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【学校に行ってみた】フィンランドの私立校(Kulossari Secondary School)

世界周遊28日目:ヘルシンキ

ヘルシンキ1日目に市内観光として素敵な図書館に行きました。
綺麗な図書館というだけでなく、中にある施設が図書館とは思えないほど幅広かったです。

そして何よりサーモンが絶品です。
脂が乗っててプリプリでした。

オールドマーケットという海沿いの市場で食べたサーモン、、
この見た目でかなりジューシー

さて、今回はそんなヘルシンキで訪問した学校を紹介していきたいと思います。
フィンランド教育といえば世界でもトップクラスで、以前にnoteでも紹介させていただきました。
そのフィンランドに実際に足を運び、見学させていただけたのは本当に貴重な経験でした。


🔶ヘルシンキの学校 Kulosaari Secondary School について


Kulosaari Secondary Schoolはヘルシンキの中心地から公共交通機関で15分ほどの場所にある私立学校であり、
さまざまな国をバックグラウンドに持つ子どもたちが通うインターナショナルスクールです。

創業はなんと1940年!歴史のある学校です。
生徒が学ぶメインの建物は1950年代に建てたものらしいですが、
古さはあまり感じず、綺麗な学校という印象でした。

生徒数はおよそ900名で、
中高(相当)の6年間学校に通っています。(ギャップイヤーで7年生もいけるそうです。)

40カ国以上の国の生徒が通っているらしく、
言語の授業が豊富です。
授業はフィンランド語と英語を使って実施することが多いそうです。
フィンランド語が母語でない生徒も多いので、フィンランド語を重点的に学ぶクラスもあるんだとか。

学校の施設紹介

学校はKulosaarie駅から徒歩5分の好立地です。

2022年の10月に新校舎が完成するそうで、今は工事真っ最中。
なので学校の周りは柵だらけでした。笑

学校の正面玄関、、だったのかな?
学校のホール
モダンな煉瓦造りで素敵な空間でした。
それぞれの席の下には7~9年生(中学生相当)の荷物入れになっています。
左右の階段からはそれぞれ教室に繋がっていました。
英語を学ぶ教室
ほとんどの教室は白い壁、茶色い床でした。
この教室は英語の授業で使う教室だそうで、イギリス感満載にしてみたそうです。
家庭科の教室
この写真の左右には生徒がたくさんいて、フィンランドの家庭料理を作っていました。
中には茹でる前のパスタを食べちゃってる子も笑
海外の私立学校には3Dプリンターがありがち。

🔶フィンランドの先生に話を聞いてみた。


今回は、学校内を案内してくださった数学科のLinda先生にお話を聞きました。
そのほかの先生方に聞いた話も踏まえて、僕なりにまとめていきたいと思います。

先生同士のコミュニケーション量と質

話を聞いていて重要なポイントだと感じたのは、先生同士の会話量でした。
職員室に入らせてもらったのですが、そこには先生方の机があるわけではなく、先生方のローカーとコートをかけるクローゼットの他にはオープンスペースに机がいくつかと簡単なキッチンがあるだけでした。

至る所で先生方が会話している姿が見られ、
先生が個人で作業をしている様子はほとんど見られませんでした。
もちろん授業の準備などを個人で行うことはあるそうですが、他の先生方との対話の時間は先生方全員が大事にしているそうです。

対話の内容は、
教科が同じ先生同士では教え方や授業スタイルの共有や合同授業の相談など
その他の先生方とも、子どもたちの情報交換やクロスカリキュラムの相談など
とにかくフランクにお互いの意見共有をするそうです。

フィンランドではいい意味で上下関係によるしがらみがないそうです。
先生同士尊敬しているし、年上や目上に対して敬意を示すが
意見が言えなかったり自分の考えを押し殺したりすることはないそうです。

ちなみにKulosaari Secondary Schoolの学長にあたる先生は30歳で現職に就いたそうです。💦
年齢や経験はもちろん1つの評価対象だが、それが特別視されることはない。とおっしゃっていました。

そんなフラットな関係だからこそ、
経験豊富な先生方はその経験値から出せるアイデアを出し、
若手は最新の教育メソッドに基づく先鋭的なアイデアを出し合えるそうです。

そしてその根底にあるのは、
教員という職業に対する尊敬なのではないかと思います。
フィンランドでは「なりたい職業ランキング」で教員がほぼ1位になるそうです。(給料がそれほどいいわけではないのにです。)

