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【劇場公開映画の作り方】HIPHOP映画「唾と蜜」ウラ話<その14:ヌード女優探しはハード②>

🔥🔥🔥映画「唾と蜜」制作秘話🔥🔥🔥
⚡️⚡️⚡️EPISODE14(ヌード女優探しはハード②)⚡️⚡️
💓小さな紙切れには、6万円とあった・・・💓


前回は、ある方に脱いでくれる女性を紹介されたところまで。

早速某御方に紹介された人に会いに、大阪の○○○にある某CLUBへ。CLUBと言っても音楽を楽しむクラブ↑ではなく、女性とお酒を嗜むクラブ↓の方。
某御方とのLINEでは「全然オッケーです!😀」と言っていたものの、本当にここで承諾を得ないと、もうこの先アテはない。。。高級繁華街○○○に位置するクラブに到着。


英文字で店名が書かれたシルバーの重そうな扉を開けると、そこは黒と金で彩られた世界。「うっ。。。」どう見ても高そうな雰囲気。
事前に予約しその女性を指名していてもらっていたので、僕と某方が席につくやいないやその女性が来た。
「こんばんわー」
「おー、久しぶり~!」
何気ない会話を交わす、二人。
天真爛漫な雰囲気でハタチそこそこといった印象、本当にこの子が出てくれるのだろうか。
僕は追加料金のかからなそうな水割りなどをちびちび適当に飲みながら、早めに本題に入らないとマズイと思い、きりだした。


「あの~、お話聞いてるかと思うんですけど本当に大丈夫なんですか???」
「あっ、全然オッケーですよ−」
「全裸になってもらうシーンもありますし、全国の劇場での公開も目指してますけど。あっ、いま予告篇までできていて、こんな感じです。」
そう、この時は撮影が結構進んでおり、クラウドファンディング用の予告篇までできていた。この時点でまだキャストが決まっていなかったのだ。
「すごーい!!!」
屈託のない笑顔でスマホをのぞき込む彼女。


某方がきりだす。

「彼女ね今はここで働いてますけど、本業で100本以上出てたんですよ」
「えっ???100本も!!!」
本業とはいわゆるアダルトなビデオのことである。驚く僕を気にすることもなく、某方のグラスに氷と酒を足す彼女。
「じゃぁ、ヌードとかは全然大丈夫っていうことですね???では、ぜひお願いします!!!良かった~。やっと決まった。。。実はね。。」と、これまでヌード女優を探すまでの苦労話などをしながら、キャストが決まった安心感からリラックスしてお酒を飲んだ。


「もうすぐ2時間ですけど延長しますか??」と尋ねる彼女。
「えっ!!!(1時間の時、聞いた??)いえ、いまお幾らですか???」
小さな紙切れには、6万円とあった。マジか。。。ヤバいな。
「出ます!出ます!!」
「あの、具体的な話をまだ聞いてないんですけど」と女性。
「あ、そうですね」
「私これで今日は終わりなんで、どこか外でお話し聞けますか?」
「あ、大丈夫ですよ」
某方には撮影で本当に色々と無償で協力して頂いてることもあり、この飲み代をワリカンするワケにもいかない。
某方は「出すよ!」と言ってくれたが、僕は急いで支払いを済ませて某方と店外に出た。


待つこと5分ぐらいで、その女性は来た。
某方と3人で近くのファミレスに入り、食事を取っていない彼女はポテトフライなどを食べながら話をした。
撮影予定日やロケ場所などを説明していて、ふと気になることがあった。
「あの、ちなみに事務所とかは所属していないんですか?」
「はい、してません。してたんですけど、あまりに環境がひどくて逃げてきました。」
「えっ、逃げて」これは、ちょっとマズイかも。。。

「そもそも、なんでそういうビデオに出てたの?」
たぶん、一番聞いちゃいけないとうか、聞かなくていいだろう質問を不意にしてしまった。
「実は私の○○が○○○でお金が。。。」
つまらない質問をしてしまった自分を責めた。人の人生にはそれぞれ事情というものがある。
『なぜ、こんな映画を撮ってるの?本当に裸の女性を撮らないといけないの??』
逆にこの質問に対する明確な答えなんてないし、ましてや、今からヌード女優として出演してもらおうという相手に(自称アート作品のつもりとはいえ)、すべき質問でないことはたしかだ。


「そっか。。。でも、まだ若いし色んな道がまだまだあると思うよ」これも余計なお世話だ。なにを大人ぶったことを言ってんだ俺は。
「将来は、女優というか芸能人になりたいんです」
「そうか。。。」

この日はこれで解散となり、アルコールでふらふらした頭を揺らしながらタクシーに乗り込んだ。
車窓から見えるビルの明かりを見つめながら、浮かない顔でぼんやりとしていたと思う。

翌朝、通勤途中に決断した。このままでは良くない。彼女が事務所に所属していないのではなく、事務所から無断で離脱してきたこと。
これは、やはり劇場公開に向けてかなりマズい。
朝にも関わらず僕は昨日聞いた携帯番号にかけた。


「おはようございます!」元気な声が聞こえた。
「あの、、、本当に申し訳ないんだけど。。。」
昨日は一度こちらからお願いしたものの、やはり後々聞いたお話から今回はお願いすることができないこと。他のキャストの方にもご迷惑をおかけすることになりかねないので、本当に申し訳ないです。と心から謝った。

「そんなに気にしないでください!!!そうかな~、と思ってたんで。www映画完成したら教えてくださいね!!絶対観たいんで!!」
申し訳ない気持ちで、言葉に詰まった。「ありがとう」とだけ伝えて電話をきった。
「将来は、女優というか芸能人になりたいんです」
という昨日の言葉が頭の中でリフレインした。

申し訳なさと、ちょっとした安堵と、そして、またキャスト探しを再開しなくてはいけないという不安に包まれた。
晴れた朝の空の下、僕の心はまだ薄曇りのままだった。

続く。


まだ、続くんか〜い!!!!!!!


⚡️⚡️⚡️EPISODE15(ヌード女優探しはハード③)⚡️⚡️⚡️



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