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良いnote

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個人的に、とても個人的に、いいな、と思ったnoteを集めるマガジン。
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記事一覧

【募集】文通をしませんか?【随時】

こんにちは。ご無沙汰しております。amichunです。 (私がこれを書いている時間はAM1:30です。眠れない時のとんでもない行動力を発揮。) 突然ですが……わたしと文通をしませんか? かれこれ7年ほど、離れた場所に住む友人と文通をしています。 便箋を選ぶ時、ペンを選ぶ時、文字を書く時、封を閉じる時、切手を貼る時、郵便局へ向かう時、ポストに投函されていた手紙を見つけた時、手紙を読む時。 全ての時間がとっても穏やかでここちよい。 「手紙」という形式で文章を書くことが大好きな

どうせ死ぬのにどうして働くのか

どうせ死ぬのにどうして働くのかわからないです。震えた声がイヤホンを伝って耳に届く。話しにくかったらカメラ切ってもいいよ。そう言うと、目を潤ませた彼女はこくんと頭を下げ、暗転した画面にはアイコンだけがぼうと浮かんだ。ぽつぽつとこぼされる告白めいた言葉を受け取りながら、見えない姿にかつての自分をつい重ねた。 * 人と人とは真にわかりあえないし、世界はあまりに絶望に満ちている。他者を信じ求め愛するほど、幸福を願うその相手にこそ自分がもたらす罪の側面に目が向いて、私などいない方が

回復について知っていること

 書きやめること、それは読みやめること。それはまなざしの前に立つことが叶わないことであり、カーテンを開けられない朝のことである。病に伏せていたときに転がり落ちた弾みで、人の手が届かない小さな窪みに心が落ち込んでしまった。世界(と呼べるおおきな抱擁のこと)を信頼できなくなり、この世(と呼ぶほかないおおきくて冷ややかなもの)に押し潰され、大事に抱えていた余白やあそびの類のものは失われ、やがては「存在」という脆弱な「点」になってしまった。  自分を現実的に救う。それしか選べないこと

花守

この春、住み慣れた関西を離れて夫と二人で東京に来た。期間限定の都会暮らし。私は仕事を辞めて、夫は仕事環境が変わって、めくるめく新生活。このところ、ようやく暮らしが手に馴染んできた気がする。 引っ越しの少し前に祖母が亡くなった。数日かけてゆっくりと呼吸が浅くなり、やがて静かに止まった。上品で優しくて、一番長く一緒に過ごした人。祖父をうまく弔えなくて滅茶苦茶になってしまった私を見かねたかのように、彼女は別れの時間を持たせてくれた。 長く認知症を患っていて最後に名前を呼ばれたのは

二十九、三十

 来月で30歳になる。節目を前にして働き方や生き方に悩むことが増えている。そんな最近の記録を残す。 友人Yと社会の話  仕事はもういいかなと思って。辞めちゃったんだよね。大丈夫なのかな。30にもなるのに。  知人の制作ユニットが開くオープンスタジオに足を運んだ。印刷団地の一角にある廃工場には、木が材料になるまでの工程とそこに横たわる問題についての、取材や実験を通して得た気づきがまとめられている。  社会的な事柄こそ誰もに身近な物事だから、特別な話としてではなく雑談のひと

3月31日

こんばんは。奈鳥です。 実は明日、誕生日を迎えます。 明日というかもうすぐですが。 あっという間の一年だったなぁと思うと同時に、本当に色々変わった一年だったなぁという思いがあります。 特に、写真に出会ったことは私の中で革命が起こった位の出来事でした。 写真に出会っていなかったらどうなっていたんだろうと想像すると怖くなります。 冬に写真に出会えたのはラッキーでした。 本当に越冬出来るか昨年の春から怖かったんですが、写真のおかげで乗り越えられました。 乗り越えられて自信がつ

短編小説 「コインランドリーで朝食を」

冬休みの一日目。リナは早起きをしてさっと身支度をすませると、たまっていた洗濯物をバッグにつめてアパートを出た。 たっぷりのバターで焼くフレンチトーストをあきらめたのは正解だった、と淡いグレーの空の下を急ぎながらリナは思った。通りをすこしはずれたアパートはただでさえ日当たりがよくないし、午後はつめたい雨の見込みとニュースが知らせていた。 駅へ続くなだらかな坂道を下っていくと、ひときわあざやかな赤い花が入口にこぼれ咲く古びたコインランドリーがあった。こんな時間でも先客がいる。

