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ワーキングブルース

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仕事の事や、社会人の話。 良い時も悪い時も。 実話も創作も両方ごちゃ混ぜで載っけます
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#私の作品紹介

ただの街、東京【エッセイ】

ただの街、東京【エッセイ】

銀座のとあるビルの最上階に、

駅の待合所みたいに殺風景な
少し変な喫茶店があった。

オシャレさや煌びやかさが
持ち味みたいなこの街に
イマイチ似つかわしく無い
味気のない店の作りで、

別段旨いコーヒーを飲めるでも無く、

雰囲気だって良いでも無く、

微かに聞こえる程度の
有線の音楽が流れている中

そこらで仕入れてきた様な
パックに入って売ってるであろう
飲み物を器に入れて出すだけの、

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【短文】三分間を、待ちながら

【短文】三分間を、待ちながら

三分間を、待ちながら。

心に小さな穴が開く。

いろんなものを選びながら。

好きながら、嫌いながら、

アタシはアタシを全うしてきた。

思う様に生きるために、

素敵な夢を見るために。

数えきれない取捨選択の

戦いの先に「アタシ」になった。

三分間を、待っている。

焼きそばを食べようと。

浮かれもせず、喜びもせず。

一人。

後悔なんてしていない。

アタシはアタシで、あれたのだ

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或る社会人の記録【エッセイ】

或る社会人の記録【エッセイ】

上手くいかない。

敵も増えた。

勇気が欲しい。

自分が正しいんだと

まるで疑わない、勇気が。

ワーキング、アンドワーキング【短文】

ワーキング、アンドワーキング【短文】

兄弟、悪ぃな遅い時間に。

ちょっと聞いてくれ。

信じらんなくってよ。

手当てを出すって言ってたんだ。

あのシブチンの会社がだよ。

景気良いからな、そうだよ。ああ…

忙しかったから、最近マジで。

あぁ、そうかもな…でさ…

封筒渡されたんだよ。

茶封筒、給与明細と一緒に。

期末手当だ…っつってさ。
1年間ご苦労様ですって。

所長の野郎が勿体ぶって
両手で渡してきたんだよ。

あぁ

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