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地方ベンチャーがクラウドファンディングでお金以外に得られるメリット3つ

1万人の町でまちづくりベンチャーを起業して3年目。
はじめてクラファンをやってみました。

都農町のみなさんや、お知り合いのみなさまのありがたすぎるご好意の数々、お陰様で予算をはるかに上回るご支援をいただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました!

地方、特に都農町のような小さな町のベンチャー企業とクラファンは相性がいいな、と実感できました。

クラファンをやることで得られたメリットを備忘録的に書きます。

1.社員の当事者意識が高まる

今回のクラファンは、会社というよりは、20代地方女子の社員2名を前面に出した企画とし、ぼくはほぼノータッチ社員だけで最初から最後まで完結しました。

「トレーラーを運んできてホテルにする」
と決めたときから、明らかに資金は不足。
クラファンをやることは、ほぼ必然。

銀行からも借入しましたが、当初想定していなかった、農地転用手続きや浄化槽の増設工事でほぼ消えるという事態もあり。。

支援を集められなかったら内装費ないなぁ、ってリアリティーがわかりやすく、精神論的当事者意識というよりは、現実的に当事者意識を持たざるを得ない背景もあり、、 笑

企画当初は、なにやってよいかわからず、どうなるのかの予測もつかず、たまにクラファン経験者から聞いたアドバイスを頼りに、なんとか公開までもちこみました。 

当事者意識が高まったのは、公開後だったように思います。

最初の支援(ぼくの息子の妻 笑)が入ってから歓声・歓喜モード、以降、支援が入るたびに喜びはもちろんですが、徐々に引き締まっていったように思います。

公開前は、ぼくも含めて打ち合わせをすることが多かったのですが、公開後は、社員が自主的に進めてくれたおかげで、ぼくはたまに自分の SNSで拡散する程度。

クラファンのおかげで、トレーラーの開業準備についても、安心しておまかせ。昨年立ち上げたHOSTEL ALAと比べると、こうも当事者意識は変わるものかと感じ入り、細やかながら組織としての成長に少し安堵したり。

少ない資源で生き残っていかねばならない地方ベンチャーにとって、社員一人ひとりの当事者意識に依存せざるを得ないのが実情。

当事者意識を高めてくれるクラファンはとてもありがたいしくみ、と一つめの感謝です。

2.チームビルディングになる

2つめの感謝は、いいチームビルディングになったこと。

もともと、都農町でベンチャーやるぐらいだから、社員一人ひとりのモチベーションや覚悟は高い

でも、個が強いことや各自の仕事が違うこともあり、みんなで何かをやる!という機会は多くありませんでした

今回のクラファンが、全員で一つの目的に当事者として関わる最初のきっかけになりました。

トレーラーホテル自体の企画やデザインをする人、
SNSを中心に発信、拡散していく人、
開業後のマーケティングや運営計画をつくる人、

それぞれの役割の仕事量も多く、いままでだとその役割をまっとうして終わり!という感じだったかもしれません。

ただし、クラファンがあったことで、各自の担当業務をすべてクラファン用に共有し、ひとつのメディアから発信していくプロセスがあったことで、結果的に状況や情報の共有が進んだのは副産物でした。

おかげで、いま現在、開業に向けて大きな問題もなくいい雰囲気で進んでいます

チームビルディングが進んだもう一つ大きな要因は、支援いただいた方々からのメッセージでした。

毎日、何回も何回もクラファンページをチェックしては、きゃぁきゃぁ言うことが日常化してきて、お祭りのような盛り上がりは楽しかった。

ただ、喜んでるだけではなく、
時間かけてつくったコンテンツが思ったより響いてない!
何が不足しているのか?
日常的にみんなで考えるようになったことが、チームとしての結束と能力を少しばかり高めてくれたんじゃないかと思います。

3.発信や営業の基本を学べる

3つめは、これまで対外的な発信について、それほど積極的でなかった社員が、クラファンによって、日常的に発信するようになったことは大きな前進でした。

もっとわかりやすく言えば、人にお願いして支援をいただく、という営業を抵抗なくできるようになった、正確にいえば、難しさを知ったということが会社としても財産になりました。

いまのぼくらの仕事の大半は、町役場や財団法人から、まちづくりに関わる業務委託契約に基づくもの。

知らず知らずに、いいモノをつくればよい、町の人に喜んでもらえればいいということに終始して、営業して仕事をとってこなければいけない、という基本的なことが二の次になりがちです。

それに対して、クラファンは、あらわれは今風ですが、内容的にはベタな営業そのものだと思いました。

まず身内から。使えるものは自分のSNSぐらい。
そこで何度も何度も手を変え品を変え発信していく

その行為は、新卒で入った会社の化粧品の訪問販売とか、コンサルや設計の営業でテレアポとるのとさして変わりはないように感じました。

自分で恥を捨てて積極的に発信、依頼した結果、生の現金を支援いただく

自分に対するダイレクトな支援を受ければ、自ずから感謝の気持ちも高まるし、期待を超えるようやらねば!という使命感も増してきます。

特に嬉しかったのは、地元の方々が多くご支援をいただいたことです。

内容が宿泊施設なので、地元の方々にはほぼ利用機会もないにもかかわらず支援いただけるということは、純粋に町のためになりそうだという期待や、仲間に対する応援ということ。

これからの会社を考えると、この3つめのメリットが一番大きな財産です。

4.まとめ

契約で決まっていること
会社で言われたこと
を超えて個を出して発信していけるかが、地方ベンチャーで活躍するためには必須のスタンス。
クラファンをすることで、その素地がつくれたという手応えがあります。

都農町では年明け早々、ふるさと納税の2年間の取引停止が決まり、これまでの資金調達の道がふさがりました。

突然のことだったので、心もお金も準備できず大変な思いをしている事業者さんを間近にみながら、町や国を頼らず、自分たちで資金を調達できる力を身につけていかないと、と思ったのもクラファンをやった動機の一つです。

たかだか1回やっただけですし、規模も小さいので偉そうなことは言えませんが、今回の経験を生かして、町内で資金が必要な事業者さんや若い起業家がいたら、一緒にクラファンの企画を練ったり、伴走できたらいいなと思ってます。


まずは、支援いただいたお金を最大限有効に活用させていただき、1日でも早くトレーラーホテルを開業したいと思います!!

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