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フィンランド生まれのユリアナさんにフィンランドの教育について聞いてみた。

こんにちは!
最近教育について色々勉強中で、
せっかくなので勉強したことどんどんnoteに書いていこう!企画中です。

前回フィンランドの教育についてざっくりとた情報を書かせていただきました。フィンランドの教育について
調べているうちにさらに興味が出てきてしまい、せっかくなら詳しい方にお話を聞きたいと考え、今回はフィンランド生まれのユリアナさんにお話を伺っちゃいました。
さらにフィンランド教育に詳しいちかちゃん(地下智隆さん)が参戦してくださり、フィンランドについてさらに学ぶことができました。

今回話を聞いたお二人

さて、早速気になるフィンランド教育について根掘り葉掘り聞いていきましょう!

フィンランドでは「主体性」をどうやって育むの?


いつも通り僕が1番気になる質問からさせていただきました。僕が高校の時とか将来の夢とか好きなことが明確な友達なんてほとんどいなかったけど、日本や他の環境も一緒なのでしょうか?

フィンランドの高校生は将来の夢を持っているの?

「持っている子もいれば持っていない子もいる」と言われてしまいました。(質問が悪い笑)
深く話を聞いていくと、高校生のうちにやりたいことが決まっていて、その通りに将来就職した人は多くはないそうです。
でも高校生の時に自分の将来に対して質問された場合、大体の方が「これ」という職業の名前を答える代わりに、「こんなことに興味があって、こんな仕事についてみたいと思ってるんだよね」と答えるのではないかと言ってました。
明確な職業ではないが、自分の中で大切にしたい軸や興味のある分野を意識して考え始めている段階というところでしょうか。

というのも、かなり早い段階から「社会」を意識するようになり、「社会」と「自分」の関わりについて考えさせる機会が多いのだそうです。
小学校の後半から「政治」や「経済」についての意見を問われるようになり、常に社会を意識する環境があるそうです。

フィンランドの職業体験 TET

そして、中学生に上がるとTETと呼ばれる職業体験があるそうです。
「職業体験なら日本にもあるよ。」と対抗してみたのですが、これがまたすごい!全然違う!
フィンランドでは社会全体として教育に対する理解がとてもあり、どの企業であっても職業体験を基本的には受け入れてくださるそうです。
全国どこへでも行っていいんだとか。
学校からいくつか候補が出されるそうですが、基本的には自分で調べて自分でアポイントを取り、参加することができるそうです。

社会全体としての理解があるからこそ、このシステムが実現し、子供たちの主体性を伸ばしていけるのだと感じました。

学ぶための選択肢が多い!

曰く、小学校から選択授業があり、自分の興味に従って学ぶことができるんだそうです。
大体の感覚的には以下の割合が選択授業なんだとか。
小学校で10%
中学校で20%
高校で50%
自分が何をしたいのかを常に考えながら進学することができるわけですね。

そして、学び直しが何度でもいつからでもできるんです。
例えば、中学校を卒業すると高校か専門学校に進むのが一般的ですが、
途中で専門学校に進路変更したり、逆に高校に行くことにしたり、自由に進路変更することが可能です。
その後も、大学、高等職業専門学校など、どの道に進むことも全てがフラットに選択肢として与えられるそうです。

ベネッセ教育総合研究所

自分の学習到達度に合わせて、学び直しが何度でも自由で、しかも無料!!
一度社会に出てから、高校などの中等教育に戻る方もいるんだとか。

転職に対する考え方が違いすぎた

「え、そんなに転職してたらあんまりイメージ良く無くない?」と聞いてみたところ、「転職回数が多いと会社からの印象がいいんですよ」驚きの答えが返ってきました。

ご存じの通り、日本では「早く落ち着きなよ」「転職ばかり=すぐやめる」「専門性が身につかない」などの印象があるかと思いますが、
フィンランドでは転職回数が多いほど多くの経験を積んでいるて、それだけ多方面で役に立てる人材だと思われるそうです。

