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パクチーのある食卓

わたしはパクチーがすき。

春先に毎日のように食べていました。
というのも、旬野菜の詰め合わせを毎週頼んでいるのですが、
その中にパクチーが入っていて、あいにくわたし以外の家族は食べません。

シャキシャキのパクチーだから、しなしなになる前に!と、
だし巻きに、
ハンバーグに、
サラダにとパクチー祭をしていたのです。

パクチーが好きだから、
あれもこれもパクチー色に染まっても全く気になりません。

むしろ
「ふだんよりアクセントがあるわぁ」
とお箸が進みます。

ところが、わたしの家族がそうなように、
パクチーって好き嫌いが分かれる食材ではないでしょうか。

うちの夫は、パクチーが苦手。

わたしがキッチンでパクチーを刻んでるだけで
「なんか不穏な匂いがする」と律儀に毎度まいど騒ぎ出します。

ふたりの子どもも、苦手。
小学4年の長女はパクチーに興味がなく、
3歳の長男はクンクンと匂いで、クシャッと顔をしかめました。

さて、当のパクチーはこの事態になんて思ってるのでしょう。

「そんなに嫌わなくても」とか
「もうちょっと香りをマイルドにしようかなぁ」

なんて考えてるのかなぁ。

ふふふ、
・・・きっと、特に何も思ってませんよね。

パクチーから香りが消えてしまったらただの草だし、
あの鼻に抜ける独特な香りがあるから、パクチーなんですよね。
パクチーにしてみたら「おいしいなぁ」と食べてくれたら本望じゃないのかしら。

こうやってパクチーに思いを馳せながら感じたことですが、
一億総メディア時代と言われる今、
何か発信すると、
それ好きーって言ってもらえる一方、
やっぱり、
苦手、とか人が離れていったりということもあるわけです。

その自分に向かう「好き・苦手」に、
特に向かってくる「苦手」に対して、ちょっとこわいとか構えちゃうこともあるわけです。

その見えない苦手のために、
本音を言わなかったら、自分じゃなくなって当たり障りのない、
ただの人になってしまう。

本音を言うからこそ、その人らしさが出て、
この味だからこそ、好きーってなるんだなぁ。

大人数でワイワイより、こじんまりでじっくりが好きで、
熱しやすく冷めやすいから続けるのが苦手で、
小田和正の保険のCMで泣けて、
スタバのソイラテとチョコと梅干しが好き。

昔はダメなところは直さなきゃって思ってたけど、
いいもダメもまるっと自分で、一歩ずつ歩みを進めたいし
こんなわたしだからこそ、届けられるものがあるかもしれない。


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