文章力をあげよう#2(説得力のある文章~10つのポイント)

前回「わかりやすい文章」について書きました。今回は「説得力のある文章」について書いてみたいと思います。説得力というのは、読み手と書き手の関係性や、読み手の前提知識に左右される部分も大きいですが、これらを考慮せずに、基本的なルール、コツを紹介したいと思います。

1.結論を先に

至るところで言われていることですので、知っている方も多いと思いますが、案外実践されていないものです。「初頭効果」という「最初に見たものの印象が最も残りやすい」という性質を利用したものです。

2.根拠、理由づけは超重要

これも当たりまえの話ですね。必ず根拠、理由をつけましょう。結論だけ書いてあっても説得力がありません。その判断、主張に至った思考プロセスを記すことで説得力が増すだけでなく、承認者、決算斜がいるような場合は、どこに誤りがある(あった)のか確認することができ、軌道修正できます。

また、積極的理由(必要性)だけではなく、消極的理由(許容性)についても記載するのが望ましいです。「Aが品質、コスト面で優れている」だけでなく、「B、C、Dは安定供給が望めないため、Aしかない」など、いわゆる消去法的な判断も記載した方が説得力が増します。(私の場合、消極的理由ばかり書く癖があり、逆に説得力がないと指導を受けたこともあります…)

3.客観性をもたせる

反対意見、リスク、課題、第三者の意見、ワーストシナリオなどにも言及し、多角的な観点から検討したことを示すことで説得力が増します。社内の過去の事例などでも良いでしょう。

×「これは私の霊感ですが~」
〇「〇〇省のデータでは~」、「△△弁護士は~」、

ちなみに専門家などの第三者の意見を記載する場合、自分の意見→専門家の意見の順番にしましょう。単なる模倣を思われないように!

4.「いつ」→「どこで」→「誰が」→「誰に」→「何を」→「どうした」

この順番だと「ストーリー」として頭に入ってきやすいです。これは「わかりやすい文章」を書く時にも意識した方が良いポイントですし、文章だけの話ではありません。
一度報告、説明したことについて再度報告する際に、聞き手、読み手も覚えていると思い込み、「いつ」の話か説明しなかったり、主語「誰が」を抜いて話しはじめるのは、若手アルアルですね。

5.6W3H:Whom、How many、How muchも忘れずに。

5W1Hに加え、whom(誰に), how many(どれだけ), how much(いくら)の情報を盛り込むのを忘れないようにしましょう。具体的な名前、数字があることで、読み手、聞き手はイメージしやすくなります。

具体的なデータは説得力を持たせるために超重要です。
×「昨年同月対比、客室の稼働率が激減した。」
○「昨年同月対比、シングルルームの稼働率が50%減となった。」

6.自信を持って書くことも大事

事実であれば言い切りましょう。「・・・という考え方もある」だと自身がないのか?と思いますし、冗長な印象を受けます。
×「・・・と思われる」「・・・という考え方もある」
○「・・・である」
ただし、当然ですが、事実と推測ははっきりと区別しましょう。
(これも結構若手アルアルだとおもいます。今話しているのは事実なの?あなたの推測?それとも希望?ということは度々発生します)

7.見た目も重要

「わかりやすい文章」にも共通する話ですが、見た目も重要です。適度な改行や段落に加え、数値が頻出する場合、表、グラフを利用した方が良いことも多いです。複数の月、日のデータの比較の場合、表やグラフで示された方が感覚的に理解しやすいと思います。なおグラフを使用する際は数値の比較であれば棒グラフや折れ線グラフ、割合の変化であれば円グラフなど、メッセージに合わせたグラフを使うことも忘れずに。

資料によっては画像、イラストを使うことも検討しましょう。ただ著作権には気をつけましょう。外部委託先が作成した資料に、写真が無断利用されている、といった弁護士レターが届いたことがあります(これだったら払ってしまった方が諸々低コスト終わるのでは?という請求額だったりするんですよね。ただ、容易に応じると、その後パテントトロールと呼ばれる人たちのターゲットになる恐れもあるため、慎重な対応が必要なんですが)。

8.余計な前置きはいらない

「横から失礼いたします。」「すでにご存じかと思います。」等は、会話中ならまだしも、ビジネス文書には不要です(もしかしたら、こういうことを求める会社もあるかも知れません)。

9.わかりやすい例えを使う

例を使用する場合、読み手にとってわかりやすいものにしましょう。これは読み手や所属する組織により異なります。よく「東京ドーム○個分の敷地」という例えが使用されますが、私には、広大な敷地であることはわかるものの、具体的にイメージができません。「レモン○個分のビタミンC」も同じです。

書き手・読み手ともに精通している分野だったり、とにかく広大であること、ビタミンCが大量に含まれていることをアピールしたいのなら良いと思います。(「Aさんは新垣結衣くらい可愛い人」はダメです。ガッキーと同じくらい可愛い人は世の中に存在しないのです。つまり例文に書かれた事象が存在しえない以上、例として不適切ですし私は認めません。冗談はさておき「可愛い」という主観的な感覚を例に使うべきではありません。)

10.書き終わったら推敲、読み直しする

書き終わった文章は、最低1回、出来れば2回は読み直した方が良いでしょう。時間が許すのであれば、半日、翌日に読み直すことをおススメします。書いている最中は、その勢いもあって、誤字・脱字もそうですが、論理的に成立していない箇所にも気づきにくいものです。出来上がった文章を一旦、寝かせてみて、冷静になって読み直すことは超重要です。私自身、「勢いのまま提出しなくて良かった」となったことが何度もあります。

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と書いておきながら、私はnoteを書く時は、ほとんど勢いで書いたままの状態です。読み返して、推敲しているうちに、書いたときの熱量というか勢いが冷めてしまう気がするのです。ガッキーの例なんて筆に勢いがないと書けません。(勢いのある文章が書けるようになるまでは、このスタイルで行きたいと思います。誤字・脱字にも気を付けてはいますが、読みぐるしいところもあるかも知れませんが、ご容赦ください。)

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というわけで、文章力を上げるシリーズの第2弾として、説得力のある文書を書く際のポイントについて、思いついたものを10個に絞ってまとめてみました。時間があれば、文書例を作るかも知れません。また、新たに思いつくものがあれば、随時追加していきます。

ではでは。







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