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機械化で冷たくなった部分を補えるのは、やっぱり人間の優しさなんじゃないか。

いつだったか、総合病院の近くのスーパーに行って、感じたことがあった。

比較的いろんなものが安いこのスーパー。11時過ぎにたまたま寄ってみたら、結構混み合っている。病院帰りであろう、おじいちゃんやおばあちゃんも多い。

レジの列も混み合っている。スタッフも必死でピッピッと、商品を次から次へと会計カゴに入れている。
私は、レジスタッフの経験がないから、こんなにストレスの溜まりそうな仕事、よく笑顔でやってるなぁと思う。キレイに会計カゴに詰められるのも、経験がものをいうのだろう。

こんなご時世だからか、小銭をあまり触らないようにと、このスーパーでも現金払いの場合は、セルフレジが置かれるようになっていた。混雑していて、セルフレジも全部埋まっている。

そんな中、私はこんなおばあちゃんを発見した。

なかなか小銭が出せないおばあちゃん。セルフレジの音声が流れる。

「お金を投入してください。」

おそらく最初の音声じゃなくて、2度目の音声。おばあちゃんはセルフレジに対して、怒っている。

「いやいや、いま準備してるって!!」

以前システムエンジニアをしていたので、すぐ思ったことがある。

(あぁ…この音声の2回目、もっと時間の間隔を長くできないのかな。)

***

私がシステム開発をしている常駐先は、限られた人だけが使う、特定のシステムだった。ある機能に対して、1人か2人。それも、パソコンに不慣れな人が多く、よく相談をうけたし、月に1回しか使わないという方には、毎回、立ち会ったりもしていた。そんなことを6,7年続けた。

「やっぱり、まるちゃん(私の当時のあだな)がいないと、操作できないよ。」

毎回、ありがたい言葉を頂くことができた。特定のシステムだから、その人が使いやすいように改善したこともあったけど、担当者が変わればまた最初から教えなくちゃいけなかった。だから、よくお客さん先で立ち会ったけれど、この立ち合い作業、社内からは「それはやりすぎ、電話での問い合わせだけでもいい」なんて、冷たい評価だった。

ただ、お客さんからは評価は高く、私は最後までこの立ち合いを辞めなかった。こういう「人の優しさ」というのが、システムという機械的な、冷たい感じを埋めるのに必要と感じていたからである。

***

セルフレジの話題に戻る。確かに、音声の時間間隔を少しあければ、そのおばあちゃんも多少はお金を準備できたかもしれない。でも、たぶんこのセルフレジは汎用性があるから、その人にあわせて改善なんかできるわけないよなぁ…と自分で考えを思いなおした。

noteの記事で、セルフレジ関連の記事を検索した。すると、いい感じの記事を発見。



そうそう、機械をよくするんじゃなくて、人が必要なんだ。
この『スローレジ』という考え方をもっと広める必要があるのではないかと思う。

なんでも機械化していく時代だし、その流れ自体を否定する気はない。それでも、人にしか分かってあげられない、機械化できない部分はずっと人間が抱えていくべき課題なんじゃないかと思う。

機械は便利だけど、冷たい。人間は時には冷たいこともあるけど、あたたかくもなれるのだ。機械化するときに、少数派の人たちを救えるよう考えるのは、人間の優しさにしかできないんじゃないかなと、私は思っている。

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