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【前編】企業から見た「株」のあれこれ

今日のテーマは「株」だ。金融のニュースをパラ読みしてみると難しい用語やよく分からない数字が多い印象を持つ人は少なくないはずだ。

一般的な消費生活をしている人が抱く株というと「株をA社の株を〇〇円で買い、その会社が儲かると、買った株の枚数に応じてリターンが返ってくる」という風に、資産を増やすことだけが目的にある。人生ゲームで株券を買う行為もこの為だ。

しかし、株の役割はそれだけではない。最終的に資産を増やす、という目的にはなるが、経営者目線に立つと「経営統合」だったり「株式総会」など株の所有率によって色々な権限が与えられる。

だが、ほとんどの人は経営者や経営方針を企てる人ではないわけで、企業同士の株に関わるニュースを見たところで「A社が株を〇〇%発行。ふーん。」となってしまうわけである。

例えばLINEとZホールディングスの統合したニュース。

統合ということに対しては印象深かった出来事ではあったのだが、
・株価はどう決まるのだろうか
・そもそも株ってどうやって発行されるのか
・「株式〇〇%保有」という事象からどういった文脈がとれるのか
など、色々な疑問が生まれてくる。

あるいは、LINE NEWSなど様々なニュースアプリをインストールしていると「株価〇〇円下落」みたいなのが速報として通知が来るが、そんなにやばいニュースなのか、とも思ってしまう。

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そんなわけで、今日は株に関するニュースを少しでも理解できるようになる為に、株に関することを色々調べてみた。

株式会社とは何か

「株式会社」とは「株式」を発行することによって多くの人から資金を集める企業の形態のことである。「株式」とは「株を買った証明書」と考えて良いだろう。企業は「株式」を発行し、「株式」を渡した人から資金を調達し、配当金などのリターンを返すのだ。

そもそも株はどう生まれたのだろうか。起源は17世紀の東インド会社に遡る。イギリスやオランダにできた東インド会社は、船を仕立てて東インド諸島や東南アジアに香辛料などを仕入れに行った。船を仕立てるには多額の資金が必要となる。そこで出資者を募り、無事に帰還すれば儲かった利益を出資額に応じて配当する、という仕組みができた。

もし船が沈んでしまったら出資金もなくなり、配当金ももらえない。つまり、出資した会社が潰れてしまったらリターンは0である。だから、会社の経営が悪化すると、リスクに備えて株を売る人も増えてくる。

現代の企業は規模が大きく、巨額な資金が必要なため、経営者個人の財力で資金を賄うことは難しい。そこで、企業活動の基礎となる資本金を小口に分割して、資金を集めやすくするように考え出されたのが株式会社だ。

その他にも、事業資金が必要になった時も、株を発行し、誰かに買ってもらえば資金を集められる。そして、この「株」を買った人のことを「株主」と呼ぶ

株はどうやって売買されるのか

「株」を買う為にはどうしたら良いのだろうか。株の売買の仕組みを理解する為には、「証券会社」と「証券取引所」について理解しなくてはならない。

「証券会社」と「証券取引所」の関係を示したのが以下の図だ。

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まず、誰かに株を買ってもらえば資金を集められるわけだが、株を買いたい、あるいは売りたいと思う人は全国にたくさんいて、自分で探すのは困難だ。株を売買する時、不特定多数の人に買ってもらう為に、私たちは証券会社を通じて資金を募るようになった。例えば野村証券やSBI証券などが有名だが、それらの証券会社は株の売買時に手数料をとり、利益を得ている

そして、証券会社が株は証券取引所という株式市場と取引される。つまり、証券会社は会社や人と証券会社を取り次ぐ仲介窓口の役割を果たしている

「東証一部上場」のようなニュースをよく見るだろう。「東証」つまり「東京証券取引所」は、この「証券取引所」にあたる。

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しかし、なぜ仲介役が必要なのだろうか。証券取引所が直接取引をすれば良いではないか、と疑問に思うかもしれない。これは証券取引所が提供するサービスは株を取引することではなく、証券取引所という場所の提供をしているからだ。

ライブを例にすると分かりやすい。アーティスト(会社)が自分たちのファン(投資家)を増やし、ライブを開催することで、さらに認知が拡大し、ファンを獲得する。このライブを開催するにはステージが必要だ。それが東京ドームや横浜アリーナといったスタジアム(証券取引所)になるわけだ。

しかしライブのチケットを売るのはスタジアムだけではない。それよりも今はコンビニや金券ショップなどの仲介(証券会社)を通じてチケットを買う人の方が多いはずだ。そして、その仲介には仲介料という手数料が発生する。

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つまり、証券取引所が提供するものは株の仲介ではなく、会社を有名にさせるステージなのだ。証券取引所は、そのステージの料金として儲けている。

また、証券取引所にはグレードのようなものがある。日本には、二大証券取引所として東京証券取引所と名古屋証券取引所。地方証券取引所として福岡証券取引所と札幌証券取引所、また新興市場としてジャスダックやマザーズといったものがある。言わば東京ドーム、埼玉アリーナ、サントリーホールといったものだ。

やはり東京ドームで公演となると、存在価値がかなりあるアーティストとして認められるのと同じように、「東証一部上場」というと、ある程度業績を収めている会社、と認識され、会社の信頼度も上がる。こうして会社は、多くの人や会社から資金を集めることが可能となる。

まとめ

・「株式」とは「株を買った証明書」
・「株」によって株式会社は資金を集めやすくなった
・「証券取引所」は言わば会社のステージ。「証券取引所」に上場すると、知名度が上がり、信頼度も上がる。
・「証券会社」は株を売買したい会社や人と証券取引所の仲介を担っている。

想像以上にボリュームがあったので、後編を作りたいと思います。
後編は「株価と時価総額」「株の発券方法」「株を保有するメリット」について書きたいと思います。

後編はこちら

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