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【風よ吹け】木曽の風を吹かせるために考えたこと。

最近、いい風吹いてますか。

台風の影響で、暴風に注意ですね…
風よ吹けプロジェクト発起人、町田です。
本日は、8/1に実施したイベントをどう形にしたのか、お話をさせて頂きます。
公式Instagramはこちらから!

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KISO ORIGINAL - キソ オリジナル 長野県木曽町の食・文化・ライフスタイルグッズのオンラインショップ (kiso-original.com)

本事業は、長野県地域発元気づくり支援金を活用して事業を実施しています。


2023年春。
中善酒造店での蔵仕事を終えて、私の心は滞留していました。
木曽という地域に出会ってから3年になろうとしていました。最初は山しかないと思っていた町には、良いモノ・コトがいっぱいあることに気づき、木曽の文化や日本酒の虜になっていました。
「この魅力を都市部に届けるには、どうしたら良いだろう。」と毎日考えていました。
【詳しくはこちらの記事をご覧ください: note記事
同じタイミングで、木曽の愉快な杜氏たちも「東京旅行に行きたい」と話していて、これは何かを仕掛けてみようと決意しました。

しかし、私には何にもない状況でした。
木曽の人脈はない。
他の仕事もあるので時間がない。
そして何より、お金がない。
ない、ない、ない尽くしでした。

そこで、In-yoの高柳 景多さん(作家・俳人・映像監督)に相談しに行きました。
In-yoとは、高柳さんとフォトグラファー・監督/石川 寛による、全ての物事に存在する光と影を表現するアーティストユニットです。

渋谷パルコ4Fのタイ料理屋さん、CHOMPOOにて。
パッタイをつまみながら、「木曽を盛り上げたいんですよねー」と相談してみました。
「・・・。」何かを考える様子の高柳さん。
数分後、パッとこんな俳句を見せてくれました。


©2023 Keita Takayanagi

その瞬発力と言葉の美しさに圧倒されました。
実は、高柳さんは別のプロジェクト「吟行飲食」で木曽に「宝探し」に来てくれたことがありました。

吟行飲食とは?
料理人/井戸@idyuta  、ミクソロジスト/御子柴@satorumikoshiba
写真家/石川@hiroishikawaphotography、俳人/高柳@keita.dotframe
の四人が、5品のペアリングコースをつくるため、"宝探し"をテーマに、長野県へ旬を探す旅をする企画。

吟行飲食

つまり、木曽の風を知っている方だったのです。

この俳句に触れたとき、
御嶽山から吹き下ろす厳しい吹雪。
蔵で布を干しているときに感じた春風。
山肌をなぞる、青嵐。
いろんな木曽の風がよみがえってきました。
「風よ吹け」と反芻し、とても気に入りました。

「東京に木曽の風を吹かせよう」と決意。
最初の小さな風は、ここから始まりました。


そこからはがむしゃらに、ひたすら企画を考える日々。

いま残っているだけでもこれだけの企画書が…。実際はもっとつくりました。

高柳さんに何度なんども壁打ちし、企画の精度を高めていきました。

ここでぶち当たった壁は以下。
・企画を形にするための資金をどうしよう。
・木曽漆器を実際に触ってもらいたいが、多数の漆器をどうやって用意しよう。
・木曽の食材を味わって欲しいが、どうしたら食材を入手できるだろう。
・そもそも、どうしたら木曽を知らない人に興味を持ってもらえるだろう。
など。

このような課題を一つ一つ打開していきました。
毎週末木曽に通い、
ときには木曽の山奥まで苦手な運転で関係者に会いに行ったり、
ときには深夜に高柳さんに電話してしつこいほど意見を交わしたり…。

そしてできあがったのが、イベントとSNSにより木曽を「伝える」プロジェクトでした。
杜氏の話の面白さや<意外性>をメインとし、木曽をちゃんと覚えてもらうために<ストーリー仕立て>にしました。

木曽を旅する若い女性(平岡 花梨)が日本酒を起点に、
綺麗な水、山の恵み、木工品へと興味を広げていく演出。

しかし、東京の方の心に刺さる一つの大きなフックがまだ足りないような気がしていました。
そこで、「食」の力を借りることにしました。
<美味しい>
という直感は、人を幸せにし、その体験は心に強烈に刻まれます。
木曽の食材・日本酒の<美味しい>は世界でも通用します。

木曽に愛があって、独特な発酵文化をよく理解し、食と酒と漆器の魅力をも最大限に引き出せる職人は・・・
二人しか思いつきませんでした。

それが、恵比寿MAENの井戸さん&御子柴さんのペア。
お二人は、徳島県と長野県の生産者から直接仕入れた新鮮な食材を使った料理に対して、その料理の魅力を最大限引き出す日本酒を提案する、ペアリングのプロです。
作り手と食べ手との「間」を、料理と酒で「縁」へと紡いでいくというコンセプトで営むMAENは、訪問する度に新しい発見と驚きに出合える、日本酒ペアリングの最先端をいくお店のひとつです。

オーナーシェフ/井戸 雄太
ミクソロジスト/御子柴 悟

是非彼らにお願いしたい!と思い、高柳さんと共に直談判。
課題はありつつも、前向きに検討をしてくださいました。

しかし、使う食材、日本酒、条件などを伝えるうちにだんだん顔が曇り、
最後に木曽の木と水というテーマを大切にしていることを伝えると
「今までで一番難しいかもしれない」と苦悶していました。
(難しい要求ばかりですみませんでした!)
お二人にとっても挑戦のメニュー開発となりました。

同時期に、陰陽チームの映像も完成へ。
俳句を軸に木曽の季節を表現し、四季に四蔵を当てはめました。

さらに、中善酒造店/山口杜氏、山口杜氏の奥様、地域おこし協力隊/長屋さんにもご協力頂き、それぞれの季節において一番良い時間帯の木曽の景色を集めました。
 春はあけぼの。夏は夜、秋は夕暮れ、冬は早朝。
日本人の美的感覚に訴える映像を作って頂きました。

食・酒の起点である上流から、それを最高の状態で東京の消費者という下流に届ける、色んな人の愛と技術が詰まったペアリングコース。そして、その流れを捉え、木曽の風を感じさせる映像。
行き詰ったら、常に消費者の視点に立ち返り、「どうしたら木曽に行ってみたいと思うだろう」と、徹底的に考え抜きました。


風は、木曽だけで吹いて終わりではダメだと思っていました。
参加者が、<美味しい>と直感的に感じ、
木曽の杜氏たちの話で<驚き>
ストーリーで<心に刻まれる>
そんな風に、東京の参加者の心が動いてはじめて完成されるものでした。

地道に体験設計を詰めていき、ついにイベント開催に至りました。
イベントの様子は以下をご覧ください。

私たちの挑戦は、まだまだ続きます。
というより始まったばかりです(笑)
ここからどう発展させるかを毎日考え続けています。
全ては木曽の風を吹かせるために。


イベント後レポート第三弾として、後日、以下の記事を公開致します。
【参加者アンケート結果の発表】
乞うご期待!


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サムネイル
Photo by Yuki Furue
Model by Karin Hiraoka

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