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【私の仕事】 忘備録(92)中国メンズエステ 「賃貸借契約書」の保証人
◆この記事の内容:
口約束ではなく「賃貸借契約書」を結ぶことが重要であることを書いています。
【私の仕事】 忘備録(91)エスパーになりましょう!からのつづきです。
どうしてもメンズエステ「S」店を買いたい
整体店の中国人ママはどうしてもメンズエステ「S」店を買いたい。でも、それを邪魔する人がいる。
その人は、ママの堺市店で働く「王さん」。
邪魔をする理由は、整体店の中国人ママは自分の堺市店を売ったお金でメンズエステ「S」店を買おうとしているからだ。つまり、王さんが働くところがなくなってしまうからだ。
でも、ママが55万で「S」店を買おうと思っていたところに、「80万円で買う」と申し出た中小企業の日本人社長が現れた。
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王さんは、「S」店で働く中国人の「ゆきさん」(仮称)と友達。
「ゆきさん」は日本人社長と知り合いで、その社長に「S」店を買うように裏で動いているようだ。
ややこしい話になっているが、中国人ママがどうしても「S」店を買いたいと言うので、僕は協力することにした。
ゆきさん
「ゆきさん」にWechatで電話した。「ゆきさん」という名前は本当の名前ではない。ママさんたちは、最初知り合ったとき、名前を聞くとなぜか、同じような名前を言う。
「ゆき」が1番多い。2番目は「みき」、3番目は「まり」。携帯電話番号を交換するくらい仲良くなったら、本名を教えてくれる。
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その「ゆきさん」に電話した。
僕:「こんばんわ。先日はありがとう。店、売れたかな?」
ゆきさん:「まだ売れないのよ。」
僕:「王さんと友達らしいね。 あの日本人の社長も知り合い?」
ゆきさん「うん、友達よ。日本人社長ってなに?」
僕:「80万円で「S」店を買うって言った日本人。」
ゆきさん:「あぁ。あの日本人ね。わたしが「S」店のママに紹介したの。はやく売れてほしいから。あの社長に女がいるの。わたし、その女の人も知ってるよ。」
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僕:「ふ~ん。たぶん、その日本人の社長はその女の人に店をさせるんやろうね。まだ、あの店買ってないよね?」
ゆきさん:「あの日本人の社長、80万円持ってくるって言ったけど、その日、来なかったのよ。」
僕:「その社長の名刺、持ってる?ラインで送ってくれる?」
ゆきさん:「ないよ。本名と電話番号は分かるよ」
僕:「じゃ、それでいいよ。あとはこっちで調べるよ。」
ゆきさん:「あの社長が買ってくれたらいいだけど。。」
僕:「社長をやってるような立派な人、ちゃんと「S」店の不動産屋と契約したいと思うよ。「S」のママに80万円払うって、それ、『又貸し』」やんか。」
ゆきさん「『又貸し』って何?」
僕「賃貸契約で、やったらダメなこと。今度、ちゃんと説明するよ。その社長、80万円払った後、月々の家賃もママへ払うことになるんやろ? 俺やったら、絶対、そんなことしない。店の不動産屋の場所、どこ? それと、店のオーナー、誰かわかる?」
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ゆきさん:「不動産屋は知らない。オーナーは、あの店のビルの5階にいる。」
僕:「あのビルの5階か。そこで住んでんの?」
ゆきさん「住んでないよ。あなた、前に見たことあったでしょ。覚えてるかな、店にきた女の人。あの人がオーナーよ。」
僕:「あぁ、あの30歳くらいの女の人か。そういえば「S」店のママと話をしてたね。メンズエステ店なのに、女性が入ってくるって珍しいなあと思ってた。あの女の人、中国語で話してたけど、中国人ではないね。たぶん。」
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28515310/picture_pc_67c421f37adc293bb08b3346afbd87c7.png)
ゆきさん:「あの人、韓国人よ。レストランとか、他に商売もやってる社長さんよ。」
僕:「ということは、「S」店のママは、その韓国人の社長と直接賃貸契約をしてるんやろな。」
カラオケ付き居酒屋
ゆきさん:「あなたの友達の整体店のママはどうなの?この「S」店買うの?」
僕:「あの人はすごく買いたいんだよ。買うと思うよ。55万円ならね。」
ゆきさん:「とにかく早く売れて欲しいわ。わたし、やりたいことあるの。」
僕:「S 店をやめたら何するの?」
ゆきさん:「居酒屋をしたいの。カラオケもできる店。」
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僕:「大阪市内で? 今は難しいと思うよ。友達が市内で居酒屋とカラオケ屋をやってるけど、利益出ないから、店売りたいって言ってたよ。」
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28515347/picture_pc_b31b3a151768147d4e51b76bd04784ee.png)
ゆきさん:「その店はどんな大きさ?どこ?大阪?」
僕:「その人、紹介するよ。俺も頼まれてるから。中国人の女の人やから言葉の問題ないでしょ。連絡先をラインで送るよ。その代わり、日本人社長のこと、何か動きがあったら、すぐ電話で俺に知らせてよ。わかった?」
ゆきさん:「うん、連絡する。」
さらに100万円必要
ゆきさんと電話で話した後、すぐに整体店のママに電話した。
僕:「もしもし。ママ、今、いいチャンスやから、現金持って「S」へ行って。」
ママ:「今から? まだ売れてない?よかったぁ。」
僕:「55万円に値切るのをやめて、もう、60万円払ったほうがいいよ。」