さらに、教員になるためには大学院を卒業しなければいけないので簡単ではありません。
それだけ強い思いを持ち、学習を重ねてきた人たちだけがなれる職業なんです。
そこに対する尊敬と自負が、より良い教育のために対話を繰り返す姿勢に関係しているのではないかと思います。

また、フィンランドの方は対話に慣れているのではないかとも感じました。
その理由として
ミドル(中学相当)とアッパー(高校相当)では生徒間でのトラブルはほとんど起きないんだそうです。

これに関しては初等教育の賜物だと考えていて、
小学生のうちからお互いの考えや価値観を尊重できるようになり、
意見が違う生徒ともコミュニケーションをとりながら協働していく授業を行うため、大きな対立が起きない(起きても自分達で解決できる)のではないかと思いました。

初等教育時に対話を通して円滑なコミュニケーションを行う訓練をしているため、中等教育やその後の社会に出てからも対話に対するストレスが少ないのかもしれません。

それかそういう国民性なのか、、笑
(今回の旅ではその本質を理解し切れませんでした。)

生徒の心のゆとり

近年、フィンランドでは大学進学のための評価基準が全国統一テストに統一されたらしく
これに伴い、生徒の全国統一テストに向けたストレスと焦りが増したように感じているそうです。

生徒間で、勉強の成績やその他の能力を比較し劣等感を感じてしまうことはないのか質問したところ、
劣等感がないということは全くなく、むしろ近年強くなっていると感じているんだとか。

しかし、先生方の意見は一緒で
「自分のレベルに合った学習をする方がよい」
というものでした。
先生曰く

高いレベルの学校に行けば、それだけ成績の良い生徒に合えるし、環境も恵まれている可能性が高いです。
だから生徒たちは頑張って上のレベルを目指したがります。
私たちもそれを応援する気持ちはあるし、サポートもしていきます。

しかし、今からストレスを抱えながら勉強して
無理をして高いレベルの学校に入ったとしたら、その環境では授業について行くためにさらに勉強しなければいけません。またストレスを抱える環境になります。
それが本当に子どもたちの幸せになるのかは疑問ですし、子どもたちと話し合って決めていかなければなりません。

その子にとって何が幸せなのかわからないため話し合いが重要ですが
先生が共通してこうような考えを持ってくれていることは生徒の心のゆとりにつながるのではないでしょうか?

先生が生徒に高いレベルを目指すように強要することがないというのはそれだけでとても素敵なことだと思います。

ちなみにフィンランドでは学歴が良いほど高収入や高待遇の職種につながるというわけではないようなので、その辺の社会の意識も影響がありそうです。

クロスカリキュラム

フィンランド教育といえば、子どもたちの自由意志によって自分のカリキュラム(学習)を選べる学校システムや単一の教科ではなく教科横断型の授業が有名かと思います。

しかし、それは初等教育でよく見られる後継だそうです。
中等教育期間ではより専門的な教育を行うためにも、教科が独立した授業を持つことが多いんだとか。

ただ、対話重視や体験学習を重要視する姿勢は変わらず。
授業内では先生からの一方通行ではなく、生徒が頭を使っている様子がよく見られました。

また可能であればより実社会に近い学習を提供したいという考えからクロスカリキュラムを実施することもあるそうです。

授業ではありませんが、課外活動で6グラムのプラスチックを使ってどこまで頑丈な橋のモデルを作れるかを競う大会があるそうです。
物理や数学、デザイン性などを統合した活動を取り入れながら学ぶ重要性は共通意識としてあるんだそうです。

しかし現実問題として先生の負担や時間割の複雑化が挙げられ、クロスカリキュラムを常に実施することはできないそうです。

高等教育に近づくにつれ、全国統一テストで好成績を収めるためにも専門的な知識を記憶する授業の必要性が高まってきているのかもしれません。

🔶まとめ


今回はこの旅で1番の目的と言っても過言ではない、フィンランドの学校訪問について書いてみました。

フィンランドの学校がすごい!!
フィンランドの教育はすごい!!!
という考えを持って迎えた学校訪問でしたが、
学校のシステムや施設は、日本の先鋭的な学校とそれほど違いありませんでした。(これがフィンランドのスタンダードだと考えるとやはりすごいのですが、、)

ですが、もっとソフトな部分
先生や学校のスタンス、教育への考え方や生徒と向き合う姿勢
初等教育から培ってきた学習に対する生徒の姿勢や考え方
これといって具体的には説明するのが難しいけど重要な部分に違いがあるのではないかと感じました。

次にフィンランドに来たときはぜひ初等教育期間にもお邪魔させていただきたいと思います。(コネを探さなければ、、)


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