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価値観=ビジュアルなので。

 視覚を用いて生きている人間にとって、ビジュアルとは何よりも大切な価値基準である。形、色、構図、見た目、全景……そういったものは、どのような場合においても、人間を支配して解放はしない。いうなれば私達は、ビジュアルイメージの奴隷である。それくらい、判断力というものは視覚に偏っている。

 だから、私達が「良い」「悪い」を判断するのは、完全にビジュアル頼りだ。後から視覚以外のどのような情報が追加されようと、1度ビジュアル的にされた判断は中々に覆らない。反対に、ビジュアル以外の部分で決定された判断は、そのビジュアルイメージによって簡単に覆る。
 ビジュアルとはそれほどに強い。視覚に頼る生き物ゆえに、どうしようもない習性だ。だから多くの評価の高い物事は、大抵、ビジュアル戦略において成功している。

 加えて、高速化する情報化社会によって消費スピードが増していく今、私達の生活は基本的にザッピング(ちら見)である。衣食住、コンテンツ、事件や事故までもが、現れてはすぐに消えていく流れ星状態だ。そんな中で私達は、何をもって物事を判断するのか、情報を得ようと思うのか? 選択を次に進める根拠は?
 それは確実に、ビジュアルイメージだ。それに尽きる。自らが「いいな」と思った「ちら見」の結果、それは良いものとして取得される。シンプルにして一瞬のことだが、それが今の世の中の「判断」というものであり、そしてそれによって「評価基準」は作られている。

 ビジュアルなのだ。この世を支配する、価値の根源は。他のなにものでもない視覚情報こそが正義であり、現実なのである。

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