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堂道夏至

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佐久間マリさんの「部下に手を出す上司は信用出来ない」が大好きで、実写化、コミカライズされるのが夢です。 やな奴 堂道夏至が気づけば大好きな奴になっていました。 あなたも堂道夏至…
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#上司と部下

悪役俺様嫌われ上司(バツイチ)は恋愛小説のヒーローになれるか!?(完結)

悪役俺様嫌われ上司(バツイチ)は恋愛小説のヒーローになれるか!?(完結)

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話
26話  27話 28話 29話 30話 31話 エピローグ(完)

プロローグ 玉響 糸、二十六歳。
 最近、人生悟ったこと。

 その一、食わず嫌いはよくない。
 食べ物の好き嫌いだけに限らず、世の中には知らないだけで実はすごくおいしかったという例がたくさんある。
 だから、何事においてもとりあえず挑戦し

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22.堂道課長は信用できない

22.堂道課長は信用できない

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話

22.堂道課長は信用できない

「腹減ったー。せっかくだし、ひつまぶしでも食ってくか」

 駐車場に停めた社用車に向かいながらそう言って、堂道は首を鳴らした。
 予想以上の展開に、糸は思考が追い付かない。

 堂道とのドライブは行き道だけで、帰りは、車であれ電車であれ一人だろうと思っていた。
 それでも十分すぎる。こんな棚ボタ出張デートを

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23.堂道課長は……

23.堂道課長は……

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話

 部屋に着いて、鍵を開け、鞄を置いて、腕時計を外し、ネクタイを緩める。
 堂道がそれらをする間、糸は何も言えず所在なさげに立っていた。
 ヒールの細いかかとが、ふかふかの絨毯に埋まっている。

 上着を脱いで、ワイシャツ姿になった堂道は、ミニバーに置かれていたミネラルウォーターのボトルをひねると、喉を鳴らして飲んだ。

「そう言え

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25.堂道課長は帰宅する

25.堂道課長は帰宅する

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 

 糸は、定時を過ぎるのを待って、羽切をたずねた。
 二課の課長席は不在だ。堂道は会議中らしい。

「あの、一応、付き合うことに……」

「……え、まじ! うそ、ほんとに!? 玉響さん、すごいじゃん!」

 けしかけたものの、糸たちの進展はどうやら予想外だったようで、羽切のリアクションは、しばらく驚いたのちの祝福だ

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26.堂道課長は覚悟している

26.堂道課長は覚悟している

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話

「……布団、オッサン臭いか」

 堂道の寝室にはやたらと大きなベッドがあった。 
 クロゼットの扉が開きっぱなしのままになっていて、糸がシャワーを浴びている間に、それを取り繕おうとも片づけようとも思わなかったらしい。
 
 ベッドサイドライトの調光だけがぼんやりと部屋を照らす。
 互いに一度果て、糸は後ろか

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27.堂道課長は出世できない

27.堂道課長は出世できない

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話 26話(全31話)

 週明け、身体は重く、気分はだるい。
 頭がぼうっとしているのは間違いなく寝不足が原因だ。

二課の課長席をさりげなく振り返って見てみると、堂道が電話をしている。
 髪形はいつもの形状を保っていて、難しい顔で熱心に話をしている。

朝からも離席続きで何本ミーティングをこなしたのか。席に戻

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28.堂道課長は腹をくくる

28.堂道課長は腹をくくる

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話 26話  27話

「お待たせしました」

糸がシャワーを浴びて出てくると、堂道は所在なさげにベッドを背に床に座っていた。

「……ああ、俺こそお先」

ピンク色のハート型のクッションを抱いている。と言っても、かわいく胸に抱いているわけでは当然なく、手持無沙汰のあまり手慰みに押しつぶしていると言った方が正しい

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30.堂道課長は株を上げる

30.堂道課長は株を上げる

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話
26話  27話 28話 29話 30話 31話 エピローグ

「スポーツに貴賤はなかった!」

昼休み、小夜はいまだ興奮冷めやらぬ様子で、昨夜のことを夏実に語って聞かせた。

「小夜、いつから裏切者になった」

「いや、ホントに堂道課長ってばすごいんだって。バスケ超うまいし。後輩にプロ選手もいるんだって、草

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31.堂道課長はヒーローにはなれない

31.堂道課長はヒーローにはなれない

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話
26話  27話 28話 29話 30話 31話 エピローグ(完)

 風向きと言うのは妙なもので、風が前から吹いてくるか、背中から吹かれるか、たったそれだけの違いでそのときの勢いを良い方にも悪い方にも加速させる。

 そして、堂道には今、間違いなく追い風が吹いていた。

「おい、尾藤! これなんだよ!? お

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エピローグ 部下に手を出す信用できない上司のその後

エピローグ 部下に手を出す信用できない上司のその後

1~5話 6〜10話 11~15話 16~20話 21話 22話 23話 24話 25話
26話  27話 28話 29話 30話 31話 エピローグ(完)

花金。

駅前の本屋。

写真週刊誌。

グラビアアイドル。

「カチョー!」

「うわっ、なんだよいきなりビビらせんなよ!」

高校生。

少年バスケの元教え子。

「グラビア立ち読みとか、おっさんみてー」

「うるせーな。十分オッサンだ

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1.堂道、再び!

1.堂道、再び!

「玉響さん、玉響さん!」

 羽切が小走りにやって来たのは、始業してすぐのことだった。

 すっかり面々の変わってしまった営業部は、羽切にとって感慨深き古巣ではないらしい。特に辺りを懐かしむ様子もなく、糸のデスクへ一目散にやってくる。

 一年半前、羽切は経営企画室に異動になり、そして昨秋昇進した。異例のスピード出世で、いまや花の経営企画室長様だ。
 営業部員も多くがその部署に憧れる。自信の表れか

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2.堂道、新天地!①

2.堂道、新天地!①

 引っ越しや新しい職場環境に堂道の身辺が落ち着くのを待ち、糸が実際に強行突破したのは離れ離れになってから三ヵ月後のことだった。

 その間も連絡は取っていた。
 とりとめもないメッセージを毎日送った。以前のように無視はされなかった。わりとマメに返事がきた。
 しかし、「会いに行っていいですか」にはダメの一点張りで、そのうち、NOのスタンプ返しだけで済まされるようになったので糸も尋ねなくなった。
 

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2.堂道、新天地!②

2.堂道、新天地!②

戻ってきた堂道はやはり怖い顔をしていた。

店には、ただ糸を迎えにきただけで席に着く様子もなく、糸がすでに飲み干していたアイスコーヒーのトレーをご親切にさっさと片付ける。

「あ、すみません!」

糸は慌てて立ち上がり、隣の席に置いてあった荷物を掴む。 
 いつもより大きめの鞄だ。

「なんで来たんだよ」

店の外に出ると日が暮れかかっていた。次第に暗くなっていく空とは逆に、気分はいくらか明るくな

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3.堂道、鉄パンツ!①

3.堂道、鉄パンツ!①

「それから二回突撃して、明日また行くの」

 安い居酒屋は混み合っている。
 小夜と草太に語って聞かせると小夜は涙をぬぐう真似をした。

「糸、無敵すぎだよね。けなげで泣けてくるわ」

「糸ちゃん、それ絶対ゲシさん嬉しいから。喜んでるから」

「そうだといいなぁ」

 糸は言って、生ビールをぐいと煽る。
 最初にアポなしで訪れてから、糸は一か月に一度の割合で堂道を訪ねている。

 一回目は前述のと

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