マガジンのカバー画像

作品

52
運営しているクリエイター

#ナンセンス

全ての世界で銃の所持が認められれば人類は平和に暮らせるようになるのではないかと思ったがダメだこれ

 銃の所持が合法となり国内での自殺者数が格段に増加したのは政府の陰謀だの隣国の侵略などと囁かれていたが何の事はなく単に「ガンカッコいいよね!」という意見が国会を席巻し与野党満場一致で銃保有の合法化が可決しただけであった。

 しかしいずれにしろ銃による自殺者が日に絶える事なく続出したのは事実であり、この事象はショックガン問題などという悪ふざけ極まりない名称で呼ばれ社会現象となる。

 世知辛い時代

もっとみる

聖水少女3

前回

カクヨム

 道すがら尿を振りかけながら登校した香織が学校に到着後すぐさま確認するのは天花の所在である。
 彼女は軽やかに席へと座り、一日の準備をしつつ周りを見渡す。そして天花の姿を見つけると安堵と高揚の矛盾を抱え、人知れず、だらしなく頬を緩ませるのだった。香織も天花も皆勤者であり毎日顔を合わせているが、その事実を天花が心得ているか定かではない。だが、香織はその些細な共通点を誰よりも噛みし

もっとみる

聖水少女2

カクヨム

 香織の朝は早い。
 共働きの両親を慮おもんぱかり家事の一部を引き受けている彼女は毎朝家族三人分の朝食と弁当を作っている。月曜と木曜はゴミ出しまであるのだからさらに忙しい。飽くまで寝ていたら遅刻必至。鶏鳴とまではいかぬまでも、未だ朝日が低いうちに起きねばなんともならぬのである。
 と、同時に、まだ誰も起きていないからこそできる事が一つ。それは厠にて行う秘事。香織が人知れずに繰り返す異常

もっとみる

奥多摩の猿

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893480044/episodes/1177354054893480047

奥多摩に猿が出たとの報せが入った。
 猿は人里に降り人を襲って身ぐるみを剥いでいくという。猿が人間の着物をかっぱらってどうするのだろうかと大石は訝しんだが、実際被害が出ているわけだし、そもそも猿の奇行を人間の理知で推し量ることなどできるはずもな

もっとみる