ママ:「わかった。でも、店の改装費とかエステ機器の購入とか、まだ100万円くらいかかるのよ。」
僕:「まぁ、そのくらいは要るよ。100万円くらい用意できるやろ?」
ママ:「それがね、いま、すぐ用意でくるお金は60万円だけなのよ。60万が全部。」
僕:「はぁ?全部で60万円しかないの?じゃ、あとの100万円は旦那さん出してもらえばいいやん?確か、社長やろ?」
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ママ:「ダメよ。あの人には、「S」店を買うこと、内緒なのよ。」
僕:「内緒?秘密ってこと? それやったら、店を買うのは無理や。」
賃貸契約書の保証人
ママ:「どうして?」
僕:「あの「S」店のママに60万円払った後は、ちゃんと、オーナーと賃貸契約を結んだほうがいい。家賃、けっこう高額やから、契約するとき、保証人を要求されるよ。そのとき、旦那さんのサインが必要になるよ。」
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28515406/picture_pc_bdad5272415cb9aa63bd784ccdf10737.png?width=800)
僕は実家がバブル時期に不動産関係もやっていて、そのとき、賃貸契約書の保証人の大切さをよく知っていました。
それと、サラリーマン時代に外国で事務所を増やすとき、賃貸契約書で保証人の重要性について勉強しました。失敗もたくさん経験しました。
トラブルが起こったときに重要なポイント。何も起こらなければ、賃貸契約書なんか日頃、見ることはない、でも、商売をする限り、トラブルは起こる。契約書の関係は最初にきちんとしておいた方がいい。
(令和2年4月1日から賃貸借契約等に関する民法のルールが変わっています。)
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28515434/picture_pc_541447776f4dce27bba6f8e10604ecb8.jpeg)
口約束ではなく金銭が関われば、お互いに「書いたもの(書面)」を取り交わすことが大切。これは賃貸借契約書に限ったことではありません。
このあたりは、【私の仕事】 忘備録(51)決めたことを書面で残す大切さ で書いていますのでご参照ください。
旦那には言いたくないんだけど。。。
ママ:「旦那には言いたくないんだけど。。。」
僕:「お金も60万円しか用意できないんやったら、難しいな。最初の数か月は、すぐ利益出ないと思うよ。店の改装費などの100万円と、まだあともう100万円くらいは要ると思ったほうがいいよ。エステシャンたちの給料だって支払うんだから。」
ママは、実際、そのあたりはよく理解しているようだった。
ママ:「今日、旦那に話してみる。。。」
僕:「そのほうがいいよ。賃貸契約書の内容については僕がチェックしてあげるよ、得意だから。それと、堺市の店、はやく売って、現金にしたほうがいいよ。そうしないと、「S」店を買い取る件、60万円で進むのはリスク大きいよ。」
商売は計画性をもって動かないといけない。。ママさんたちと商売の話をしてると、「子どもの社長」とビジネスをやってるような感じ。やっぱり「子供社長」は失礼かな。中学生とビジネスをやってるような錯覚をしてしまう。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28515536/picture_pc_ed4152bc0d5a4e341df2c47c272a07f3.png?width=800)
ただ、「あの店買いたい!今、お金ある。よし買ってしまおう!いますぐ商売を始めるぞ!」
この素早い感覚については僕は大好きだ。素晴らしいと思う。日本人にはないスピード感だ。でも、当然ながら失敗も多い。
大阪市内で「食べ物」屋さん
整体店のママも過去に市内でメンズエステ店をしたことがあったらしいが、短期間でつぶれたらしい。友達と共同経営したのが失敗だったとママさん本人が言ってた。
僕知り合いのママさんたちは、エステ店をやってるのに、どういうわけか、「食べ物」屋さんを経営したいと言い出す。
行動力は早いので、すぐ店を買ってしまう。僕の知ってる限り、中国料理店が多いが、ラーメン屋、カレー屋、トルコ料理店もあった。でも、途中でやめてしまう。それは、ママさん自ら店に出ようとするからだ。
料理の腕があればいいけど、ママさんたちは素人だ。店の経営も自分が全部、前に出てやろうとする。自分に経験がなければ、経験者を雇ってすべて任せたらいいかもしれない。
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たべやさん?
大阪で食べ物の店なんて、いっぱいあるから、一回でも美味しくなかったら、次から客さんはその店には行かない。
そういえば、思い出した。
「S」店のママも店が売れたら、「食べ屋さん」をしたいと言った。
「たべやさんって、中華料理店とかラーメン屋の「食べ物を売る店」のこと? 何の店をしたいの?」とママに聞くと、
「焼肉屋」をしたいと言った。安くて美味しい肉を入手できる特別なルートを持っているらしい。あのママさん、ほとんど日本語できないけど大丈夫なのだろうか?
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泣いてかかってきた電話
数日後、整体店のママから泣きながら僕の携帯電話の方にかかってきた。
何?何が起こった?
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普段はWechatかラインでかけてくる。携帯電話にかけてくるって、よっぽど慌てているようだ。
【私の仕事】 忘備録(93)メンズエステ「S」店の売買交渉の失敗 へ
つづく。。。
*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。
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よい子の皆さまは読まないでくださいね。