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「何者かになりたい」とベンチャー企業を複数経験ーわたしたち「経営者JP」のコンサルタントを紹介します②鳴海 幸仁 前編

「志高き経営者・リーダー達が、集い、学び、執行する最高の場を」と掲げるわたしたち経営者JPは、エグゼクティブサーチ、経営人材コンサルティングを手掛けています。そんな経営者JPにどんなコンサルタントが在籍しているのか、一人ずつフィーチャーしてたっぷりご紹介していきます。二人目は経営者JP ディレクター兼 カスタマーマーケティング本部 部長兼 テクノロジー推進本部 部長の鳴海幸仁さん。前編では鳴海さんにいまのお仕事に至るまでのキャリアを振り返っていただきました。 (鳴海さんのインタビュー後半はこちら

お話を聞いた人:コーポレートプロデュース部・野口、内藤

学生時代はラジオ局でプロデューサー

野口 まず、鳴海さんはどのような学生時代を送られたのか教えてください。慶應義塾大学のSFC出身というと、ITに強そうなイメージがあります。

鳴海 ITはあのキャンパスでは必須科目なのですが、私は専攻していないんです。大学では人や組織についての勉強をしていましたね。経営者JPのセミナーにご登壇いただいていている、『リーダーシップ3.0』の著者の小杉俊哉先生(THS経営組織研究所)の授業を受けていました。キャンパスは藤沢の奥地にあり、午後スタートが多かった小杉先生の授業は面白いのですが、昼下がりということもあり眠気との戦いになっていました(笑)。いま思うと贅沢な時間でしたね。そこで興味をもったのは組織論でした。

内藤 学生のときに打ち込んだものはありますか?

鳴海 私は学生のサークル活動の一環で、地域のコミュニティFMの番組企画やプロデューサーをやっていました。1年間、地域の方にインタビューをしたりしながら月2回の番組を回していまいした。当時はまだSNSなどもそこまで広がってなかったですし、地域のお店、地元企業の経営者のような方から、頑張れ学生さんってFAXで反響がくるようなラジオ番組です。大学2年からの1年間は、日曜日の放送に向けて、木・金曜日は企画を練り、週末はラジオのプロデューサーをやる、という生活をしていました。

野口 就活は積極的にやられていたのですか?

鳴海 就活は完全に舐めてましたね(笑)。初めのころはテレビ局など内定はでないものの最終面接に進んだり、幸先よく選考を進めていたので余裕だろうと思っていました。ただその後、なかなかうまくいかなくて。いろいろ考えて、人や組織、マネジメントをやりたいと思い、牛角や土間土間を運営する株式会社レインズインターナショナルというベンチャー企業に入社しました。

現場のDX化を成功させ異例の店長昇格

野口 レインズインターナショナルへの入社の決め手はどんな点だったのでしょうか。

鳴海 レインズは本社が六本木ヒルズにありまして、当時、いわゆるヒルズ族と言われる人たちがいて、有名なベンチャー社長の中にレインズ創業社長の西山知義さんがいて、非常に目立っていたんです。それで新しい新興勢力の企業は面白いそうだと思ったのと、お酒を飲むの好きだから、こういうところからスタートしたら面白いと思いました。選考を進めると人材、組織育成を大事にする姿勢が見えてきてレインズに入社を決めました。

野口 レインズに入社してみていかがでしたか?

鳴海 いろいろなお客さんと絡む「B to C」のサービスですし、同期メンバーのバックグラウンドが多様で、面白かったですね。当時は成城石井とam pmがグループ会社だったので、新卒同期でいうと200名超えるくらい。そこから事業部ごとに配属され、店舗に入っていいくという形です。配属希望をだすわけですが、仲良くしていた事業部長に「お前はこっちに来い!」と、希望ではない事業部に引っ張られるという(笑)。結果的に第2希望のところに配属となりました。

野口 居酒屋に配属されるわけですね。4カ月という異例のスピードで店長に昇格されたとか。

鳴海 私は飲食未経験でしたが、同期はアルバイト経験者も多く、そういったメンバーは入社のときにはすでにいろいろ覚えているんです。そのなかに未経験で入っていかなければならない。接客や調理ではすぐには勝てないので、なにか他の人がしていないことをやろうと、例えばアンケートの集計表などの全社共有のエクセルのシートをつくったりして、効率的に現場が回るような提言をしていきした。そんなことをしていたら、まさかの店長抜擢でした。

野口 未経験だからこそ、現場の問題点に気づけたということですよね。

鳴海 そうですね。あとはSFCにいたころは1人につきPC1台が当たり前でしたが、お店にはひとつしかない。お店はアナログなところがあるので、メールやアンケート集計など、少しずつ変えたほうがいいと思い、提案していきました。

野口 飲食店の現場のDX化をはかり、イノベーションを起こしたわけですね。

鳴海 DXというと言い過ぎですが(笑)、いま思うと結構な改革だったかもしれないですね。

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ベンチャー企業を転職先に選んだ理由

野口 レインズで活躍されていたと思うのですが、転職しようと思ったのはどうしてですか?

