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【読書記録】『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』

「また怒ってしまった…」

息子の寝顔を見ながら後悔する夜があります。

今まで自分は穏やかな性格だと思っていたのに、こんなに怒りっぽかったっけ?
それに、同じ怒りでも、大人に対しては冷静でいられるのに、我が子相手だとどうして抑えがきかないんだろう?

そんなときに、篠真希さん著・『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本―お母さんのためのアンガーマネジメント入門』に出会いました。

怒りを感じる場面と対処法が分かりやすく書かれていて、とても参考になりました。

本書の内容を、3つの章に分けてご紹介します。

内容紹介

①知っておきたい「怒り」の正体

・寝不足、体調不良、環境の変化などのストレスで、精神状態が不安定なときに怒りっぽくなる。
「今、自分には余裕がないんだ」と受け入れる。

・同じことでも怒りを感じるか気にならないかは人によって異なる。
目の前の出来事に対する「視点」や「意味づけ」を少し変えるだけで、怒る必要がなくなることもある。

・お母さんは「責任感がある」からこそ怒る。
怒る人はまじめて一生懸命な人。まずは頑張っている自分を褒めてあげる。

②イライラ・怒りをコントロールする方法

・怒っているときに「過去の不満」「未来への不安」を考えてしまう。
「今」にだけ目を向ける。「今自分は何に対して怒っているのか」をお母さん自身が理解する。

・子どもが自分の思うように動かない、理想や期待に沿わない。
期待値を下げる。理想は理想として置いておき、許容ゾーンを広げることで大目に見る余裕を持つ。

・成長に対する焦りや何度言ってもできないことへの苛立ち。
その子のタイミングを待つ。100回でも繰り返し言い続けることが親の仕事、と割り切る。

・子どものわがままやグズリに対する怒り。
忙しいときほど手を止めて、わずかな時間でも真剣に向き合う。子どもの不満・欲求を理解して、不快感をできるだけ取り除いてあげる。

「怒りは願いの裏返し」
わたしの好きな言葉です。
子どもが怒って訴える裏には「願い」があります。
(省略)
子どもが怒ってでも訴えてくるとき、その怒りは「この状況を変えてくれ!」と願うサインです。
怒りをぶつけられたときは、それを「願い」ととらえてみましょう。

「怒りは願いの裏返し」素敵な考え方ですね。

・自分で作り上げた理想に縛られてしまう。周囲の人の言葉に傷ついてしまう。
自分に対する許容ゾーンを広げる。自分の気持ちに素直に話してみる。

③子どもの心にしっかり届く叱り方

・あれこれ言うより1つに絞って叱る
・「なんでやらないの?」は「どうしたらできる?」に
・「いつも○○しない」と決めつけない
・「叱る基準」を作る(親の機嫌次第で怒らない)
・「ダメな子」など人格否定の言葉を使わない
・ボディランゲージを使う
・「iメッセージ」を取り入れる

感想

本書では、怒りの正体を探り、イライラ・怒りに向き合った上で、子どもの心に届く叱り方について言及していました。その過程で出てくる例が共感することばかりで。読みながら「あるある!」「分かる分かる!」と何度も頷きました。

また、心のガス抜きをする気分転換法や、限界まできた怒りを静める方法など、実践的なアプローチが多いのも良かったです。

こういう本が出ているということは、多くのお母さん達が子育てのイライラで悩んでいるということ。自分だけじゃないと分かると、なんだか心強いですよね。

子育てのイライラは、親の余裕のなさから生まれることがほとんど。
物理的な問題などすぐに改善できないこともあるけれど、少し意識を変えるだけでも怒りやイライラは軽減すると思います。

本書を読んで、特に心に留めておきたいと思った3つのこと。それは、自分と子どもを分けて考えること子どもの状態を受け入れること、そして自分自身を認めること

「自己肯定感」というのは、「自分を肯定する感覚」「自分は大切な存在」だと感じる心の感覚で、この先、自分を信じてたくましく生きていく上では欠かせないものです。
(省略)
親からの愛情を十分に感じられることで、自分でも「ありのままの自分を受け入れる力」「自分を大切にする気持ち」が育っていきます。

母親としての自分を否定する必要なんてありません。ささいなことでもいいので、もっと子どものいいところや自分の頑張りを積極的に認めてみましょう!

親も子どもも、それぞれ別の一人の人間。子ども自分も大切にしながら、家庭での愛着関係をしっかり築いていきたいです。そして、安定した心で、怒りやイライラに向き合おうと思います。

書誌情報

『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本―お母さんのためのアンガーマネジメント入門』
著者:篠真希
出版社:すばる舎
出版年:2017年

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