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過去を振返り、対話することで「心」を磨き、未来をつくる

昨日は、若手経営者向けの研修でした。
テーマは「リーダーとしてのあり方を考える」です。

この研修は、半年前に修了した研修のフォローアップです。月に1回のペースで約半年、経営の原理原則や戦略、財務、人財育成などの考え方について学びました。

経営は実践です。
インプットだけでなくアウトプットが求められます。
さらに重要なのが、そこから内省することです。行動を振返って、どう感じたのか、何を考えたのか、自分にとって何が大切なのか、自分の内面と向き合う時間が必要です。そのための時間を受講した仲間と共有するのがフォローアップの目的です。

経営者は組織のリーダーです。得た知識を使うだけでは周囲に良い影響を与えられません。内面、つまり、心を磨いていくことが求められます。経営者の心が変わらない限り、自身の行動も周囲の行動も変わりません。小手先の手段を講じたところで組織は変わらないし、結果も出ないのです。

今回は、研修修了後に何を実践してきたのかを振返り、さらに自分自身のこれまでの仕事人生を振返って内面と向き合いました。

仕事人生を振返る際によく使うのが「ライフラインチャート」です。「ライフラインチャート」は、人生の流れを1本の曲線で表現したものです。
時系列でキャリアを振返り、充実度の山谷に着目することで、自分のターニングポイントを発見することができます。

ライフラインチャート

上記は私のものです。
このセッションをやるたびに例として共有しています。何度も人前で説明してきていますが、そのたびに発見があります。

私の場合、新卒して2年たたないうちに最初に入った会社を退職しています。その後、半年間無職でした。転職先はすぐに見つかるものだと思っていたのですが、いわゆる氷河期。そう簡単には見つかりません。次第に不安に襲われます。そんな時に読んだ本に「無職も立派なキャリア。働きたいと心から思うまで無職でいればよい」と書かれていたことを思い出しました。

今は、コンサルタントとして、働きがいのある会社づくりをご支援しているのですが、この無職の時に働く喜びを知ったことが今の自分に影響を与えていることに気づきました。

こうした発見があるのは、今まで見落としていたということではないでしょう。私の内面が変わってくることで、過去の行動への解釈が深まったのです。

人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。
変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細でかんじやすいものじゃないですか?

「マチネの終わりに」平野啓一郎

もちろん、起こったことは変えられません。しかし、どのように意味づけするかは変わります。そして意味づけは、振返りながら話すことを通じて行われます。内省は、そうした自己内の対話と他者との対話で進んでいくのです。そうした言葉の力は、私たちが根源的に持っている賢さの一つです。

昨日は、受講者との対話を通じて、私自身のあり方を再発見できた1日でした。コンサルタント自身が、常に学習者であることが、やはり大切ですね。

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