鳴海 転職理由は2つあります。ひとつめは、レインズはジャスダックに上場していたのですが、上場を廃止し経営方針の転換で直営店をフランチャイズ企業に売却するような動きがありました。当時、人づくりや店舗づくりの仕事をしているなかで、私も若かったこともあり「それは、ないよね」と思ってしまった。もうひとつは、他業種に就職した大学の同期たちが活躍し始めて、焦ってしまったというのもあります。

野口 焦りを感じていたというのは「もっとやれる」という気持ちが強かったということでしょうか。

鳴海 B to Cのビジネスをしていたので漠然と次は「B to Bのビジネスをやらなくてはいけない」という気持ちがありましたね。就職活動のときにも法人向けビジネスを展開する企業も受かっていて、心のどこかで「B to Bの仕事をやったほうがいいのではないか」というのがあったんです。それで給与計算のアウトソースの会社に転職をしました。

野口 どうしてその企業を選んだのですか?

鳴海 日本では2番手、3番手に入る給与計算のアウトソースをしている会社で、ゆくゆくは人材のほうのソリューションをつくっていきたいという会社でした。大手企業の給与計算や年末調整などの労務人事の仕事を営業が一括で受けてきた案件を、現場のヒアリングをしながらその企業に合う勤怠管理システムを導入するためのコンサルタント業務をしていました。SEのような仕事ですね。

野口 「人の働き方」だったり、やはり人に興味があるんですね。この企業もベンチャーですよね。

鳴海 当時も別の大手の会社から内定をもらっていたのですが、ベンチャーのほうが面白そうだと思ってしまうんですよね。学生時代から感じていたことかもしれないのですが、大きな組織の中で、何かができないことのほうがリスクだと感じてしまうんです。「何者かになりたかった」ということがベンチャーを選び続けた理由なんだと思います。

営業部長だけど実は人見知り

野口 そして次は女性向けのマンション販促を行う広告会社に転職されていますね。

鳴海 市場がニッチで需要がたくさんある会社でした。社員数は40名くらいで、社長と専務がご夫婦で、その下が部長クラス。2社目ではマネジメントの仕事ができなかったのですが、ここでは幹部候補という枠での採用で、マネジメントもできるし、ニッチな業界で面白そうだなと思ったのが転職理由です。不動産の広告営業でのライバルは大企業のR社の超有名媒体だったので苦労しました。

野口 営業活動をしていたのですか?

鳴海 不動産業は火・水曜日が定休日なので、どちらかはお客さまとゴルフに行き、その場で仕事を決める、というようなこともしていましたね。よくご一緒させてもらった上場企業の専務からは「鳴海くんが来るならプライベートでもゴルフに行くよ」と言ってもらいました。大手広告代理店の方は、いわゆる接待ゴルフが必要だったそうですが、私は懇親ゴルフのようなことが多かったです。体力的には大変でしたが、仕事以外のお話もたくさんさせていただき、いい経験でした。

内藤 さまざまな業種を経験してきたから、人づきあいは上手そうですよね。

鳴海 じつは、すごい人見知りなんです。人見知りだけど、仕事をしているなかでビジネスの面白さがやりがいに転換していったのだと思います。

野口 ちなみにここでも営業部門トップに就任したとか。

鳴海 3年目には営業部長になっていました。ちょうど30歳になる頃だったと思います。

野口 ちょうど、社会人として脂が乗ってきたことですね。印象に残っている業務はありますか?

鳴海 東京国際フォーラムで、10〜15社のディベロッパーさんに協賛をいただいて、お客様のキャパが700名という大規模なセミナーを開催しました。メインゲストにとても有名なオリンピックの女性メダリストをお呼びしていたのですが、たまたまその日が東京オリンピック開催が決まる日で、イベントの数日前に開催を決める総会が開かれるブエノスアイレスにいたメインゲストさんが「現地に残りたい」と仰って。「無理です、帰って来てください」という調整を行い、なんとか帰国していただきました。当日は、東京オリンピックが決まり、オリンピックメダリストはテレビに引っ張りだこで多忙の中、こちらのイベントに出てもらえました。半年以上かけて仕込んだイベントだったので、肝を冷やしましたね…。これは成功体験でもあり、ビジネスの難しさみたいなのも感じました。

さまざまな業種のベンチャー企業を3社経験した鳴海さんは、その後、経営者JPに参画されます。後編では鳴海さんのお仕事のこだわりなどたっぷりお話いただきました!

後編に続く

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