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伝説のこどもたち

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私の出会った子どもたち、私にいろんなことを教えてくれた子どもたちについて綴っています。
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#作業療法

伝説のこどもたち けんちゃん

伝説のこどもたち けんちゃん


肢体不自由児施設で働きはじめて数年経った頃、

感覚統合療法の講習会後、しばらくして感覚統合療法室を作ってもらいました。

私がデザインした滑り台、運動発達のおくれたこどもたちを介助しながら滑ったり、四つ這いで登らせたりするためのものです。未だに、同じデザインのものを今の職場で使っています。そのほかにも、ブランコ、小豆のプール、バネ付きブランコいろいろなものを自分で作ってこどもたちとあそんでまし

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伝説のこどもたち まこちゃん1 支援とは?

伝説のこどもたち まこちゃん1 支援とは?

まこちゃんは、メビウス症候群という診断がついてました。

メビウス症候群とは、「眼球の外転神経と、顔面神経に麻痺を生じることが主症状」です。

すなわち、表情がありません。

まこちゃんは、それ以外にも、嚥下障害や、下肢の麻痺と変形もあり、重度の知的障害でもありました。

日常生活動作は、全介助にちかく、また、発語がないのでコミュニケーションも取れませんでした。

1年生になっても、話すこともでき

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伝説のこどもたち まこちゃん2  介助とは?

伝説のこどもたち まこちゃん2  介助とは?

訓練室では、車椅子からマットに、抱っこして下ろしてマットの上で、音楽に合わせて身体をうごかしたり、ふたりでブランコに乗ったりするような遊びをしていました。

ちょっとだけ、笑ったような顔をすることもありました。

当然、訓練が終わると抱っこして車椅子に乗せます。

センターの長い廊下で、車椅子を押しながらわたしは、いつも歌をうたってました。そしてまこちゃんは、いつも穏やかでした。

その日は途中で

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伝説のこどもたち ゆかちゃん2

伝説のこどもたち ゆかちゃん2

1年遅れで、養護学校に入学しました。生活面ではできるようになったこともありました。トーストしていないパンが食べられるようになった。下駄箱に靴を入れるようになった。カバンをもてるようになった。というようなことです。

しかし、訓練では、相変わらずでした。机についてくれないので発達検査は、測定不能の状態です。本をパラパラめくることはありましたが、おもちゃでは遊んでくれません。でもブランコに乗ることと、

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