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人事はインセンティブを創る

前回、「人事はサイエンスに依拠する」ということで、①実績、②評判、③潜在能力の3軸について「確率・統計」を用いるという第2の技術についてみなさんと共に考えさせて頂きました。

「なんか冷たい感じ」

「どーやったいいかわからない」

「ヒトは数字で測れない」

といった感想を持たれた方も多いのではないかと思われます。数字の重要性は、さらに具体的に後述させて頂くこととします。

今回は第3として、「人事はインセンティブを創る」という技術について考えさせて頂ければと思います。

「なんかあくどい」

「打算的」

インセンティブという言葉にそのようなイメージを持つ方もいらっしゃるかと思います。

働く人にとってのインセンティブは、「無形資産」と「有形資産」の大きく2つの要素に分解されると考えています。

まず、無形の資産としてのインセンティブは、①学習、②成長、③仲間の3つがあり、有形の資産としてのインセンティブは、①安定的な金銭報酬と②達成感の対価として金銭報酬があります。

前者については、組織に属することによって得られる「知識」「技術(スキル)」「働き方」などを通じて、個人が「成長」をし、人生を自分で生きていけるような能力を身に着けることを人事が支援することを指しています。もちろん、不安を感じた時、また意欲を沸き立たせてくれるような仲間やチームの存在も重要なインセンティブです。

後者については、もちろん「お金」のことですが、「安定的」な報酬だけでなく、なにかを成し遂げた時(実績に応じて)にきちんと金銭で報いることがとても重要です。

私が人事として特に重要であると思っているのは、意外と思われるかもしれませんが、特に後者の何かを成し遂げた時の対価です。

日本においては、進歩(Progress)と協調(Harmony)という2つの概念のうち、特に後者に力点がおかれるため、何かを成し遂げた際の対価が小さいことが多いと思われます。

人事の目的に立ち戻ると、ハーモニーも重要ですが、プログレスつまりカイゼンやイノベーションもさらに重要だと思われます。

個人がイノベーションに優先順位をおいて働くような仕組みをバランスよく創ることは、組織がモメンタム(勢い)をもつために、人事が率先して取り組むべき領域です。

お金の話はとかく「横においておく」ことがままありますが、無形・有形の働くことのインセンティブを戦略的かつバランスよくデザインすること、これは人事の重要な技術のひとつだと考えます。

みなさんはいかがお感じになられたでしょうか?

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