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ブラックスワン

ブラックスワンが舞い下りました。ナタリーポートマンのことではありません(あの映画は名作です)。
 
知らない人のために簡単に説明すると、ブラックスワンとは、「あり得ない、予測できない」と思われていたことが発生した際に大きなショックを受けることの意味で、特に金融の世界で使われます。かつてオーストラリアで、黒い白鳥という、「あり得ない」存在が発見されたことに由来していると言われており、金融の世界では、あり得ない、予測できないことが発生した際に「ブラックスワン」という言葉を使います。

特に当時100年に一度と言われたリーマンショックの頃から、(おそらくタレブの書籍を通じて)一般にも広く知られる言葉になりました。
 
ここ数年、米中貿易戦争という不安定な要素はあったものの、世界経済は大よそ好景気といえる状況でした。
誰しも、この好景気もいつかは終わると思ってはいましたが、まさか感染病の世界的流行、逆オイルショックによって終わるとは誰が予想していたでしょうか。

言ってしまえば、みなブラックスワンの存在を知っているにも関わらず、結局予想できなかったと言えます。
不確実性の世界に生きているということを、改めて理解させられました。

後出しになってしまいますが、私の状況は以下のとおりです(私は米国市場メインです)。

今回の騒ぎがはじまった当初より、
①海上輸送について:中国の港湾が機能していなかったこと、
②陸上輸送について:省市をまたぐ輸送が滞っていたこと(省市間を駅伝方式で輸送するしかなかったはず)
という事情から、特に自動車産業等には大きな影響が出ると考えていました。また、外出禁止による社会全体の停滞感を考えれば、消費も落ち込むと予想しました。このような状況において、特に中国頼りの部分が大きい欧州の自動車メーカーに多大な影響が生じると考えました。

一方で、米国マーケットは年始からの強気な雰囲気が変わらず、またトヨタの中国工場が2月17日に半分程度とはいえ、生産を再開したこともあり、今後確実に景気後退の瞬間が訪れると考えつつも、中々動くことができませんでした。結局、マーケットが揺れだした2月25日に一部ETFをのぞいて、ほぼ全てのポジションを解消しました。その結果、ほとんどダメージを受けずに済みました。それでもドル資産は円換算で目減りしていますね。
 
私はプロの投資家ではないので、逃げたいときに逃げられますし、騰落についてドンピシャのタイミングで当てることはハナから諦めています。

欧州の自動車メーカーの損失が顕在化し、そしてアメリカの混乱が落ち着くタイミングを見てから、コツコツ買っていきたいと思います。素人こそ『アタマとシッポはくれてやれ』の精神ですね。
 
悲観的な話を書きましたが、2010年以降の株価の推移をみる限り、まだまだ本格的な不況への突入とは言えないようにも思います。明るいニュースが出てくることを祈り、今夜もいつもどおり中国語の勉強をして寝たいと思います。
 
ではでは。

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