GRIIIxとfpの話

こんにちは。奈鳥です。 そういえばGRIIIxとfpを買うまでの気持ちや理由を書いたことがなかったので、書いてみようと思います。 GRIIIxを買うまで GRIIIxを買うまでは、ほぼiPhoneで写真を撮っていました。 CanonのEOS Kissx9は持っていたのですが、子どもを撮るくらいで外に持ち出すことは殆どありませんでした。 なぜかと言うと、かさばって重いから。 ズームレンズ付きを購入したのですが、ズームレンズよりもオールドレンズ(supertakumar、

私はそうした誰かになろう

おはよう。 あかるい朝にあなたは生まれている。 吐く息は眠っている間に吸い込んだ夜からの言葉なき抱擁。 満たされた肺から隅々まで巡りゆく愛の端先、あなたを大事に思うのは決してあなたひとりではない。 眠りの中に、孤独の中に、目を閉じているその姿を知っている誰かがいる。誰ひとりいないだなんてどうしても信じられないときは、見えなくても確かにそこにいるのだと思う。 私はそうした誰かになろう。 「誰も私を祝ったりしない」って拳を握るあなたの隣で、一粒の可能性になろう。 私はここにいて

メルカリ 小泉さんからのエグい学び

ありがたいことに年末にメルカリの小泉さんとランチをご一緒させてもらいました。 CTO(@yutadayo)が作成した過去の失敗スライドに、リプライをいただいのがきっかけだったのですが、長らく競合事業(現ラクマ)をやっていたこともあり、きちんとお話ししたことがなく、とても学びが深かったので、ご本人に許可をいただいて、メモした内容と学びをシェアさせていただきます。 なんでメルカリに?噂ではフリルにも入社してもらえる可能性もあったとか?2007年よりミクシィに入社し、2012年

aikoのライブに行って「あぁ知ってしまったんだ」と思った話。

aikoのライブに行った。 多分2〜3年ぶりくらい。そしてたぶん今回で、通算2桁に達しただろうか。 生涯忘れたくない経験を味わったので、書き残すことにした。 aikoの音楽との出会い高校1年の終わりに「二人」という曲を聴いて以来、こんなにハマったアーティストはいないんじゃないかというくらい、狂ったようにハマった。 まっすぐで伸びやかな声、繊細な歌詞、エモいコード進行、そして唯一無二のメロディセンス。 全部、全部刺さった。 初めて自分でチケットを取った、LoveLike

わたしの詩の書き方 「はつ、ゆき」(詩集『ひかりの途上で』より)

 以前、「詩の教室」で自分の詩の書き方についてお話したことがありました。  そのときは「はつ、ゆき」という一篇の書き方についてお話しました。  いまの自分の書き方は少し変化しているのですが、基本的な書き方は変わらないのでここに載せておきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・  まず、作品「はつ、ゆき」を読みます。 はつ、ゆき 赤ん坊のわたしの目が 窓のそばで はじめてみひらき とらえた わずかなこゆきさえ記憶になく 何万回繰り返されても この身の転生は ひとと別

部屋のこと

2019年に平塚に越してきて 5年が経つ。 その間に自室をあれやこれや 色々試行錯誤してきた 空間のことについて そのうちまとめたいと思いつつ いつまでも先に伸びるので ここいらで無理矢理にでも 一度まとめてみたい ※結果的にすごく乱暴なまとめになった。 空間については思うことが多すぎる、、 あれこれ 特に自宅空間は そして特にコロナ以後 仲さんの言葉の重みを繰り返し感じた 自分は日々どんな空間にいて 何をみて 何を感じているんだろうか それが人生にどんな影響をも

なぜCOTENは資金調達の時に、事業計画書も出さず、Exitも目指さないとしたのか? - COTENの資金調達について

はじめに この文章は、COTEN 深井が口述したものをけんすうさん(COTENのエンジェル株主でもあり、深井の友人でもあるシリアルアントレプレナー)に文章化していただき、それに加筆修正を加えたものです。けんすうさんのおかげで文章化することが叶いました。本当にありがとうございます!! こんにちは、株式会社COTENの深井龍之介と申します。 先日、株式会社COTENは資金調達を行いました。詳しくは、以下のPodcastとプレスリリースをご覧ください。 <資金調達 プレスリリ