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「決算」とは何か

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの企業で決算発表の延期を決めている。

決算とは何か

決算とは会社の成績表のようなもので、収益や損益を算出したものだ。会社は毎年、年度末に1年間の決算を行い、それに基づいて決算書を作成しなくてはならない。

ここでいう「年度末」とは会社によって違う。会社を作る際に決める定款には「事業年度」が定められており、それは会社の都合で自由に決めることができる。そして、この事業年度の最終日のことを「決算日」という

多くの会社は決算日を3/31としている。その理由は、国の予算期間が4/1~3/31に設定されていたり、新卒が4/1から入社してくるため、といった理由が挙げられる。

決算書は会社の規模に関係なく、すべての企業が作成しなくてはならない。決算日から2ヶ月以内に税務署に提出し、決算内容に不備や虚偽報告がないかをチェックされなくてはならない。そして、その決算書に基づいて色々な税が徴収される。

また、上場企業及び会社法で定められている大会社は決算書を開示する義務がある。そして株式会社は決算日の3ヶ月以内において株主総会(定時株主総会)を開かなくてはならない

さらに上場企業においては、四半期ごとに決算した「四半期決算」を四半期末から45日以内に提出、開示することが義務付けられている

決算書には何が書かれているのか

決算書はどれだけ収益が発生し、どれだけ損益が出たかを記載するだけではない。お金の使用用途や会社の活動状況など細かいお金の流れが書かれている。

例えば、楽天の昨年度の決算書にはこのくらい項目がある。

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代表的な決算書として3つの書類がある。

①貸借対照表
バランスシート(B/Sシート)とも呼ばれ、企業の財政状況を示すもの。B/Sシートは「資産」「負債」「純資産」で構成され、「資産」から「負債」を引いたものが「純資産」となる。

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②損益計算書
P/Lとも呼ばれる損益計算書は、経営成績を示す決算書で、おおまかに「収益」「費用」「利益」に分類される。

これをB/Sシートとの関係を表すとこうなる。

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利益余剰金とは、これまでに企業が生み出した利益を積み立てたものであり、利益が順調に増え続ければ利益余剰金も順調に増え続ける。しかし赤字が続けば、利益余剰金は減少し、マイナスになることもある。

③キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書では、企業の現金の流れが書かれている。なぜ現金が増減しているのか、それを元に今後どれくらいのお金が残るかなど、様々な現金の流れが記載されている。

例えばロイターの情報によると、これまでの楽天のキャッシュフローは以下のようになっている。

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そして、この3つを表したものが、以下のようになっている。

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まとめ

①「決算」とは会社の成績表であり、全ての企業が年度末に決算書を作成しなくてはならない。そして2ヶ月以内に財務省に提出する義務がある。
②上場企業及び大会社は決算書を開示し、決算日の3ヶ月以内に株主総会を開かなくてはならない。また、上場企業は「四半期決算」を45日以内に提出する義務がある。
③決算書は主に貸借対照表(B/Sシート)、損益計算書(P/Lシート)、キャッシュフロー計算書で構成されている

そして、冒頭に載せた記事によると、決算日を3月末に設定し、東証に上場している企業のうち、16%ほどが新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、決算の集計が間に合わない事態となっている。その理由は、4月の自粛生活や海外の状況によるものだ。

例えば、静岡県に生産拠点がある電業社機械製作所は、子会社がインドにあるが、ロックダウンの影響で現地の社員が出勤出来ない状況となっている。

これに伴い、金融庁や法務省は決算発表の遅れを容認し、株主総会の開催も延期させる対応を呼びかけている。逆にこのような状況においても45日以内に決算発表できる会社は、会社が上手く回っていると評価される要素となるはずだ。

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