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    初めて見つけていただいた方は、ありがとうございます。
 いつも読んでくださっている方は、さらに、ありがとうございます。
 そのおかげで、書き続けることができています。

 先日、「note介護相談」を始めました。
 ご利用方法なども、この記事の中↓にありますので、よろしかったら、ご相談のことも、ご検討くだされば、幸いです。

note介護相談

   今回も、ご質問をいただきました。
 本当に、ありがとうございます。

 遠方にご両親がいらっしゃって、お母様がお父様の介護を10年以上、献身的に続けていらっしゃいます。質問者の方も、義父母の方への介護経験がある方です。

 ご質問は、こちらです↓。

 (母が父を介護していますが)娘の私からみても、どうしてそこまでと思う気持ちがあります。デイサービスは利用しますが、特養入居を断ってしまったり、老健入所を断り自宅で看ようとします。手厚い介護をすることによって父の身体状態が良くなることは事実です。義父母が不安や怒りという強い感情にとらわれている時、私もそれに引きずられてしまう感覚は、すごくありました。母が父の死後自然に死を受け入れ、健康的な日々を送れるようになれば良いのですが、母の精神状態が不安定な時、マイナスの感情に引きずられないで、母の力になれるのか不安です。」(まーぶるちゃん)

 まずは、とても細やかな心遣いをされる方だと感じました。その上で、ここには、少なくとも、2種類の不安があると思いました。

 一つは、ご両親の「現在の介護状況」についての不安のようなものに思えます。
 もう一つは、ご自身の介護経験があるがゆえに、より生じやすくなる「介護終了後への不安」があると思います。

 最初に、今の状況へのことを考え、その後に介護終了後のことを考えたいと思います。
 
 今回も長めになってしまったので、必要な項目を読んでくだされば、と思っています。

両親の介護環境への不安

 お父様を、お母様が介護されている状況です。
 在宅介護で「献身的に」、娘さんである「まーぶるちゃん」さんから見ても、「どうしてそこまで」と思えるような介護です。

 「どうしてそこまで」というのは、10年以上、という長い期間の在宅介護を、おそらくお母様一人でおこなっていること。さらに、「デイサービス」は利用されても、「特養入居」や「老健入所」を断って、あくまでも自宅でみようとしてしまうところが「どうしてそこまで」というお気持ちになっている部分かもしれません。

 断ってしまった、ということですから、申し込みをして、何年か待って「入居できます」ということになっても、その時点で断ってしまった、ということなのでしょうから、遠くから見守っている「まーぶるちゃん」さんからは、おそらくは、「もう十分、家で介護したし、それ以上頑張ったら、お母さんが倒れてしまう」といった心配もあると思います。

 もう一つは、もしかしたら、「どうしてそこまで」在宅介護「こだわるのだろうか」といった、ある種の「理解しにくさ」への戸惑いからの不安もあるのかもしれません。

在宅介護への心配

 まず、お母様が、10年以上、デイサービスを利用しつつ、自宅で介護を続けながら、おそらくは、その介護の質が落ちていないところは、とても凄いことだと思いました。

 手厚い介護をすることによって父の身体状態が良くなることは事実です。

 ただ、そのお父様の状態がよくなることと引き換えに、「まーぶるちゃん」さんは、お母様の消耗が心配になっているのだと思います。毎年、ご年齢を重ねるほどに、お母様の体力が落ちていく可能性もあるのですから、そうしたことも含めると、さらに心配は大きくなると思います。

 それは、介護を受ける側(お父様)の状態がよくなるために、目に見える部分や見えないところも含めて、家族介護者が、どれだけの細やかな介護をしているのか。そのことを、「まーぶるちゃん」さんが、介護の経験があるために、より想像しやすく、それだけに、その負担や負担感も身を持ってわかるだけに、余計に心配になってしまう部分はあると思います。

 例えば、介護には終わりも見えず、基本的には24時間体制での緊張感が続いているわけですから、こうして書いている現在でも、お母様の介護は続いているはずです。

 そう思うと、やはり心配が膨らむのは、分かるように思います。それに加えて、ご両親が遠方にいらっしゃるようですし、さらに、今のコロナ禍では、頻繁に会うこと自体にリスクが伴うので、会えないことで、さらに不安も大きくなりがちです。

 それは、娘さんとしても、介護経験者としても、ごく自然な気持ちだと思います。
 このご心配や不安に関しては、自然であるのと同時に、この不安を減らしたりするのは難しいことだとも考えられます。心配するのをやめよう、と思って、スムーズに行けば、おそらくはご苦労もないでしょうし、そうした心配自体も、目に見えない形とはいえ、介護をされている方(お母様)へのサポートの一つだと思います。

 それでも「まーぶるちゃん」さんご自身の体調には注意をされて、体調が崩れるほどの心配にならないようには、していただきたいと思っています。

介護者への心配

 私が最初に気になったのは、お母様がどのような思いや事情で、あくまでも自宅での介護を続けられているのか、ということでした。

 そこへの「理解しにくさ」が、より「まーぶるちゃん」さんのご心配を増大させているのでは、と思ったせいもあります。

 「どうしてそこまで」の理由を考えたいと思うのですが、勝手ながら、4段階くらいに分けさせていただきます。
 心配の度合いが軽い順にあげていきます。①が最も軽く、④が重いと考えてくだされば、と思います。

 また、現在の状況よりも、介護後の方が、まずは気になるということでしたら、ここからの何項目は飛ばして「介護後への不安の強さ」から読んでいただければ、と思います。

心配の度合い① 「自宅介護を望んで続けている場合」

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 この記事を読んでくださり、ありがとうございました。もし、お役に立ったり、面白いと感じたりしたとき、よろしかったら、無理のない範囲でサポートをしていただければ、と思っています。この『家族介護者支援note』を書き続けるための力になります。  よろしくお願いいたします。