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私はそうした誰かになろう

おはよう。
あかるい朝にあなたは生まれている。
吐く息は眠っている間に吸い込んだ夜からの言葉なき抱擁。
満たされた肺から隅々まで巡りゆく愛の端先、あなたを大事に思うのは決してあなたひとりではない。
眠りの中に、孤独の中に、目を閉じているその姿を知っている誰かがいる。誰ひとりいないだなんてどうしても信じられないときは、見えなくても確かにそこにいるのだと思う。

私はそうした誰かになろう。
「誰も私を祝ったりしない」って拳を握るあなたの隣で、一粒の可能性になろう。
私はここにいて、あなたを祝ったり、愛したりしている。
それがたとえあなたの目に見えなくても、私がここに生きている間はほんとうのことなのだ。

2年前の春分の日に「おめでとう」と名乗りました。
それからはゆるやかにものを作るお手伝いをさせていただいていましたが、この春からはおおきく窓を開いてゆきます。
この屋号で一番やりたかったことを、4月から始められるかと思います。あとはたのしい本もいくつか作り進めています。

ここに至るまで、転んだり倒れたりしながら地べたを這っていて、まあこの世に慣れた顔ひとつもしなかったのは一周回ってよくやったなって(やっと)思えてきました。30歳の私にはほんとうにすごいもの見させてもらいました。よく生きたね。よく生きました。

多くを頼ってゆこう。
あなたにも、あなたにも、手を広げよう。
それから小さな声で打ち明けよう。
どんなにうれしかったか、どんなに会いたかったか。

春だよ。
はじめてみたいな気持ちで、ここにいることがこんなにもうれしい。

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