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【絵本】『たからもののあなた』


あらすじ

フウのお母さんは家事やお仕事で毎日大忙し。
園で描いた絵をお母さんにすぐ見せたかったのに、その日お母さんはフウが寝た後帰ってきたのでした。

お父さんもお母さんも働いている家庭が、今では珍しくありません。
フウも、いつもは園の先生やお友達、おばあちゃんと楽しくすごしています。でも、ちょっとずつ溜まった「さみしい」が、ふとしたきっかけで出てしまって…。

出版社からの内容紹介 絵本ナビより

感想

親元を離れて頑張っているお子さんと、忙しいお母さんに読んでほしい絵本。

フウちゃんが寂しい気持ちを爆発させるところでは、思わず泣いてしてしまいました。

フウちゃんも、お母さんから愛されていることは分かっているはず。

でもやっぱり、お母さんから離れて園へいくのは寂しい。お迎えにきてくれなくて悲しい。いつでもそばにいてほしい。「好きだよ」って言って、ぎゅっと抱きしめてほしい。

直接的な愛情表現を求めていたと思うのです。

***

息子が幼稚園に入園して3ヶ月ほど経った頃、仕事を始めました。

※今は辞めています。コロナ休園が続いたのと、実母の病気発覚(たまに預かりをお願いしていたが頼れなくなった)が重なり、辞めざるを得なくなりました💦

パート勤務だったので、普段は園のお迎え時間に間に合いましたが、長期休み期間は預かり保育を利用することもありました。夏休み中は、

「預かりいやだ」
「幼稚園行きたくない」

そんな日が続きました。

少し前に図書館で借りて読んだ『たからもののあなた』を思い出しました。購入して、再び息子と一緒に読むことに。

「フウと いっしょにいないときも
あかあさん、フウのことばかり 考えるの。
おしごと中に、あおぞらを みるとね、
いまごろ フウは
おそとで あそんでいふのかしら?って。」

フウちゃんのお母さんの気持ちを読んで
「ママも同じだよ。離れていてもずっと○○くん(息子)のことを想っているからね。」そう伝えました。

私は息子への気持ちをいつも言葉にしています。鬱陶しいほどしています。

「可愛い~!」
「大好き!」
ぎゅ~!ちゅ!
(たまに嫌がられますが、息子も結構まんざらでもない顔してます。笑)

大好きという気持ちをいつも伝えています。

「フウ、いっしょに いないときも わすれないで。
フウは おかあさんの だいじな たからもの。」

この本を読んで、いつもの愛情表現にひとつ付け足しました。それは、

「あなたは だいじな“たからもの”だよ」

と伝えること。

夏休みから始まった登園しぶりは、年少の終わりまで続きましたが、その都度「『たからもののあなた』を思い出してね。離れていても想ってるよ。」と伝えました。

年中の今では、登園前に「ママと離れたくない」とは言うものの、前よりも楽しそうに通っています。

親元を離れる寂しさは、なかなか埋まるものではありません。ですが、子どもが「大事に思ってくれる存在がいる」と感じることで、安心感が生まれ、やがて心の安定につながるのではないでしょうか。

気持ちは言葉で伝えないと案外伝わらないもの。これからも子どもに「あなたはママの“たからもの”だよ」と伝えていきたいです。

書誌情報

『たからもののあなた』
作:まつおりかこ
出版社:岩崎書店
発行年:2017年
対象年齢:3、4歳から

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