そのため、フィンランドでは転職が当たり前。むしろ同じ仕事をずっとしていると「大丈夫?」「そろそろ他の仕事もしてみたら?」となるそうです。笑

個人の選択を尊重するシステムが整っている

上記のように、人生の選択肢が多く、それを早い段階から選ぶ経験をくりかえるシステムが、主体的に自分の人生歩むために役立っているのかもしれません。

そんな風に思い、感心していると思いがけない言葉が、
「いや、でも親は子供の人生にめっちゃ口出してきますよ笑」
「え?笑 親も理解があってみんなで自由な人生を応援するんじゃないの?」

詳しく聞いていくと、そうは言っても親は自分の子供のこととなると「あれがいい」「これは微妙」と口を出してしまうそうです。笑

そんな中、学校の先生はある意味でとてもドライな存在で、
「あなたが決めなさい。私にあなたの人生の責任は取れないから」
と突っぱねる
んだとか。
日本の学校の先生はそういう意味ではサポートが手厚すぎるのではないかと言ってました。

フィンランドではどんな授業を行うの?


フィンランドでは可能な限り平等に、その方にあった(個別最適化された)学習を提供するように心がけられているそうです。
しかし授業中に全くレベルの違う生徒に向けてどうやって適切なレベルの学習を提供するのか気になって聞いたみたところ、さまざまなお話が聞けました。

教科書の種類が多い

教科書が無数にあるそうです。笑(先生泣かせ!😭)
しかも教科書が面白い!(それはありがたい!😆)

教科書と言っても資料集のようなものが多いそうです。
無数にある教科書を使ってどのような授業をするのかは、学校の先生に委ねられており、自分のしたい授業にあったものを選べるんだとか。

そして、個別最適という意味では
同じ内容の教科書でも何冊かレベルがあり、自分のレベルにあった教科書を自分で選べるそうです。
難しすぎても簡単すぎてもやる気って失せますよね。
だからこそ、自分にあったレベルの教科書を使って授業に参加することが大事なのかもしれません。

テストは知識50%、技術50%

そうなってくると成績評価はどうするんだってなりますよね。
成績評価は基本的には学年末に1回だけだったそうです。
観点は色々あるそうですが、いわゆる知識の習熟度だけでなく、技術(スキル)も含まれるそうです。

定期テストでは、
授業内で学んだ知識を問うテストが50%
身につけた知識を使ったパフォーマンステストが50%
くらいだったそうです。

前回の記事で紹介した動画でもありましたが、
知識を問うテストでも選択問題はほとんどなく、正確に知識を身につけているかを問われるそうです。

パフォーマンステストでは
プレゼンテーション、エッセイライティングなど学んだ知識をアウトプットするテストが基本だそうです。(ここは一緒ですかね)

ちなみに学年末に評価される項目としては
・マナー(授業態度)
・コミュニケーションやコラボレーション力
・クリティカル思考
・クリエイティブ思考
など、非認知能力も重要視されているそうです。

フィンランドの教員ってやっぱりすごいの?


フィンランドで教員になるためには修士課程を終了する必要があり、教員はやはり尊敬される職業なんだとか。
そんな教員も転職が多いのか聞いてみたところ、
「教員は転職をあまりしない」そうです。笑

実はフィンランド、教員のお給料があまり高くないことで現在(2022年)ストライキが起こっているんだそうです。
そんなご時世でも教職課程に進み、教員を志しているユリアナの友達によると、
「それでもずっと成りたかった職業だし、私が1番したいことは教育なの!」
とはっきり言うらしいです。

それくらい教員になる人は自分の職業にプライドを持っており、高いモチベーションがある人が多いんだそうです。
だからこそ、ほとんどが公教育で、給料に差がなく(一律で低く)ても教育の質を担保できるのかもしれません。
(それでも個人的にはそれだけの質を国単位で担保できることが疑問でなりません。ここは実際にフィンランドに行った時に詳しく聞いてみたいです。)

最後に

以上!今回はユリアナとちかちゃんにZOOMで実際にお話を聞かせていただきました。
まだまだ聴き足りないこと、
聞いててさらに興味が湧いたこともありました。

今後もさらに教育大国フィンランドについて調べていき、
どんどん学んでいきたいと思います!!

みなさんが知っているフィンランド教育についても
よければコメント欄で共有していただけると嬉しいです👏

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