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一瞬と永遠と

禅や瞑想に目覚めたのは、14年前に石垣島に住むようになってからです。

それまで住んでいた京都では、その兆候は全くはありませんでした。あれだけお寺やお庭があったのにねえ。茶道とか、禅ぽいことはほとんど、したことなかったです。興味はあったんですけど、正座するのがどうも…。華道はちょっとやりました。「道」の字がつく習い事は、禅の修行に通じるらしいです。

そんな私でしたが、人生、どうなるかわかりません。

石垣島の離島、西表島でキャンプをしたとき、とつぜん降ってきた神秘体験がもとになって、精神世界の探求をはじめました。

その体験があったから、石垣島に住むことにしたんです。

禅といえば、思い出します。

私の大好きなウイリアム・ブレイクの詩です。初めて読んだとき、震えました。

18世紀のイギリスに、こんな禅的な詩を書いた人がいたんですねえ。深い瞑想と宗教性を感じます。

一粒の砂に世界を見

一輪の野の花に天国を見る

手のひらに無限をつかみ

一瞬のうちに永遠をとらえる


ウイリアム・ブレイク「無垢の予兆」

翻訳もいいけど、原文もいいんです。

To see a World in a grain of sand,

And a Heaven in a wild flower,

Hold Infinity the palm of your hand,

And Eternity in an hour .


William Blake「Auguries of Innocence」

一粒の砂なかに、全世界を見ている。

無限の宇宙を、小さな野の花に閉じ込めている。

小さなものの中に全てが詰まっているのです。

私たちの身体の中にも、広大無辺の宇宙が広がっています。

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ウイリアム・ブレイク詩集「無垢の歌」

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ウイリアム・ブレイク「憐み」

ウイリアム・ブレイク(1757―1827)は、イギリスの詩人、画家、版画家でロマン主義の先駆者でした。生涯のあいだ、ほとんど知られることはなかったようですが、現在は史上で最も偉大な幻想画家の一人とされています。ボブ・ディラン、ジョン・レノン、ビートルズ、ボノ、U2、そしてレッド・ツェッペリンなど、ウイリアム・ブレイクに触発されたと主張するアーチストがいます。

極小の無限のなかに、極大の無限を握っている。

金子みすゞの詩にも、ウイリアム・ブレイクと同じような宗教性を感じます。

蜂はお花のなかに、

お花はお庭のなかに、

お庭は土塀のなかに、

土塀は町のなかに、

町は日本のなかに、

日本は世界のなかに、

世界は神様のなかに、

さうして、さうして、神様は、

小さな蜂のなかに。

金子みすゞ「蜂と神さま」

みすゞさんがウイリアム・ブレイクを知っていたかどうかわかりませんが、共通するスピリチュアリティを感じます。

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