分にある程度の支配権を確保しているケースが多い。当然ながら、株を発行し過ぎて、自分の株の保有率がどんどん減っていくと、支配権を奪われ、会社が乗っ取られてしまう。

まとめ

・「株価」は需要と供給の関係によって決まり、それは会社の業績や経済的要因、環境的要因、政治的要因、あるいは投資家の動きなど様々な要因によって変動する
・「日経平均株価」は日本経済新聞が選定する225銘柄をもとに算出される株価指数のこと
・「時価総額」とは「株価×発行済み株式数」で計算され、企業価値を表す
・株の保有率によって様々な経営権が与えられる

前編後編合わせて、株に関することがだいぶ理解出来た。自分たちの株投資だけでなく、経営統合による株の保有率や資産家が株を売却するニュースから、どういった文脈が読み取れるのか大体のことは分かるはずだ。

また、自社の株式発行数や大株主の保有率、投資家の動きなどに注目してみても面白いかもしれない。

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